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Freudenberg & Co. KG 2014年12月期の動向

要因
1) 全社
-2014年12月期の売上高は、前年比6.0%増。全ての事業分野で売上高が増加したことに加え、合弁企業での買収活動が寄与した。

2) 税引前利益
-2014年12月期の税引前利益は、前年比26.7%増。売上高の増加に対し原料費が減少したこと、生産工場の稼働率の上昇、生産性の向上、プロセスとシステムの最適化による管理費の低減などが寄与した。

増資

-同社の投資先である日本バイリーンは、第三者割当増資を行うことを決議したと発表。300万株の新株を発行し、17億2800万円の資金を調達する。滋賀工場 (滋賀県守山市) の増改築や賃借工場の統合に伴う用地取得、建設費用などに充てる計画。割当先は、東レ (200万株) と独フロイデンベルグSE (100万株) を予定。1株当たり576円で、8月25日を払込期限とする。操業開始から50年以上が経過する滋賀工場を再構築するほか、需要が拡大している自動車用天井表皮材の生産設備の増強を行う。また、2013年8月に子会社化した忍足研究所の2カ所の賃借工場を統合するため、都内北西部か埼玉県南西部に土地を取得して自前の工場を建設する。 (2014年8月13日付日刊自動車新聞より)

組織再編

-2014年1月1日より、Freudenberg NOK Mechatronicsはenmechに社名変更。
-2014年1月1日より、NOK-Freudenberg Group ChinaはFreudenberg Sealing Technologiesに編入。
-2015年1月1日より、Freudenberg NonwovensとFreudenberg Politex Nonwovensが統合し、Freudenberg Performance Materialsが稼働開始。

受注

-2014年度の主な受注

2015年12月期の見通し

-売上高は前年比2-4%の伸びを、営業利益は前年並みを予想している。

研究開発体制

-2014年末現在、研究開発関連の従業員数は2,025名。その内、1,153名がドイツで研究開発に従事。

研究開発拠点

<ドイツ>
-2014年、Freudenberg New Technologiesビジネスグループが全社開発組織に統合され、開発戦略、開発マーケティング、助成金の交付、協業、ネットワーク化の機能を担う。

<中国>
-Freudenberg Groupは、中国における特殊潤滑油・高性能離型剤事業の拡大に向けて、上海市の青浦 (Qingpu) 拠点で研究開発センターおよび管理・トレーニング施設を開設したと発表。Freudenberg Chemical Specialities事業部門傘下のKluber LubricationおよびChem-Trendが運営する。2008年に開設された同拠点の拡張計画には、3年間にわたって総額150百万元超 (約24.2百万ドル) が投じられる予定。この研究開発センターは、Chem-Trendの離型剤および加工助剤、Kluber Lubricationの特殊潤滑油の適用試験・エンジニアリングを行う試験エリアやラボなどを備える。また、Freudenbergは次の段階として、同拠点の特殊潤滑油・離型剤・加工助剤の生産工場を拡張する計画。さらに、倉庫や大型貯蔵室も拡大する予定で、最終的に青浦拠点の面積は約66,000平方メートルとなる見込み。同拠点の工場では、自動車用製品、従来型および再生可能エネルギー生産、建設・輸送産業などさまざまな産業向けに特殊潤滑油・離型剤・加工助剤を生産している。 (2014年7月14日付プレスリリースより)

製品開発

エアスプリング用ベローズ
-TrelleborgVibracousticは、エアスプリング用の新型ベローズ｢ZAX｣を新たに開発。この｢ZAX｣は、軸方向ベローズの優れたねじり分離性能とクロスプライベローズの寸法安定性を組み合わせたもの。2015年中に複数の新型SUVのリアアクスルに採用されるという。 (2015年2月13日付プレスリリースより)

アクティブ振動制御システム
-TrelleborgVibracousticは、レンジエクステンダーを搭載したEV向けにアクティブ振動制御システムを開発。航続距離延長のために使用する3気筒または4気筒エンジンの振動を取り除くことで、運転快適性を向上させるもの。この｢Active Vibration Control (AVC)｣は、特定の構造伝達振動とそれによる騒音を識別し、除去することができるという。 (2014年7月2日付プレスリリースより)

大型SUV向けハイドロブッシュ
-TrelleborgVibracousticは、大型SUV向けに最高強度のハイドロブッシュを開発。快適性の向上に貢献するこれらのシャシーブッシュが、SUV向けに開発されたのは今回が初めて。この製品は、Land Rover ｢Range Rover｣ および ｢Range Rover Sport｣ に採用されている。アルミと高性能プラスチックを使用したこの新型ストッパーは、最大約10トンの荷重に対応する。 (2014年6月17日付プレスリリースより)

コンパクトSUV向けエアサスペンション
-TrelleborgVibracousticは、同社初のコンパクトSUV向けエアサスペンションを開発。走行中に一定の車高を維持しながら、起伏の多い場所では車高を標準の190mmから最大40mm高く設定できる。また、｢Sportplus｣モードでは、通常より10mm低くするという。車両の重心を下げることで、高速走行時の乗り心地や燃費の向上につなげる。 (2014年3月24日付プレスリリースより)

油圧メカニカルピストンアキュムレーター
-Freudenberg Sealing Technologiesはデュアルクラッチダイレクトシフトギアボックスに使用される油圧メカニカルピストンアキュムレーターを開発。オイルポンプが作動しなくともスムーズなギアシフトが可能となる。

摩擦レスのクランクシャフトシール (LEVITEX)
-Freudenberg Sealing Technologiesは摩擦レスのクランクシャフトシールを開発している。自動車のCO2排出を0.5g-1.0g/km削減。摩耗がないため、高寿命化が図られる。2017年の商品化を見込む。

HV/EV用不織布バッテリーセパレーター
-Freudenberg Nonwovensは機能性セラミック含浸の薄型で耐久性のある不織布バッテリーセパレーターを開発。永続的な絶縁性を実現した。

-2014年12月期の主な投資案件：

• ブラジルValinhos工場 (Freudenberg Chemical Specialities)
• 中国青浦 (Qingpu) の研究開発センター (Freudenberg Chemical Specialities)
• ドイツWeinheim工業団地にて大規模管理棟の建設
• ドイツOberwihlで製造スペースとインフラの整備 (Freudenberg Sealing Technologies)

海外投資

<ブラジル>
-南米へのコミットメントを強化する意向を示した。特にブラジルにおける不織布およびシールの生産拡大に向けて積極的に投資を行う計画。同社の不織布部門は、同国Jacareiに工業・衛生製品の新工場を建設する。また、Diadema拠点には新たに熱可塑性高性能樹脂の生産ラインを建設し、自動車向け事業も拡大する。この計画は、NOKと提携して進める予定。これら2つのプロジェクトは、同地域における技術革新・生産能力拡大・プロセス最適化に向けた40百万レアル (約13.2百万ユーロ) の投資計画の一部となっている。 (2014年2月6日付プレスリリースより)

<中国>
-同社と日本バイリーンの合弁会社「科徳宝・宝翎無織布 (蘇州) 有限公司 [Freudenberg & Vilene Nonwovens (Suzhou) Co. Ltd.]」は、新たに自動車天井材生産ラインを建設すると発表した。生産開始は2016年夏を予定している。2014年10月、同社の自動車内装材用不織布の販売量は10百万平方メートルに達しており、累計約3百万台の自動車に製品を供給している。 (2015年4月7日付け各種リリースより)

-TrelleborgVibracousticは、中国の山東省煙台 (Yantai) の生産工場を拡張したと発表。生産能力を倍増し、中国市場の需要拡大に対応する。建物・設備・機械へ総額200百万元 (25百万ユーロ) を投じ、生産スペースを8,000平方メートル拡張。シャシーマウントや商用車用エアスプリングに加え、中国をはじめグローバルの自動車メーカーやティア1サプライヤー向けにエンジンマウントおよびトーショナルバイブレーションダンパーも生産している。従業員数は380名で、面積は16,000平方メートル超。設備やプロセス設計の研究開発、製造、組立を行う。 (2014年11月6日付プレスリリースより)

<タイ>
-TrelleborgVibracousticは、タイのラヨーン県に新工場を開設し、グローバル事業を拡大する。新工場では、2015年第2四半期からエンジンマウント、シャシー部品、ダンパーなどを生産する予定。近隣には、Fordやスズキをはじめとする自動車メーカーの拠点がある。今後数年間で従業員約200名を雇用し、同地域の顧客向けに生産を行う予定。生産スペースは3,900平方メートルで、今後さらに2,000平方メートルの拡張が可能となる。 (2014年10月8日付プレスリリースより)