Brose Fahrzeugteile GmbH & Co. KG 2011年12月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万ユーロ)
  2011年12月期 2010年12月期 増減率 (%) 要因
売上高 4,032 3,474 16.1 1)

事業概況

要因
1)
-高い需要および多くの製品の量産が開始されたことにより、2011年の同社売上高は前年比16%増となり、4,000百万ユーロを超えた。

受注

-米国アラバマ州のTuscaloosa工場において、2014年からDaimler「Mercedes C-Class」の米国モデル向けに、ドアシステムおよびシートシステムを生産すると発表。この受注により、2015年までに従業員数を172名から約500名まで増員する見込み。同工場では、ドアシステムをMercedesのVance工場(アラバマ州)へ、シートシステムをVolkswagenのChattanooga工場(テネシー州)へ、冷却ファンモジュールをBMWのSpartanburg工場(サウスカロライナ州)およびGMのSaltillo工場(メキシコ)へ既に供給している。さらに最近、FordのLouisville工場(ケンタッキー州)向けにシートシステムの納入を開始。2012年には、FordのHermosillo工場(メキシコ)向けにもシートシステムの供給を開始する予定。(2011年11月2日付プレスリリースより)

-長城汽車(Great Wall Motors)は、戦略的提携契約を締結した。これによりBrose (China)は、ドアロックシステム、冷却ファン、パワーウィンドウモーターなどの製品に関して長城汽車と協業を進めていく予定。同社はこれまで、「Tengyi C30/Voleex C30」や「Florid Cross」をはじめとする長城汽車の多数のモデルに、冷却ファンシステムを供給している。(2011年6月30日付プレスリリースより)

合弁事業

-同社とSEW-Eurodrive GmbH & Co. KGは、折半出資により新会社Brose-SEW Elektromobilitaets GmbH & Co. KG.を設立することで合意した。この新会社はドイツのBruchsalに本拠を置き、電気自動車およびハイブリッド自動車向け駆動システムと充電システムを開発・生産する計画。なお、SEW-EurodriveはドイツのBruchsalに本社を置くギアモーターメーカー。(2011年2月24日付プレスリリースより)

-同社と万都(韓国)は、折半出資により新会社Mando-Brose Corporationを韓国に設立することで合意した。ステアリングモーターの開発・生産を行い、韓国市場に供給する。仁川(Incheon)に建設される新拠点は、2013年前半に量産開始する予定。本格稼動時には年間売上150百万ユーロを見込んでいる。(2011年2月1日付プレスリリースより)

受賞

-BMW Groupより「Supplier Innovation Award 2011」を受賞したと発表。タッチフリーでリフトゲートの開閉を行うシステム「Smart Opener」の開発が評価されたもの。(2011年11月9日付プレスリリースより)

-同社5工場がJaguar Land RoverからJLRQ賞を受賞した。同賞は品質、顧客満足、継続的改善において高い達成度を実現したサプライヤーに授与されるもの。受賞対象となる同社英国Conventry工場は、シートシステムとウィンドウレギュレーターを納入している。また、チェコOstravaとドイツWuppertalの両拠点では、クロージャーシステムを生産。ポルトガルTondelaはリフトゲートとトランクリッド用駆動システム、ドイツWuerzburg拠点は冷却ファンモジュールを供給している。(2011年3月16日付プレスリリースより)

-中国・上海の同社アジア本社が、中国の長城汽車(Great Wall Motor)より「Excellent Development Award」を受賞したと発表。サイドドア用クロージャーシステム「Unilatch」に関する開発が評価されたもの。このシステムは2011年4月以降、中国市場で順次発売される3つのモデルに採用される予定。「Unilatch」がアジアでカーメーカーに採用されるのは今回が初めて。生産はBroseの長春工場で行い、第一フェーズでは年間50万個生産する見込み。(2011年1月19日付プレスリリースより)

開発動向

研究開発体制

-全社売上高の約7%が研究開発で最先端の生産技術の開発に投じられる。2,500名のエンジニアおよび技術者を世界に有しており、製品開発に従事している。

設備投資

設備投資額

(単位:百万ユーロ)
  2011年12月期 2010年12月期 2009年12月期
全社 300 186 146

海外投資

<タイ>
-マレーシアのDelloyd Electronicsとの合弁会社Brose Delloyd Automotiveが、タイのRayongに新工場を開設したと発表。同工場では、Fordとマツダの合弁会社AutoAlliance Thailand向けに、ウィンドウレギュレーターを生産する。また、2013年までに従業員を30名から70名に増員する予定。(2011年7月5日付プレスリリースより)

<韓国>
-Mando-Broseは、韓国の仁川(Incheon)市との間で投資契約を締結した。同社は1,900億ウォンを投じて、電気モーターの製造・R&D拠点を建設する。新拠点は2011年8月に着工し、2012年4月に完成する予定。なお、Mando-Broseは万都(韓国)と同社の折半出資による合弁会社。(2011年7月1日付プレスリリースより)

<中国>
-中国上海市安亭(Anting)にアジア本社の新社屋を建設する。従業員450名が開発、調達、販売、人事、ITの各部門に従事する。さらに試験センター、試作品製造施設、防音研究施設が同敷地内に建設され、生産棟は2012年8月に稼動開始となる見込み。新本社の起工式は、2011年4月に行われた。また、2012年半ばには重慶(Chongqing)工場が稼動開始となる予定。従業員250名で、シートシステム、ウィンドウレギュレーター、クロージャーシステムを生産する。長期的には、同社の全製品を重慶市で現地生産する計画。(2011年5月3日付プレスリリースより)

<インド>
-同社にとって初めてインドに工場を開設した。Pune近郊のHinjewadiに位置する同工場は、まずウィンドウレギュレーターを生産し、インドおよび欧州市場へ供給する予定。生産能力は年間200万個。2011年4月に量産を開始し、同年9月よりシートハイトアジャスターの生産をスタートさせる見込み。中期的には、同社の全製品をインドで現地生産する計画。(2011年2月7日付プレスリリースより)