Brose Fahrzeugteile GmbH & Co. KG 2018年12月期の動向

業績

(単位:百万ユーロ)
  2018年12月期 2017年12月期 増減率
(%)
要因
売上高 6,537 6,311 3.6 1)

要因

1) 売上高
-2018年12月期の売上高は、前年比3.6%増の6,537百万ユーロ。ドアシステム事業部および電気モーター・ドライブ事業部は売上増だったが、シートシステム事業部は前年比減となった。



合弁事業

-AUNDEと乗用車用シートを製造する折半出資の合弁会社を設立すると発表した。新会社は2019年初めに操業を開始し、国際市場で独立して事業を展開する予定で、顧客プロジェクトに基づいて拠点を設立するという。新会社ではBroseがアジャスタブルシート構造やエレクトロニクスのノウハウを、AUNDEは商用車用シートサプライヤーとしての組立・物流の経験や、発泡材、カバー、トリム部品などの専門知識を用いて製品を開発する。(20181218日付プレスリリースより)


最近の動向

-ドイツRostockに本拠を置く付加製造技術スタートアップのAIM3Dへの出資を発表した。BroseAIM3D3D印刷技術を自動車用部品製造に活用し、試作品をより早く生産することにより、新製品の開発期間の大幅な短縮とコスト削減を図るという。(2018118日付プレスリリースより)

-メキシコのケレタロ工科大学内に、同国初の自動車大学が開設された。ケレタロ工科大の自動車開発センター (CIDEA) に所属し、Broseの現地法人が運営を担う。ケレタロ州知事のFrancisco Dominguez Servien氏によると、施設の建設や設備などへの投資額は総額約15百万ドルで、同州には自動車部品サプライヤー172社の拠点があるという。Broseは、2010年にメキシコに進出。HVACブロワやウィンドレギュレーター、冷却ファン、ステアリングパーツなどの自動車部品を生産し、VolkswagenやFord、GM、Daimler、日産、ホンダなどに供給している。(2018年4月2日付 Mexico-Nowより)


受注

-吉利汽車傘下のLEVCLondon EV Company)のEVタクシー「TX」にシートシステム、ウィンドレギュレーターやロックシステムを供給していると発表した。「TX」のドライバーシート用に、同傘下のVolvo車にも採用されているシートを供給。ドイツCoburgで開発しチェコOstravaで生産、英国に出荷するという。(2018712日付プレスリリースより)



見通し

-2019年12月期で売上高約6,614百万ユーロを見込む。2025年までに9,500百万ユーロを目指す。



研究開発費

-毎年、研究開発に売上高の約8%を投資目標としている。


技術提携

-Plastic Omniumとサイドドアシステムを共同開発すると発表した。両社のエンジニアリングおよび設計の専門家が、ドイツNurembergに設立した技術オフィスで開発を行う。Plastic Omniumはボディパネル、衝突、外装システム設計における技術ノウハウを提供し、Broseはメカトロニクスやドアシステムのソリューション開発を担当するという。(20181212日付プレスリリースより)



製品開発

サイドドア自動開閉軽量電動ドライブ
-サイドドアを自動開閉する電動ドライブを市場投入に向け準備中であると発表した。同社は革新的な材料を使用して製品の重量を大幅に削減し、OEMの排出ガイドラインに従う。ウィンドレギュレーターは樹脂を使用することで、従来のスチール製のものより500gの軽量化を実現。また、グラスファイバー強化熱可塑性樹脂を採用したドアシステムは、従来と比較して重量を5kg削減することで品質と機能性を向上させるという。(2018127日付プレスリリースより)

 

製品ポートフォリオの拡大
-製品ポートフォリオ拡大への取り組みの一環として、電動エアコンコンプレッサー、シートシステム、内装用メカトロニクスシステムおよび車両アクセスシステムの研究開発に注力している。

設備投資

(単位:百万ユーロ)
  2018年12月期 2017年12月期 2016年12月期
全社 433 409 380

-2019年12月期で約540百万ユーロの設備投資を予定。また、2019年から2021年にかけて、総額約15億ユーロの投資を行うと発表した。同社は中国に生産拠点を新設、ドイツCoburg本社、BambergおよびWurzburg拠点を拡張、スロバキアPrievidza工場の次段階の建設を開始する予定で、将来の収益性確保、デジタル化および製品革新に注力するという。またドイツ、米州、アジア地域で製品開発、エレクトロニクス、センサー技術、情報技術関連の新規雇用も見込む。

-2018年の投資実績は中国太倉工場の開設、メキシコQueretaroでの生産増強、スロバキアPrievidza工場および米国アラバマ州Tuscaloosa工場の拡張など。

ドイツ国外での投資

<中国>
-中国の太倉市に新工場を開設したと発表した。同社は太倉で2015年に小規模生産ホールを開設して操業を開始したが、2019年末の拡張完了時には総面積73,000平方メートルの拠点となり、アジア最大規模のメカトロニクス工場になるという。投資額は約180百万ユーロで、2024年までに1,600名の雇用を見込む。新工場ではドアシステム、シート構造、モーターなどを製造する予定で、最新の生産管理システムを導入して生産データの分析と製造プロセスを制御することにより、スクラップを最小限に抑えるという。(20181219日付プレスリリースより)