Eberspacher Holding GmbH & Co.KG 2010年12月期の動向
ハイライト
業績 |
(単位:百万ユーロ) |
2010年 12月期 |
2009年 12月期 |
増減率 (%) |
要因 | |
売上高 | 1,933.8 | 1,342.0 | 44.1 | 1) |
エキゾーストテクノロジー部門 | ||||
売上高 | 1,599.2 |
1,136.9 | 40.7 | 2) |
車両用ヒーター部門 | ||||
売上高 | 334.7 |
205.1 | 63.2 | 3) |
要因
1)
-2010年の同社グループの売上高は前年比44.1%増の1,933.8百万ユーロとなった。ネット売上高は前年比36.1%増、純利益は34.1百万ユーロ。
2)
-同社最大の事業部門となるエキゾーストテクノロジー部門は、グロス売上高1,599百万ユーロ、一時的な要素を除いたネットの売上高は820百万ユーロとなった。高級車の需要の増加とドイツ自動車メーカーの輸出の増加が寄与。また、米国の商用車用の規制EPA-2010基準の対応製品の量産が始まり、この北米の規制への対応ではドイツ自動車メーカーが牽引する役割を担っており、同社製品の導入が進んでいる。
3)
-温度制御システム事業部門売上高は、前年比63%増の335百万ユーロ。この増加は同事業の全製品、燃料および電気ヒーターや2010年に発売したバスエアコンシステムによるもの。
企業買収
-米国のCarrier Corp.からCarrier Air-conditioning and Refrigeration Ltd.(Carrier India)を買収。Carrier Indiaはインドのバス用エアコンシステムメーカー。これに伴い、EberspacherはGurgaon近郊に本拠を置く新会社 「Eberspaecher Sutrak Bus Climate Control Systems India Pvt. Ltd.」を設立した。(2010年7月21日付プレスリリースより)-ドイツのCarrier Sutrakを買収。同社はドイツRenningenとスペインMadridに生産拠点を保有するバス用エアコンシステムメーカー。2009年 には約90百万米ドルの売上を記録した。なお、今回の買収に伴い、Renningenに本拠を置く新会社「Eberspacher Sutrak GmbH & Co. KG」が設立された。(2010年4月1日付プレスリリースより)
受注
-DPF(ディーゼル微粒子フィルター)とSCR(選択式触媒還元)コンバーターを組み合わせた システムを、Volvo Trucks North AmericaとDaimler Trucks North America傘下のエンジンメーカーDetroit Dieselに納入。このシステムは米国排ガス規制「EPA 10」に対応している。(2010年3月9日付プレスリリースより)合弁会社
-Bosch Emission Systems GmbH & Co. KGが2010年4月に事業を開始した。同社はドイツStuttgartに本社を置き、商用車用ディーゼル排気後処理システムを生産する。2010年第3 四半期からドイツのNeunkirchenで量産に入る計画。Bosch Emission SystemsはBosch、Deutz、Eberspaecherの3社による合弁会社。(2010年4月8日付プレスリリースより)開発動向
研究開発費 |
(単位:百万ユーロ) |
2010年12月期 | 2009年12月期 | 2008年12月期 | |
合計 | 97.7 |
79.2 | 82.6 |
研究開発拠点
-Esslingen(ドイツ)、Unna(ドイツ)、Schwäbisch Gmünd(ドイツ)、Paris(フランス)、Novi(米国)、Pune(インド)研究開発活動
-R&D費用は、97.7百万ユーロ(2009年は79.2百万ユーロ)となった。社内製品開発への投資に加えて、設計、CAE(computer-aided engineering)、試験サービスなどの外部企業にもR&D費が投じられている。R&D費用は前年比で23.4%増。主なR&Dプロジェクトは、EPA 2010、EURO 6などの規制への対応、およびEV用高電圧ヒーターの開発など。-EV用の高電圧ヒーターを先行して開発。Chevrolet Volt、Nissan Leafに採用されている。
-同社子会社Eberspaecher Controlsは、電子制御グラスルーフパネルを開発。Mercedes SLKに採用された。
設備投資
設備投資額 |
(単位:百万ユーロ) |
2010年12月期 | 2009年12月期 | 2008年12月期 | |
合計 | 33.9 |
38.1 | 65.2 |
設備投資
-同社はドイツでの生産能力を拡大する計画。ザクセン州Dresden近郊のWilsdruffに、2010年11月中旬から新工場を建設開始する。同工 場では 欧州排出ガス基準「Euro 6」に対応したエキゾーストシステムの生産を予定。2011年末には約2万平方メートルの工場面積で試験生産を行う。開業時の従業員数は20-30名、 2015年には300名へ増員する見込み。(2010年11月8日付プレスリリースより)-ロシアおよび韓国においてJVを設立し投資を行った。これにより、現地のAvtoVAZやHyundai Kia等の新規顧客へのアクセスが可能となった。さらにロシア、ブラジルにおいては新工場を建設し生産能力を拡大させている。新工場はドイツ本国にも設置。ドレスデン近くのWilsdruffに新工場を設置し、2014年から始まるEuro 6に適応するエキゾーストシステムの生産を開始する計画。