American Axle & Manufacturing Holdings, Inc. 2016年12月期の動向

業績

(単位:百万ドル)
2016年
12月期
2015年
12月期
増減率
(%)
要因
売上高 3,948.0 3,903.1 1.2

1)

営業利益 380.7 358.1 6.3 2)


要因
1) 売上高
-2016年12月期の売上高は、前年比1.2%増の3,948.0百万ドル。北米における小型トラックおよびSUV向けに同社生産量が約8%増加したことが主な増収要因で、商用車販売の51.0百万ドル減少、金属価格の低下、為替のマイナス影響などを補った。

2) 営業利益
-2016年12月期の営業利益は、前年比6.3%増の380.7百万ドル。売上の増加および製造コストの低下とともに売上高利益率も増加し、販売管理費の上昇が比較的抑えられたことが増益につながった。

Metaldyne Performance Groupの買収

-同社とMetaldyne Performance Group (MPG)は、AAMMPG買収について最終的な合意に達したと発表した。買収額は16億ドルで、負債17億ドルも引き受ける。買収によりAAMは、パワートレイン、ドライブトレイン、ドライブラインの各製品分野を補完し、グローバルに事業を展開するティア1サプライヤーとなる。両社合わせて年間売上高は70億ドル、EBITDA12億ドル、フリーキャッシュフローは4億ドルになる見込み。統合の相乗効果により、年間100120百万ドルのコスト削減が見込まれるという。統合後の出資比率はAAMの株主が約7割、MPGの株主が約3割となる。また、MPGの筆頭株主であるAmerican Securities LLCが議決権の約23%を取得する。取引は2017年上半期に完了する予定。AAMDavid C. Dauch会長兼CEOが留任し、本社も現在と同じデトロイトに置く。AAMの取締役会は、MPGGeorge Thanopoulos氏を含む3名のAmerican Securities LLCのメンバーを加え、合計11名に増員される。(2016113日付プレスリリースより)

-Metaldyne Performance Group (MPG) の買収手続きを完了したと発表した。これにより、MPGはAAMの完全子会社となる。AAMの会長兼CEOは引き続きDavid C. Dauchが務める。AAMの取締役会には、MPGの元CEO George Thanopoulos氏、MPG元取締役Kevin Penn氏および Loren Easton氏の3名のAmerican Securities LLCメンバーが加えられる。(2017年4月6日付プレスリリースより)

受注

-2016年から2018年の新規売上に貢献する受注残高は725百万ドル。

  • 約80%は、乗用車、クロスオーバー車向けのAWDおよびRWD関連製品。
  • 約60%は、GM以外の納入先。
  • 40%以上は、米国以外の市場向け。

-2016年に供給を開始した製品は以下の通り:

  • ポーランドのSwidnica工場で生産するJaguar Land Roverのクロスオーバー車向けフロント/リアドライブアクスル
  • メキシコのGuanajuato工場で生産する日産のフルサイズピックアップトラック向けフロント/リアアクスル

2017年12月期の見通し

-2017年12月期の売上高は約41~42億ドルと予想している。

研究開発費

(単位:百万ドル)
2016年12月期 2015年12月期 2014年12月期
合計 139.8 113.9 103.9

研究開発拠点

-米国のミシガン州Detroitにある本社向かいに技術センター「Advanced Technology Development Center」を開設した。面積は35万平方フィートで、投資額は30百万ドル。新センターでは、先進製造技術、高度情報通信、ギア開発、プロトタイプ製造、保証分析、競争評価などが可能になる。同社はまた、2016年中に同州Rochester Hills拠点に新たに評価スペースを追加するほか、Auburn Hillsに15百万ドルを投じて鍛造工場を建設している。さらに、2016年中に新構造のアクスルを発表する計画。(2016年8月5日付Detroit Newsより)

-2016年12月31日現在、15のエンジニアリング開発センターを保有。

研究開発活動

-2016年の冬季試験を完了したと発表した。1月下旬に開始されたこの年に一度のイベントでは、米国のミシガン州BrimleyとスウェーデンのArjeplogにある性能試験場において、顧客向けに技術発表や試験走行を行う。今年は16台のデモカーを用いて、極限条件下でAAMの最新の機械式および電動式ドライブラインシステムの性能試験を行った。今回披露された技術には、ハイブリッド・電動ドライブライン「e-AAM」や軽量アクスル・ドライブユニット「QUANTUM」などが含まれる。(2016年3月23日付プレスリリースより)

-主な研究開発投資は以下の通り:

  • 既存製品/将来製品の性能向上に向けた電子化
  • ハイブリッド車 (HV) /電気自動車 (EV) 用システム
  • 燃費向上、排ガス削減、NVH/パワー密度/トラクションコントロールの改善

製品開発

ディスコネクティングAWDシステム「EcoTrac」
-ディスコネクティングAWDシステム「EcoTracを開発し、製品化した。システムがPTUで切断され、ドライブシャフトの回転を停止することにより、燃費向上と排出ガス削減を図るもの。同システムはJeep「Cherokeeに搭載されており、2017年中にChevrolet 「Equinox」およびGMC「Terrain」にも搭載される予定。

設備投資額

(単位:百万ドル)
2016年12月期 2015年12月期 2014年12月期
全社 223.0 193.5 206.5


-2016年12月期はバックログ用グローバルプログラムの立ち上げや、ERPシステムの更新などに投資。

-2017年12月期の設備投資額は、売上高の6.5%から7.0%となる見通し。

設備投資(米国)

-Auburn Hillsに15百万ドルを投じて鍛造工場を建設している。(2016年8月5日付Detroit Newsより)