Brose Fahrzeugteile GmbH & Co. KG 2016年12月期の動向

業績

(単位:百万ユーロ)
2016年12月期 2015年
12月期
増減率
(%)
要因
売上高 6,149 6,053 1.6 1)


要因
1) 売上高
-2016年12月期の売上高は、7年連続の増収で前年比1.6%増の6,149百万ユーロ。ドアシステム事業部,シートシステム事業部はそれぞれ1.7%、1.1%の売上増であった。一方ドライブ事業部はポートフォーリオの変更や統合により3.4%減少。全体の売上高は特別損失で一部相殺された。



最近の動向

-DaimlerとBMW向けに生産したフロントシートストラクチャーの累計生産数が2012年の生産開始以来500万ユニットに達したと発表。2026年までに生産量は約3,200万ユニットに達する計画。同社のシートは「Mercedes C-Class」および「E-Class」、BMW 「7 Series」および「5 Series」に搭載されている。クロスチューブやサイドパネルに高強度鋼を用い、パワーシートアジャスターに使用する金属部品の大部分を樹脂製にした。これにより重量は15kg未満となり、競合製品に比べて約20%超の軽量化を実現している。このシートは、4大陸の8拠点で生産されている。(2016年5月23日付プレスリリースより)

受賞

贈呈者 受賞者
FCA US Body Quality Supplier of the Year
Overall Supplier of the Year
米国
Jaguar Land Rover Jaguar Land Rover Q Award ドイツ Coburg工場 
Volvo Volvo Cars Quality Excellence Award ドイツ Coburg工場
Quality Excellence Award チェコ共和国 Ostrava工場
Quality Excellence Award 中国重慶工場
FAW-VW A-Class Supplier 中国長春エレクトリックモーター
Dongfeng Excellent Supplier Award 中国東風オートモーティブシステムズ
Ford Q1 Award 重慶工場
Q1 Award インド工場
GM Supplier Quality Excellence Award インド工場
Volkswagen Formula Q Capability Certificate カナダ London工場

見通し

-短期的には、戦略的買収などを通じて自動車市場で年間平均5%の成長率、2025年までに売上高100億ユーロを目指す。

研究開発体制

-毎年、研究開発に売上高の約8%を投資目標としている。

製品開発

NAIASショーの展示品
-北米国際オートショー(NAIAS)に合わせ、イベントを開催し、次世代技術を紹介した。

  • 軽量ドアシステム:ヒンジドアを電子制御し、モバイルデバイスでリモートコントロールするサイドドアドライブ技術。安全性向上のためのアンチトラップ保護機能付き。プラスチックドアに比べ4倍のエネルギーを吸収する長繊維強化サーモプラステックを使用。また、スチール製のドアに比べ11ポンドの重量軽減をもたらす。
  • カスタマイズインテリア:スマ―トフォンのアプリを介して、運転者が座席の位置を調整したり、事前に設定したプロファイルに合わせることを可能にするシステムを開発した。これは後部座席の折りたたみ機能のコントールにも使用できる。
  • 電動オイルポンプ:電動オイルポンプの開発においてドライブトレインアクチュエーターの専門技術を応用した。オイルポンプは電子整流モーター、電子制御回路および統合ポンプによって構成されている。ポンプはエンジンのOFF時、トランスミッション内圧を維持。起動、停止および作動を可能にし、より速いエンジンの再起動を可能にする。この電動オイルポンプは自動車排ガスをCO2-10g/kmまで下げることができる。生産開始は2018年に予定。(2016年1月5日付プレスリリースより)

-同社はe-モバイル、自動運転、接続性およびカ―シェアリングの様な先端技術に関連した将来のプロジェクトに向け、2017年から2019年にかけて100百万ユーロを投資する計画。パワーサイドドライブ、自動運転車向けの内装コンセプト、動力補助システムの開発等を行う。

特許
-年間200以上の特許を申請している。

設備投資

(単位:百万ユーロ)
2016年12月期 2015年12月期 2014年12月期
全社 380 362 237



-同社は2017年から2019年までに設備やシステム、追加の用地展開などで約10億ユーロの投資を予定している。

ドイツ以外での投資

<中国>
-2016年11月28日、江蘇省太倉で新工場の着工式を実施。新工場は500名の人員を雇用し、2018年に正式に生産を開始する予定。敷地面積は60,000平方メートル。ドアシステム、ウィンドウレギュレーター、ラッチモジュール、シートシステム、シートレール、シートモーターなどを生産し、Ford、吉利、Jaguar Land Rover、VW、Volvo などに供給する。2022年には売上高22億元を見込む。(2016年12月6日付け各種リリースより)

<メキシコ>
-メキシコのQueretaroで新工場の定礎式を行ったと発表。新工場の面積は56,000平方メートルで、投資額は170百万ドル。同社にとって、北米初の軽量パワーリアシートストラクチャーの生産拠点となる。新工場は、プレス、溶接、塗装、最終組立など一貫生産体制を備え、新たに900名の従業員を雇用する計画。量産開始は2018年夏を予定している。(2016年8月18日付プレスリリースより)

<米国>
-北米では、米国のサウスカロライナ州Spartanburgに面積約77,000平方フィートの新工場を開設すると発表。投資額は約6百万ドルで、60名超の新規雇用を創出するとみられる。新工場では、BMW向けに軽量ドアシステムやオンデマンド型冷気供給制御システムを生産する。同社は、両製品の量産を2017年8月から開始する予定。(2016年8月9日付プレスリリースより)

<英国>
-2016年12月、英国Coventryの新しい塗装工程に10百万ポンドの投資をしたと発表。この拡張で30の新規雇用の創出が期待され、年間3.5百万台分以上のシートのコーティングが可能になる。拡張は2017年8月に完了予定。