Benteler International AG 2014年12月期の動向

ハイライト

業績

 (単位:百万ユーロ)
  2014年
12月期
2013年
12月期
増減率
(%)

要因

全社
売上高 7,556 7,425 1.8 1)
EBIT 186 57 226.3
自動車部門
売上高 5,865 5,903 (0.6) 2)


要因
1) 売上高
-2014年12月期の売上高は、前年比1.8%増 (為替変動の影響を除くと3.2%増)。自動車部門でわずかに売上減を見せたが、スチール/チューブ部門、物流部門の売上増が減少分をカバーした。

2) 自動車部門
-2014年12月期の同部門の売上高は、前年比0.6%減。欧州、米国およびアジアで売上が伸びたものの、為替差益、ブラジル市場が軟調に推移したこと、2014年中の拠点閉鎖および事業売却の影響が売上高を押し下げた。

買収

-破産申請を行ったドイツのWilco Wilken LaserよりTalle拠点とWeidenau拠点を取得。この2つの拠点は、Bentelerのサプライヤーパークに位置し、Benteler専用の16のレーザー加工機を備える。従業員数は、両拠点あわせて約100名。この2拠点は、全従業員とともにBentelerの独立子会社に譲渡され、将来的に「Benteler Laser Application GmbH」として運営される予定。(2014年9月1日付プレスリリースより)

事業再編

-2014年、同社は以下拠点の閉鎖および売却を実施:

  • 閉鎖:カナダ オンタリオ州Brampton、米国 アラバマ州Opelika、米国 ミシガン州Grand Rapids
  • 売却:アルゼンチン Tigre、イタリア Melfi、スイス St. Ursanne

研究開発費

(単位:百万ユーロ)
  2014年12月期 2013年12月期 2012年12月期
全社 93 101 108

研究開発体制

-R&D要員はおよそ1,200名。18カ国32カ所にR&D拠点を保有している。

-研究開発活動は、複合構造部品およびアルミ部品の開発・設計・製造を通して、構造材の軽量化に注力している。

研究開発拠点

-Benteler Engineering Servicesは、オランダHelmondの新テストセンターへ移転。同センターでは、システム、モジュール、部品全般の耐久性・機能性試験に関するサービスを提供する。面積は約5,000平方メートル。100名超の従業員が勤務し、顧客ニーズに対応していく。自動車・輸送・工業・造船などさまざまな産業向けにサービスを提供し、耐久性・疲労試験に関する専門性の向上に貢献するとみられる。(2014年1月27日付プレスリリースより)

研究開発活動

-ループヒートパイプを用いた排熱回収に関するプロジェクトを行なっている。この排熱回収システムを採用することで、キャビン内の暖気に使用されている電動ヒーターを将来的に省くことができる可能性があり、内燃機関エンジンを用いる車両の排ガス削減に大きく貢献すると見られる。同社は他にもループヒートパイプを電気自動車に用いるプロジェクトも推進している。

-複合素材を用いた、部品の軽量化プロジェクトを推進している。プロジェクトには欧州連合およびノルトライン=ヴェストファーレン州から助成金が交付されており、自動車メーカーや部品サプライヤーと共同で研究開発を行なっている。同プロジェクトには、アルミおよび超高強度鋼を用いたバンパー、アルミおよび繊維強化複合材を組み合わせた構造部品などが含まれる。

設備投資額

(単位:百万ユーロ)
  2014年12月期 2013年12月期 2012年12月期
全社 489 349 444
-自動車部門 170 202 335


-2014年12月期の自動車部門に投じられた設備投資額170百万ユーロの内、109百万ユーロが特定のプロジェクト、生産拠点の設備・装置に投じられた。主な使途として、スロヴァキア Malacky、ブラジル Campinas、ドイツ Paderborn、中国 蕪湖拠点の熱成形ラインへの投資が挙げられる。