KSPG AG (旧 Kolbenschmidt Pierburg AG) 2012年12月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万ユーロ)
  2012年
12月期
2011年
12月期
増減率 (%) 要因
売上高 2,369 2,313 2.4 1)
純利益 103 105 (1.9) -

要因
1) 売上高
-西欧における自動車生産の急落が見られたが、2012年12月期の売上高は前年比2.4%増加の2,369百万ユーロ。自動車部門の成長率は、乗用車のグローバル生産台数の伸び率6%を下回った。

-Mecatronics部門の売上高は、前年比6%増加の1,091百万ユーロ。主に新製品の販売が開始したこと、二酸化炭素・排ガス低減に関連する製品の生産が伸びたことが寄与。

-2012年12月期のHardparts部門の売上高は、1,092百万ユーロとなり前年比でわずかに減少。大径ピストンの販売は堅調であったが、景気悪化による需要低迷で小径ピストンおよび滑り軸受の販売が低迷したことが影響。

企業買収

-同社は、英国オックスフォードシャーのKirtlingtonを本拠とするMechadyne International Limitedを完全子会社化したと発表。Mechatronics部門に属するPierburgのValvetrain Systems部門に統合する。なお、Mechadyneのブランドは引き続き使用される予定。Mechadyneは1984年に独立系開発会社として設立。過去20年間、内燃エンジンの排出ガス削減・燃費向上に関する技術を専門としていた。現在は可変バルブコントロールシステムに注力している。(2012年9月18日付プレスリリースより)

合弁事業

-Mechatronics部門のPierburg Pump Technologyは、ミクニとの間で中国・上海に合弁会社を2012年4月に設立すると発表。新会社「Pierburg Mikuni Pump Technology (Shanghai) Corp.」は、2010年に設立された両社による合弁会社Pierburg Mikuni Pump Technology Corporationの完全子会社となる。新会社の資本金は14百万元 (約168百万円) で、Pierburg Pump Technologyの出資比率は51%。中国市場向けに、電動ウォーターポンプおよび可変オイルポンプの開発・生産・販売を行う。(2012年4月2日付プレスリリースより)

事業再編

-同社は、2011年第3四半期に買収したKirloskar Oil Engines Ltd.のPune拠点の事業を、同社が保有するTakwe拠点に移管。

-2012年、Hardparts部門に属するKS Gleitlagerの北米および南米生産拠点を、新たに設立したメキシコ拠点に統合。

開発動向

研究開発費

(単位:百万ユーロ)
  2012年12月期 2011年12月期 2010年12月期
合計 147 130 120
 

製品開発

スーパーチャージ過給ディーゼルエンジン用スチールピストン
-Hardparts部門は、スーパーチャージ過給ディーゼルエンジン用スチールピストンを開発。リッターあたり100キロワットを超える出力を実現し、着火圧力は200バール以上。エンジン効率、熱効率を改善し、摩擦損失を低減する。燃費および二酸化炭素の排出を最大5%を削減することができる。生産開始は2014年を予定。

アルミ鋼減摩コート合金
-同社は、アルミ鋼減摩コート合金「KS R53」を2013年中ごろに量産を開始する。従来の減摩コート合金に比べて耐久性・耐摩耗性に優れるため、高負荷にさらされるガスエンジン用コンロッドベアリングやガスおよびディーゼルエンジン用クランクシャフトベアリングの使用に適する。

排気流量センサー
-Mechatronics部門に属するPieburgは排気流量センサーを開発し、2013年に大量生産を開始する。排ガス中の高温ガスを直接検出するため、排気システムに容易に統合ができ、精密な排ガス循環制御を可能にする。

設備投資

設備投資額

(単位:百万ユーロ)
  2012年12月期 2011年12月期 2010年12月期
合計 148 104 96

<Mecatronics部門>
-2012年12月期の同部門に対する設備投資額は、前年比6.5%増加の66百万ユーロ。同部門の製品群に広く配分。

<Hardparts部門>
-2012年12月期、同部門に前年比でほぼ倍増の77百万ユーロを投資。主にKS Kolbenschmidtの小径ピストン事業に投資された。

国内投資

-Mechatronics部門のPierburgは、Neussに約7万平方メートル規模の「Hafenmole」工場を建設すると発表。既存のNeuss工場とNettetal工場を新拠点に集約する。新工場では、2014年から乗用車および商用車向けにマグネチックバルブ、排ガス再循環システムなどを生産する予定。現在、Nettetal工場には約400名、Neuss工場には約300名の従業員が生産業務に携わっているが、新工場では約600名の従業員を採用する見込み。なお、KSPG Groupは今回の建設計画に数千万ユーロを投じる予定。(2012年7月23日付プレスリリースより)

海外投資

<中国>
-同社は、中国上海市の浦東 (Pudong) 新区の張江 (Zhangjiang) に中国本社「KSPG House」を設立した。同国におけるKSPGグループの全ての完全子会社を統括し、事業拡大を図る。なお、同グループは近年、中国に複数の完全子会社を設立。Pierburg Chinaは江蘇省昆山 (Kunshan) に新たに建設したEGRシステム工場で、2012年秋より生産を行っている。2013年春には中国市場向けにスロットルボディの生産を開始する計画。(2012年12月5日付プレスリリースより)