HELLA KGaA Hueck & Co. 2016年5月期の動向
業績 |
(単位:百万ユーロ) |
2016年 5月期 |
2015年 5月期 |
増減率 (%) | 要因 | |
全社 | ||||
売上高 | 6,352 | 5,835 | 8.9 | 1) |
EBITDA | 816 | 766 | 6.5 | - |
部門別売上高 | ||||
照明 | 2,720 | 2,427 | 12.1 | - |
電子機器 | 2,084 | 1,937 | 7.6 | - |
要因
1) 売上高
-2016年5月期の売上高は6,352百万ユーロ (前年比8.9%増)。為替効果による影響 (1.4ポイント増) を除くと7.5%増。主に中国、欧州で同社自動車部品の需要が好調だったことが奏功した。特にヘッドランプ用軽量ヒートシンクなど、エネルギー効率向上に貢献する製品の販売が拡大した。一方、欧州自動車メーカーからの輸出が減少した北米、南米では販売が微減。中国、欧州の増収分は一部相殺された。
-2016年5月期、自動車部品事業の売上高は4,804百万ユーロ (前年比10.1%増)。ロシア、ブラジルにおける業績は低迷したが、グローバル市場全体への影響は限定的。複雑なLED技術を採用した製品や、エネルギー管理、運転支援、電動パワーステアリング (EPS) システム用の新製品投入により売上を拡大。
受注
-2016年1月、同社は2015年11月に発売されたAudiの新型 「A4」 向けに、LEDリアコンビネーションランプ、ヘッドランプ点灯用のライトコントロールユニット、スモールランプ、内装用ルーフモジュールおよびリアランプが採用されたと発表した。リアコンビネーションランプは、Audi 「A8」 および 「A7」 にも搭載されている。(2016年1月13日付プレスリリースより)
-2016年1月、BMWの新型 「7 Series」 のライトカーペット機能に、同社製ランプが採用されたと発表した。従来のシステムでは、LEDモジュールがアウトサイドミラーや運転席側ドアの外側に搭載されていたが、このモデルでは前輪後方のロッカーパネルに固定されている。そして、複数のライトが4メートルの均一な形状で地面を照らし出す。同社はこのほかにも、「7 Series」 の後部座席向けに、アンビエントライト用のライトガイドや、後部座席上部に設置される読書灯などのインテリアライトも納入している。 (2016年1月6日付プレスリリースより)
-2015年12月、BMW 「3 Series」 に同社製のLEDヘッドランプ、LEDリアコンビネーションランプ、インテリアライトのほか、レーダーセンサー、レイン/ライトセンサー、インテリジェントバッテリーセンサーなどさまざまな電子部品が搭載されていると発表した。(2015年12月18日付プレスリリースより)
-2015年9月、Chevrolet 「Camaro」 の新型に同社のアンビエントインテリアライトが搭載されていると発表した。この新たなライトコンセプトでは、センタースクリーンから車内全体に流れるようにゆっくりと色が変わっていく。ドライバーは、24色の中から直接色を選択できるほか、インテリアライトを走行モードに合わせたり、 「ショーモード」 に切り替えたりすることもできる。この製品のプロジェクト管理と開発に関しては、米国ミシガン州のPlymouth拠点およびドイツ南部のWembachにあるインテリアライト・コンピテンスセンターが行った。エレクトロニクス開発はインドのPune拠点、メカニック開発はHella Automotive Mexicoがサポートした。また、ライトガイドおよびコントロールユニットの生産もメキシコで行われている。スロバキアBratislavaにあるインテリアライト工場では、LEDモジュールの生産とキャリブレーションを行っている。(2015年9月15日付プレスリリースより)
研究開発費 |
(単位:百万ユーロ) |
2016年5月期 | 2015年5月期 | 2014年5月期 | |
全社 | 623 | 544 | 514 |
-自動車部門 | 591 | 512 | 478 |
全社研究開発費の全社売上高に占める割合 | 9.8% | 9.3% | 9.6% |
研究開発要員数 | 6,361 | 6,063 | 5,880 |
研究開発拠点
-2016年4月、ドイツのStuttgartに自動車用照明技術の開発センターを開設すると発表した。ドイツ南部に拠点を持つ顧客向けに、LED製品および部品を開発する。2016年秋に開設予定の同センターでは、まず従業員25名を雇用し、将来的に100名超に増員する計画。(2016年4月28日付プレスリリースより)
技術提携
-2016年5月期、複数の大学とのL-Labの共同運営を継続。L-Labは照明工学およびメカトロニクスの研究所であり、2000年以来The University of Paderbornと共同運営している。
-Fraunhoferの応用研究センターと、レーザーを使用したヘッドランプを共同開発している。また、パートナー企業とFraunhofer Institute for Production Technology (IPT) と共にフォトニクスの研究も進めている。高性能光学製品のフレキシブル生産、またLCDを採用した自動車用アダプティブライトシステム研究プロジェクトにも参画している。
-2016年5月期に完了した研究開発プロジェクトは以下のとおり。
- Osram、Daimler、Infineon、Fraunhofer研究機関グループとともに 「u-AFS」 プロジェクトの一環として、ピクセル化したLEDシステムを開発。
- Fraunhofer Institute for Production Technologyと共同で自動調整式ヘッドランプシステムを開発。
- 総合調査機関と有機EL (OLED) 統合技術を開発。
研究開発活動
-2016年5月期、照明事業は量産車へのLED技術搭載拡大に向けた研究開発を推進。また高級車セグメントに関してはHD (high definition) ヘッドランプの開発に注力した。
-研究開発活動の注力分野: ピクセル化したLED照明、LCD技術、デジタルミラーデバイス、レーザー光源アプリケーション、ホログラフィ、有機EL(OLED)
特許
-2016年5月期、172の特許を登録した。
設備投資額 |
(単位:百万ユーロ) |
2016年5月期 | 2015年5月期 | 2014年5月期 | |
合計 | 463 | 347 | 368 |
-2016年5月期の主な設備投資は、建物、工場、機械等設備の維持、拡張。
海外投資
-2016年3月、ブラジルIndaiatubaの新工場がボディコントロールユニットやフューエルポンプ用コントロールモジュールの量産を開始した。稼働開始時の従業員は30名、製品は南米に拠点を置く自動車メーカーに広く供給する。