HELLA KGaA Hueck & Co. 2014年5月期の動向
ハイライト
業績 |
(単位:百万ユーロ) |
2014年 5月期 |
2013年 5月期 |
増減率 (%) |
要因 | |
全社 | ||||
売上高 | 5,343 | 4,835 | 10.5 | - |
EBITDA | 650 | 551 | 18.0 | - |
事業別売上高 | ||||
照明 | 2,180 | 1,846* | - | -欧州、北米および中国におけるLED製品の需要が増加。 |
電子機器 | 1,744 | 1,700* | - | -中国、NAFTA、欧州で需要が増加。 |
合弁事業
中国市場に特化したライトシステムを生産-中国で北京汽車 (BAIC) と折半出資による合弁会社を設立すると発表。新会社「Beijing Hella BHAP Automotive Lighting Co., Ltd.」は2014年9月に稼働を開始する予定。資本金は約30百万ユーロ。中国市場に特化したライトシステムの開発・生産を行う。(2014年4月30日付プレスリリースより)
レーダーセンサー強化
-2013年、ドイツのレーダーセンサー製造大手のInnoSenT GmbHと協業を開始。車線変更/車線維持支援システム等に用いられるレーダー技術を強化する。
受注
-2014年5月期の主な受注案件は以下の通り:モデル | 製品 | 備考 |
BMW 「X5」 | -アンビエントランプ -リアコンビネーションランプ -バッテリセンサー -DC/DCコンバーター -レイン/ライトセンサー -車線変更警告システム (オプション) |
- |
BMW 「5 Series」 | -アダプティブLEDヘッドランプ -テールランプ -アンビエントインテリアランプ -バッテリーセンサー -計器用変圧器 |
- |
Audi 「A8」 | Matrix LEDヘッドランプ | -グレアフリーハイビーム機能により、対向車や先行車にライトのまぶしさを感じさせることなく、常時ハイビームを点灯した状態で走行できる。ハイビームを5つのリフレクターに分割し、それぞれにLEDを5個ずつ組み込んだチップを用いることで実現。 |
Land Rover 「Range Rover」 | インテリアランプ | - |
Land Rover 「Range Rover Sport」 | インテリアランプ | - |
Opel 「Adam」 | インテリアランプ | - |
Seat 「Leon」 | インテリアランプ | - |
Volkswagen 「Golf」、「Golf R」、「Golf GTI」 | インテリアランプ | - |
Citroen 「C4 Picasso」 | テールランプ | -ブレーキランプ機能には、それぞれ15個のLEDを用いた2つの3Dモジュールがオプション搭載。 -標準バージョンでは白熱電球のみを使用。 |
受賞
-Matrix LEDヘッドランプが「2014 Automotive News PACE Award」を受賞。(2014年4月8日付プレスリリースより)開発動向
研究開発費 |
(単位:百万ユーロ) |
2014年5月期 | 2013年5月期 | 2012年5月期 | |
全社 | 514 | 444 | 366 |
-自動車部門 | 478 | 408 | 346 |
全社研究開発費の売上高に占める割合 | 9.6% | 9.2% | 7.9% |
研究開発要員 | 5,880 | 5,414 | 4,640 |
研究開発拠点
-2013年11月、ドイツのLippstadtに電子機器の開発センターを開設。研究開発要員は約700名で、主に運転支援システム、エネルギー管理システム、ステアリング関連、ボディエレクトロニクス関連の研究を行なう。-上記の他に、2014年5月期中にメキシコのGuadalajara、ベトナムのホーチミンにおいても開発センターを新設。
技術提携
-2014年5月22日、北京汽車および北京海納川汽車部件股份有限公司との技術提携を発表。この提携により北京汽車のHella Groupの先進的技術の採用がさらに増えると見込んでいる。Hellaはランプの設計および研究開発における豊富な経験をもとに、北京汽車の独自ブランド車用ランプの初期設計段階でサポートを提供するとしている。研究開発活動
ドイツの共同開発プロジェクトに参画-ドイツ連邦教育研究省 (BMBF) が出資する研究プロジェクト「VoLiFa2020」に参画する。夕暮れ時や薄暗い場所での交通安全の向上が同プロジェクトの目的で、完全適応型の自動車用アダプティブヘッドランプシステムを開発する。同プロジェクトにおいて同社は、光学システムの開発やシステム全体への部品統合などを担当する。同社の他には、Elmos Semiconductor、Merck、Porsche Engineering Group、Schweizer Electronic、パーダーボルン大学などが参加。
特許
-2014年5月期、194件の特許が登録された。
製品開発
湾曲型有機EL (OLED) モジュールを採用したリアコンビネーションランプ-湾曲型の有機EL (OLED) モジュールを統合したリアコンビネーションランプのプロトタイプを開発。28の異なる形のOLEDモジュールを用いて、立体的な照明構造を作り出した。この製品の設計サンプルは、BMWおよびLG化学と共同で開発され、世界最大の照明・建築の見本市「Light + Building」で初公開されている。(2014年4月1日付プレスリリースより)
48V DC/DCコンバーター
-次世代の電動車両用システム向けの48V DC/DCコンバーターおよび電力ストレージモジュールの開発を推進している。これらの製品は、ドライバーがアクセルペダルから足を外した直後に自動的にエンジンを切ることで惰性運転に移行する「コースティング機能」に対応。コースティング機能を活かすことで100km当たり最大0.5リットルの燃費改善が見込まれる。
Matrix LEDヘッドランプシステム
-マトリックス状に配列されたLEDを光源とし、点灯・消灯、光量の詳細な調節を電子制御で行なうアダプティブヘッドランプシステム。これは常時ハイビーム走行を前提としたシステムで、車両前方のカメラにより、300-400メートル先の対向車等の他車両や歩行者等を検知し、対向車や前方走行車両に直接照射しないように、または歩行者や障害物を照射して目立たせるように、照射部分を個別にミリ秒単位で切り替えることができる。同システムは競合他社の機械的なアダプティブヘッドランプシステム (アクチュエーターを使用) と違い、全て電子制御によることが特徴。Audi 「A8」に採用されており、「2014 Automotive News PACE Award」を受賞。
設備投資
設備投資額 |
(単位:百万ユーロ) |
2014年5月期 | 2013年5月期 | 2012年5月期 | |
合計 | 368 | 427 | 297 |
海外投資
<メキシコ>-2014年1月、メキシコ西部Irapuatoに工場が稼働を開始。設備投資額は100百万ユーロ超で、設備面積は2.4万平方メートル。年産能力はヘッドランプ1.2百万ユニット、リアランプ2.4百万ユニット。
<中国>
-2013年、70百万ユーロを投じて中国の浙江省嘉興 (Jiaxing) 市に新工場を開設。面積約87,000平方メートルの新工場は、2014年3月から自動車用ランプの生産を開始する予定。中期的に従業員数は約1,000名、年産能力はヘッドランプ300万個とリアコンビネーションランプ180万個となる見込み。同工場では今後、フォグランプ、日中走行用ライト、センターハイマウントストップランプなどその他の自動車用ランプの生産も行う計画。(2013年12月11日付プレスリリースより)