GETRAG B.V. & Co. KG 2017年12月期の動向

近年の動向

業績

-2016年12月期の売上高は約1,985百万ドル。

-年間400万基以上のトランスミッションを販売。

Magnaによる買収

-Magna Internationalは、Getragの買収を完了したと発表した。Getragは、従業員約14,000名を雇用し、マニュアル、自動マニュアル、デュアルクラッチ、ハイブリッドなどさまざまなトランスミッションシステムを提供している。(2016年1月4日付プレスリリースより)

-Magna Internationalは、Getragを買収することで合意したと発表した。買収金額は約17.5億ユーロ。Getragは、マニュアルトランスミッション、自動マニュアル、デュアルクラッチトランスミッション、ハイブリッドなどさまざまなトランスミッションシステムを提供している。また、複数の完全子会社に加え、Fordのほか江鈴汽車 (Jiangling Motors) や東風汽車 (Dongfeng Motors) など中国の自動車メーカーとの合弁会社も保有している。顧客にはBMW、Daimler、Renault、Volvo、長城汽車 (Great Wall) が含まれる。同社は合弁会社を含めて、欧州・アジア・北米の9カ国に13の生産拠点と10のエンジニアリングセンターを保有している。従業員数は約13,500名。今回の買収手続きは2015年末ごろに完了する見込み。(2015年7月16日付プレスリリースより)

合弁事業

-Getragの中国合弁会社 「東風格特拉克汽車変速箱有限公司 [Dongfeng Getrag Transmission Co., Ltd.]」 は2016年4月6日、武漢でデュアルクラッチトランスミッション 「6DCT150」 の量産を開始した。このデュアルクラッチトランスミッションは同合弁会社が開発したもので、現在の年産能力は約3万台。2019年までに50万台を売り上 げたいとしている。将来は年産能力を100万台にまで引き上げ、独立したトランスミッション研究開発センターを建設する計画である。(2016年4月7日付各種リリースより)

最近の動向

-2015年2月、新型デュアルクラッチトランスミッション 「7DCT300」 の生産を開始した。欧州の顧客向けにドイツのNeuenstein工場より納入する。アジア市場では、2017年に中国でこのDCTの生産を開始する予定。まず、Renaultの新型 「Espace」 に採用され、その他のモデルやブランドにも搭載される見込み。新型のモジュラー型プラットフォームをベースとしたこの 「7DCT300」 は、最大トルクが300Nmに対応。消費電力は40W以下と電球よりも小さく、第2世代製品に比べて3.5%の効率性向上を実現した。ハイブリッドバージョンは、設置スペースの大幅な変更をせずに車両に搭載が可能で、2018年より販売開始となる見込み。(2015年2月13日付プレスリリースより)

受注

-Magna Internationalは、Fordの新型「S-MAX Vignale」に同社の電子ビジョンシステム「EYERIS」が採用されたと発表した。また、Magna傘下のGetragは6速マニュアルトランスミッションおよび6速デュアルクラッチトランスミッションを同モデル向けに納入している。これらのトランスミッションの生産は、合弁会社のGetrag Ford Transmissionsが行っている。(2016年9月6日付プレスリリースより)

-2014年6月、第3世代のBMW 「Mini」 に、2種類の新型マニュアルトランスミッションを納入していると発表した。これらのトランスミッションは、高トルク・低燃費のBMWの次世代エンジン向けに開発されたもの。最大トルクは220Nmと360Nmで、従来のマニュアルトランスミッションに比べてトルク容量を約15%増加させている。新型のベアリングホルダーや各種機能をハウジングに統合したことにより、約30個の部品数削減を実現した。これらのトランスミッションの生産は全て、ドイツのRosenberg工場で行っている。生産量の増加に伴い、Getragは同工場の拡張に向けて総額45百万ユーロを投じる計画。(2014年6月11日付プレスリリースより)

受賞

-2015年6月、Renault-Nissanより2015年イノベーション賞 「Prix de l'innovation Renault-Nissan」 を受賞したと発表した。新型デュアルクラッチトランスミッション 「7DCT300」 が評価されたもの。Getragは2015年2月にこのDCTの生産を開始した。生産はドイツのNeuenstein工場で行い、欧州の顧客向けに納入している。アジア向けには、2017年に中国で生産を開始する予定。(2015年6月23日付プレスリリースより)

2020年に向けた見通し

-2020年までにトランスミッションの生産量を6百万基に引き上げる計画 (2015年実績は4百万基)。同時に売上高を現在の30億ユーロから50億ユーロに拡大することを目指す。

研究開発体制

-欧州、北米、アジアに5カ所の開発拠点を保有。約1,700名が従事する。

研究開発拠点

-Getragは、ドイツのミュンヘン (Munich) に販売・製品開発オフィスを開設したと発表した。これにより、顧客であるBMW Groupへの緊密な対応が可能になるとしている。(2016年1月27日付プレスリリースより)

製品開発

ハイブリッド車用デュアルクラッチトランスミッション (IAA 2015展示)
-2015年IAAにてハイブリッド車用のデュアルクラッチトランスミッションを展示した。7HDT300はマイルドハイブリッド用およびプラグインハイブリッド用の2種を展示。e-machineがトランスミッションハウジング内に搭載されており、ギアでサブトランスミッションと接続されている。小型で高速なシステムで、軽量化とコスト効率の向上に貢献する。従来のトランスミッションに比べ、マイルドハイブリッド用では15%から22%、プラグインハイブリッド用では80%の燃料消費削減につながるという。同時に、小型車向けにコンパクトに設計された6HDT200のマイルドハイブリッド用トランスミッションも展示した。(2015年9月16日付プレスリリースより)

デュアルクラッチトランスミッション (IAA 2015展示)
-2015年IAAにて第3世代のデュアルクラッチトランスミッションである7DCT300、6DCT150、6DCT200を展示。湿式タイプで、オンデマンドのスマート型油圧作動システムを使用。従来のオイルポンプ式に比べパワー効率が大幅に改善するという。(2015年9月16日付プレスリリースより)

海外投資

<イタリア>
-2015年4月、新型デュアルクラッチトランスミッション 「7DCT300」 を、ドイツと中国のほかにイタリアのバーリ県にあるModugno拠点でも生産すると発表した。これに伴い、Modugno工場を約8,000平方メートル拡張する計画。100百万ユーロ超を投じて、新たな生産施設を建設する。2018年はじめより新型トランスミッションの生産を開始する予定。同工場では現在、従業員約800名を雇用し、低トルクDCT 「6DCT250」 を生産している。(2015年4月9日付プレスリリースより)