Freudenberg & Co. KG 2013年12月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万ユーロ)
  2013年
12月期
2012年
12月期
増減率 (%) 要因
売上高 5,646.1 5,291.4 6.7 1)
営業利益 457.3 531.6 (14.0) 2)

要因
1) 全社
-2013年12月期の売上高は、前年比6.7%増。ほぼ全ての事業分野で売上高が増加した。

2) 営業利益
-2013年12月期の営業利益は、前年比14.0%減少。Vibraouctic事業とTrelleborgとの合弁事業から生じた利益 (昨年一度限りの計上) がなくなったことが影響。

買収

-TrelleborgVibracousticは、インドの合弁会社Sigma Vibracoustic India (SVIL) を完全子会社化すると発表。これにより、自動車用防振部品事業を強化する意向。なお、TrelleborgVibracousticはこの前段階として、Sigma Corporationが保有していたSVILの株式50%を取得していた。(2013年12月4日付プレスリリースより)

-Freudenberg Sealing Technologiesは、Coskunoz GroupよりBeta Seals Sizdirmazlik Elemanlari Sanayi ve Ticaret Anonim Sirketiの株式を取得し、社名をFreudenberg Sealing Technologies Sanayi ve Ticaret Anonim Sirketiに変更。Freudenberg Sealing Technologies Sanayiは自動車用ベアリングシールを生産している。

-2014年1月1日、Freudenberg Sealing Technologiesは、ドイツのBiereを拠点とするPTFE Compounds Germany GmbHの株式90%を取得。PTFE Compounds Germanyは、自動車産業を含む複数の産業向けにPTFE複合材を生産。

合弁事業

-TrelleborgVibracousticは、トルコのHSS Otomotivとの間で合弁会社を設立することで合意。新会社「Vibracoustic CV Air Springs GmbH」は、ドイツのHamburgを本拠とし、商用車用エアスプリングの生産を行う予定。ドイツ、ハンガリー、トルコ、北米、中国に拠点を展開し、従業員約600名を雇用する計画。出資比率はTrelleborgVibracousticが50.1%、HSS Otomotivが49.9%。同買収により、TrelleborgVibracousticはエアスプリングメーカーとして、欧州では2位、グローバルでは3位となった。(2013年6月13日付プレスリリースより)

開発動向

研究開発費

(単位:百万ユーロ)
  2013年12月期 2012年12月期
全社 193.0 191.8

研究開発体制

-2013年末現在、研究開発関連の従業員数は1,936名。その内、1,161名がドイツで研究開発に従事。

-収益性を改善するため、TrelleborgVibracousticは特定分野のエンジニアリングを中核拠点に集約している。その中で、ドイツのBreuberg拠点を極小細胞ウレタン事業の中核拠点と位置付けた。また、同拠点はTrelleborgVibracousticの素材開発のグローバルセンターとしての役割も担う。

製品開発

2013年フランクフルトモーターショー
-2013年フランクフルトモーターショーに以下製品を展示:
  • ヘッドライナー:Freudenberg NOK Mechatronicsは、Opel 「Adam」向けに星空のように光るヘッドライナーを開発。このヘッドライナーは64個のLEDランプおよびフレキシブルプリント回路を採用。ワイヤー配線を省くことができるため、0.2ミリメーターの薄さおよび150グラム以下の重量を実現した。
  • エアインテークフィルター:Freudenberg Filtration Technologiesはエンジンエアインテークフィルター「micronAir」を開発。集塵能力が高く圧力損失が低いため、エネルギー効率が高いことが特徴として挙げられる。さらに、CO2排出がキロワット時当たり0.6グラム削減される。micronAirは2014年に販売が開始されるMercedes-Benz 「C-Class」に標準搭載される。
  • アクティブ通気キャップ:Freudenberg Sealing Technologiesは、電気自動車・プラグインハイブリッド車向けドライブシャフト用のアクティブ通気キャップを開発。このキャップには専用に開発された不織布が採用されており、通気を妨げることなく異物の混入および潤滑油の漏出を防止する。
(2013年9月4日付プレスリリースより)

ギアボックスマウント
-TrelleborgVibracousticは、新型のギアボックスマウントを開発。この製品は、ギアボックスが発する高周波音を取り除くとともに、大幅な軽量化を実現している。従来のようにゴム製マウントや大型マスダンパーを用いて振動を軽減する代わりに、マウントにマスアブソーバーを統合。これにより、マスダンパーを不要とし、軽量化につなげたという。(2013年4月11日付プレスリリースより)

樹脂製エンジンマウント
-2013年12月期、TrelleborgVibracousticは軽量樹脂製エンジンマウントを開発。他社製品比で500グラムの軽量化、215%の負荷耐性を実現。

設備投資

設備投資額

(単位:百万ユーロ)
  2013年12月期 2012年12月期
全社 229.3 273.2

設備投資額見通し

-同社は、今後5年間 (2017年まで) で不動産・工場・設備に対して15億ユーロを投じる予定で、このうち30%はドイツ向けとなる。(2012年4月4日付プレスリリースより)

海外投資

<フランス>
-フランスのColmar工場において、マイクロフィラメント製品「Evolon」の生産能力を拡大する。これにより、同拠点における不織布部門の年産能力を3,000トンまで引き上げる予定。同プロジェクトはすでに開始されており、2013年10月末までに完了する見込み。投資総額は約5百万ユーロ。(2013年5月6日付プレスリリースより)

<中国>
-TrelleborgVibracousticは、中国の山東省にある煙台 (Yantai) 工場の拡張計画を発表。2013年下半期に工事を開始し、8,400平方メートルを拡張する。同工場では現在、アジア市場向けに乗用車用ブッシュやトーショナルバイブレーションダンパーを生産している。(2013年4月23日付プレスリリースより)

-中国の四川省成都 (Chengdu) に新工場を開設。同工場は、Freudenberg Filtration Technologiesと日本バイリーンによる合弁会社。投資額は36百万元 (約4.5百万ユーロ) で、総面積は12,000平方メートル。従業員数は2013年末までに60名に達する見込み。エンジン用エアフィルターおよびキャビンエアフィルターを生産し、一汽VW やGeely Volvoなどに納入する。(2013年3月18日付プレスリリースより)