Hella_2008年5月期の動向

ハイライト

2008年5月期のハイライト

業績
(単位:百万ユーロ) 2008年5月期 2007年5月期  増減率
売上高 3,940 3,662 7.6%
売上総利益 556 514 8.2%
営業利益 238 81 193.8%
税引前利益 202 55 267.3%
純利益 143 27 429.6%

-2008年5月期の売上高は3,940百万ユーロで、前年度の3,662百万ユーロから7.6%増加した。近年と同じく、3つの事業部門 - 照明、電子機器、アフターマーケットの売上高は、部門間に偏りなく均等に伸長。

部門別売上

(単位:百万ユーロ)

2008年5月期 2007年5月期  増減率
照明 1,669 1,535 8.7%
電子機器 1,167 1,025 13.9%
アフターマーケット & スペシャルOE 1,104 1,094 0.9%

その他

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合計

3,940 3,667 7.6%

照明

-売上高は前年度比8.7%増収の1,669百万ユーロで、大きく伸長。同社の業績改善プログラムよりも1年前倒しで、照明部門は業績回復を達成。これは、2年前に開始したプログラム"Lion"の効果によるところが大きい。

電子機器

-売上高は前年度より13.9%増加の1,167百万ユーロ。全ての製品セグメントが部門業績の伸長に寄与した。特に、エネルギー管理と運転者支援システムといった新たなビジネス分野で新規受注契約を締結し、市場での地位を高めることに成功。

-2009年の初めより、車線および道路標識の認識機能を持ったフロントカメラがGeneral Motorsの量産車向けにはじめて納入される。道路標識の認識機能付きフロントカメラの世界デビューは、GMの「Opel Insignia」となる。

アフターマーケット & スペシャルOE

-2008年5月期、ランプ製品は業績が伸長。その1つの要因として、2008年1月より欧州のVisteonにランプを独占供給する、パートナーシップ関係の締結が挙げられる。まずは、250種のヘッドライト、フロントフォグランプ、リアコンビネーションランプ、ダイレクトインジケータを対象製品としている。

地域別売上高

   (単位:百万ユーロ)

2008年5月期 2007年5月期  増減率
ドイツ 1,418 1,352 4.9%
中欧・東欧 235 199 18.1%
欧州その他 1,319 1,243 6.1%
NAFTA 523 510 2.5%
アジア・大洋州、その他地域 445 358 24.3%
合計 3,940 3,662 7.6%

-欧州

前年度に比べて18.1%の増収と、中欧および東欧地域の売上が際立って成長を記録。

ドイツやその他の西欧地域においても、売上高が大きく伸長。

-NAFTA

市場環境が概して厳しい状況にあり、自動車の販売台数が部分的に減少したことで、他市場に比べて成長も穏やかとなった。しかし、連結売上高の13.3%を占め、同社は依然としてこの地域で存在感を維持している。

-アジア

連結売上高に占めるアジア地域の売上が増加傾向にあり、特に中国とインドが伸長している。アジアでの売上高は前年度に比べて24.3%増加。今年度の連結売上高に占める割合も11.3%にまで達している。

受注

新型「Audi A4」向けに24-GHzのレーダーを使った車線変更警告システムの供給を開始。このシステムが搭載されるのは6モデル目となる。Audi Side Assistとして知られるこのシステムは、車線変更の際に後方の死角に車両が存在する場合、運転者に警告を発するというもの。
(2008年4月15日付プレスリリースより)

「Cadillac Escalade Platinum」は、フルLEDヘッドライトをSUVとして初めて標準装備する。この車両は、GMが2008年に投入するSUV「Escalade」の上級グレード。(2008年1月16日付プレスリリースより)

北米仕様の3車種に、同社の運転者支援システムが採用されている。アダプティブクルーズコントロールシステム(ACC)、車線変更アシスタントシステム、リアビューカメラを「Chrysler 300」「Audi Q7」「JeepR Commander」にオプションとして搭載可能。また、リアビューカメラはChrysler、JeepR、Dodgeの合計7車種にも搭載されている。(2007年11月8日付プレスリリースより)

現行のBMW 5シリーズに、可変配光機能をもつ照明システムを搭載。このシステムにより、オプションのバイキセノンヘッドライトを知的に制御することが可能となった。(2007年10月22日付プレスリリースより)

Audiと共同で、新型Audi「A4」向けの車線変更アシストを開発。

>>> 詳細は 開発動向 参照

レーダーを使った車線変更警告システムが、北米仕様車として初めて、Audi「Q7」の2007年モデルに搭載された。このシステム「Audi Side Assist」は、運転者の死角に入り込んでいる車両を検知することが可能。(2007年7月30日付プレスリリースより)

開発動向

研究開発体制

-同社グループにおいて、3,000名を超えるエンジニアや技術者が研究開発活動に従事。

-2008年5月期は、世界的な開発ネットワークが一層強化された。特に、中国、インド、東欧といった成長地域において、照明・電子機器の両部門で研究開発人員を新たに雇用した。

-研究開発活動の中心は、ヘッドライト用のLED技術、照明を利用した運転者支援システム、エネルギー管理および特定の電子部品を対象としている。

-2008年5月期、R&D部門のスタッフ数は前期末の3,117名から13.2%増加し、3,528名に。これは総従業員の14.3%に相当する。

研究開発費
(単位:百万ユーロ) 2008年5月期 2007年5月期 増減率
スタッフ数 3,528 3,117 13.2%
研究開発費
-照明 125.9 119.3 5.5%
-電子機器 169.5 145.3 16.7%
-アフターマーケット等 14.6 20.2 (27.7%)
合計 310.0 284.8 8.8%
売上高に占める割合 7.9% 7.8% -

研究開発実績 (2008年5月期)

-ハイエンドSUV向けのLEDヘッドライトの開発を世界ではじめて成功させ、2008年の夏より量産を開始。

-Audiと連携し、新型「A4」シリーズ向けに車線変更アシストシステムを開発。後方から接近する車を見落とす危険性を大幅に減少させる。走行速度が時速30キロを超えると、隣接車線を終始モニター。隣接車線に車が検知された場合、追い越しや車線変更を行う際に警告を発する。サイドミラーのライトで警告を表示し、危機的な状況を事前に示唆。車両の両サイドに設置される24GHzのレーダーセンサーは、50メートルの検知範囲を持ち、車両の後側方や死角物体の検知を行う。 また、このシステムは天気の影響を受けずに機能させることが可能。欧州やアジアの様々な自動車メーカーがこのシステムを採用している。既に6つの車種に搭載されており、搭載車種はさらに増える見込み。(2008年3月28日付プレスリリースより)

設備投資

主な設備投資 (2008年5月期)

電子機器

-国際的な開発・生産ネットワークの拡大を推し進め、メキシコに新工場を開設したほか、中国・インド・ルーマニアで開発拠点を拡張した。

-中国の上海にヘッドランプ用パワー洗浄システムの生産拠点を建設し、2009年中盤よりアジア市場に向けて供給する予定。