Kolbenschmidt 2006年度の動向
ハイライト
業績
(単位:百万ユーロ) | 2006年度 | 2005年度 | 増減率 | 要因 |
Pierburg部門 (Pierburg) |
923 | 903 | 2.2 | (1) |
ピストン部門 (KS Kolben) |
707 | 638 | 10.8 | (2) |
平軸受部門 (KS Gleitlager) |
196 | 171 | 14.6 | (3) |
アルミニウム技術部門 (KS Aluminum Technology) |
224 | 210 | 6.7 | (4) |
エンジンサービス部門 (Motor service) |
158 | 160 | (1.3) | - |
グループ | 2,181 | 2,050 | 6.4 | - |
EBIT(グループ) | 113 | 146 |
(22.6) |
(5) |
<要因>
(1)
Pierburg部門の売上げは、前年比で2.2%増加の923百万ユーロ。インテイクパイプあるいはスロットルハウジングの需要減少でエアマネジメント事業やアクチュエータ事業が低迷したものの、ポンプ事業および排出ガス削減製品事業の伸張がそれらマイナス分を上回った。
排出ガス削減製品事業では、EGRバルブ製品グループの売上が増加。これは、米国への参入成功や欧州の規制値強化によるディーゼルエンジンへの関心の高まりが影響している。ポンプ事業ユニットは、特に、オイル・機械式ウォーターポンプの売上増加が寄与。
(2)
ピストン部門(KS Kolben)の売上げは、前年比で10.8%増加の707百万ユーロ。特に、大型ピストン分野での数量増加や、原材料費高騰の価格転嫁などが寄与。
(3)
平軸受け部門(KS Gleitlager)の売上げは、前年比で14.6%増加の196百万ユーロ。顧客への価格引き下げの影響を受けた金属ベアリング事業の成長が不振であったが、連続鋳造製品事業及びパーマグライド(Permaglide(R))製品グループが相殺に余りある成長を見せた。連続鋳造製品事業に関しては、売上成長に加え、原材料費上昇分を価格転嫁できたことも成長要因。
(4)
アルミ技術部門は、過去数年にわたり成長基調にあり、売上げは、前年比で+6.7%増加の224百万ユーロ。低圧キャスティング事業、高圧キャスティング事業での売上増加や、原材料費上昇分の価格転嫁などが寄与したことが主な要因
(5)グループ全体のEBITは、前年比で22.6%減少の113百万ユーロ。原材料及びエネルギー費の急騰、リストラ費用の増加、為替差損、並びに前年度に行ったPierburg部門のエアマスセンサ製品分野の売却による売上減少が要因。
子会社設立
Pierburg GmbHは拡大を続けるインド市場に子会社を設立する。新会社名はPierburg India Private Limitedで、インドにおける最も重要な自動車産業中心地のひとつであるPuneに本社を置く。PierburgはまたPuneに排気ガス再循環バルブ、オイル、水、バキュームポンプの自社製造工場を設立する計画である。2008年の終わりまでに現地での総従業員数を100名まで増員する予定。(2006年10月30日付け同社プレスリリースより)
企業買収
2006年2月、ピストン部門のKS Kolbenが2006年2月2日付でDESC AutomotiveからPistones Moresaの全OEM部門を買収したと発表した。(2006年2月2日付同社プレスリリースより)
開発動向
研究開発費用
研究開発費用
(単位:百万ユーロ) |
2006年度 |
2005年度 | 2004年度 | 2003年度 |
Pierburg部門 (Pierburg) |
55 | 54 | 55 | 51 |
ピストン部門 (KS Kolben) |
37 | 37 | 32 | 25 |
平軸受部門 (KS Gleitlager) |
8 | 7 | 4 | 3 |
アルミニウム技術部門 (KS Aluminum Technology) |
9 | 6 | 6 | 2 |
グループ合計 | 109 | 104 | 97 | 81 |
売上対比 | 5.0% | 5.1% | 5.0% | 4.3% |
研究開発体制
- | 2006年度 | 2005年度 | 2004年度 | 2003年度 |
研究開発に携わる従業員比率 | 7.2% | 6.2% | 6.2% | 6.0% |
製品開発
新開発"冷却EGRモジュール"
同社が新しく開発した冷却EGRシステムモジュール(cooled exhaust gas recirculation module)に関して、初の受注を取付けた。現時点で入っている受注先は欧州主要カーメーカー3社で、受注総額は約3億マルク。このEGRシステムモジュールはダイカストアルミを原料に新開発された製品で、現在広く普及しているステンレススチールクーラーに比べて低コストかつ軽量であり、何よりもアルミの持つ熱伝導性をより効率的に利用したものとなっている。(2006年11月27日付け同社プレスリリースより)
設備投資
設備投資費用
(単位:百万ユーロ) | 2006年度 | 2005年度 | 2004年度 | 2003年度 |
Pierburg部門 (Pierburg) |
50 | 68 | 54 | 50 |
ピストン部門 (KS Kolben) |
58 | 58 | 47 | 43 |
平軸受部門 (KS Gleitlager) |
12 | 17 | 12 | 6 |
アルミニウム技術部門 (KS Aluminum Technology) |
20 | 16 | 13 | 14 |
エンジンサービス部門 (Motor service) |
1 | 1 | 7 | 1 |
その他 | 8 | 2 | 0 | 3 |
グループ | 149 | 162 | 133 | 117 |
前年度と同様に、2006年度もPierburg及びKS Kolben部門が設備投資の中心となった。主に、設備の拡充や合理化、新規プロジェクト対応が中心。
Pierburg部門
・国内では、製品の新規立ち上げ及び顧客対応のための生産能力増強への投資が中心。
インテイクパイプ及びエレクトリックウォーターポンプの生産能力増強や、研究開発分野の設備及びNeussのカスタマーセンターへも投資した。
・海外では、スペイン及び米国で特にEGRバルブの組立て能力増強、米国ではさらにウォーターポンプ生産の投資を行った。イタリアおよびフランス拠点では、オイルポンプ及びウォーターポンプの生産能力増強。チェコでは、二次エアポンプ、排気ガスフラップ、電気式駆動モジュール用製造ラインの構築及び拡充への投資。ブラジルでは、工場及び事務所の建設、ダイカスト鋳造及び仕上げ加工設備、組み立て能力の増強を行った。
KS Kolben部門
・国内各拠点で主に補充投資を行った。また、大型ピストン及びスチールピストン製品分野での新規プロジェクトのための能力増強を実施した。
・海外では、チェコと日本を中心に生産能力増強を中心にに実施。さらに春にはメキシコ工場を買収、工場拡充を行った。
また、Pierburg及びKS Kolben部門は、2006年6月に、両部門の北米本社があるFountain Inn拠点の拡張を発表している
平軸受部門(KS Gleitlager)
・主にSt. Leon-Rotでの半製品製造のための能力増強、ならびにPapenburg工場の生産能力増強が中心。その他に、新規ロジスティクスセンターの建設を開始した。
・海外では米国で生産インフラの改善など
アルミ技術部門
・新規かつ利益率の高いビジネス開拓を目的に、製造加工分野の拡張準備のための建物への投資を中心に実施。低圧キャスティング分野での新製品の立ち上げのための設備導入も引き続き行った。Neckarsulmでは、2007年3月完成をめどに新たにカスタマーセンターの建設を開始。