FAW Jiefang Automotive Co., Ltd. Wuxi Diesel Engine Works [一汽解放汽車有限公司無錫柴油機分公司] 2012年12月期の動向

ハイライト

 業績

- 2012年、一汽錫柴ディーゼルエンジンの販売は31.6万基、改装車の販売は9300台、売上は91億元に達し、市場シェアは0.8ポイント増加。

- 2011年、同社のディーゼル販売量は37万基、売上は103億元、営業利益は2.6億元を達成。


 国内受注

- 2013年1月の同社の販売台数は前年同月比22.8%増、前月比4.7%増となった。前年同月比と前月比がともにプラスになるのは2012年11月より3カ月連続。また主要自動車メーカーへの供給も伸びており、2013年1月の一汽解放青島 (FAW Jiefang (Qingdao)) でのシェアは59%となり、2012年通年のレベルを2ポイント上回った。バス市場では主要8メーカーでのシェアが前月比3.4%増となり、そのうち宇通客車 (Yutong Bus) でのシェアは前年同月比が3.65%、前月比が4.49%増となった。(2013年3月5日付け各種リリースより)

- 同社が生産する軽型車用ディーゼルエンジン康威 (Kangwei) シリーズの2012年1月から7月までのOEM向け販売台数は11万基を突破した。主な供給先は山東凱馬 (Shandong KAMA)、金杯軽型トラック、紅塔 (Hongta) など。特に山東凱馬向けが2.8万基超となり、KAMAトラックにおけるシェアは過去最高の72%を記録、4年連続で一位となっている。金杯向けの供給量も増えており、シェアは32.2%、5年連続で一位を保っている。新しい供給先としては、2012年2月より中国重汽の軽型トラックHOWOへの供給が始まりすでに1,000基以上を納入した。 海外市場向けも好調で、ベトナム向けに1,400基、ペルー向けに300基、スリランカ向けに200基などを受注している。(2012年8月10日付け各種リ リースより)

- 同社のエンジン「4DX23-120-SF1AUT」を搭載した山東時風商用車有限公司 (Shandong Shifeng Commercial Vehicle Co., Ltd.) の新型軽型トラック「風馳 (Fengchi)」の量産が始まり、2012年5月、その発表会が開催された。新型風馳は乗用車の設計理念を取り入れ、快適な乗り心地を追求した高品質トラックになったとしている。搭載されたエンジンは強いパワー、簡便なメンテナンスなどの特長を備えているという。 (2012年7月10日付けプレスリリースより)

- 同社は、ハルピン市の公共バス向けとして厦門金龍旅行車有限公司 (Xiamen Golden Dragon Van Co. Ltd.) よりCNG (天然ガス) エンジン CA 6SF2-23E4N1 104基を受注した。ハルピン市は中国交通運輸省から低炭素交通システムモデル都市に認定されており、公共交通の燃料には天然ガスの使用が始まっている。 2011年、同市は200台余りのCNGバスを導入したが、このうちの70台に同社のCNGエンジンが搭載され、残りは他のエンジンメーカー2社のエンジ ンが搭載された。ハルピン公共交通会社の技術責任者によれば、1年間の運行の結果、同社のエンジンは他の2社のものに比べCNG消費量が100キロメート ル当たり4~8立方メートル少なかった。故障率は同社がもっとも低く、燃費、動力性能、操作性とも3社のうちで最も優れていたという。こうした評価が今回の受注につながった。今回受注したCNGエンジンはマルチ噴射システムを採用し、スムーズな起動、高い信頼性、省エネ、エコなどの特徴を備えている。(2012年6月26日付けプレスリリースより)

- 同社の天然ガスエンジンの販売が好調である。黒竜江省の石炭会社が購入した鉱山用解放トラック100台に420馬力天然ガスエンジンCA6SN1-42E4N1が搭載されたのに続き、山西省の石炭輸送会社向け解放トラックJ6P 50台には液化天然ガスエンジンCA6SN1-39E4N2が搭載されることになった。このCA6SN1-39E4N2は奥威 (Aowei) CA6DN1を基に開発したもので、米国のEcontrol燃焼ガス制御系統を採用し、LNGタンクを軽量化。CNGエンジンよりも航続距離を長くし、燃費を向上させている。(2012年5月14日付けプレスリリースより)

- 同社の2012年第1四半期のエンジン生産、販売数は10万基を突破した。これは国内業界第2位の販売数量であり、昨年の第3位から順位を上げた。またシェアも前年から4.5ポイント上昇した。一汽グループ向けエンジン、特に奥威 (Aowei) 9リットルと11リットルの販売が好調で、11リットルは5800基余りに達した。バス向けもまた好調で、多くの都市で同社のエンジンを搭載した公共バスが採用されている。新たに無錫恵山区に建設した重型ディーゼルエンジン生産拠点が本格生産に入り、また研究開発部門では新エネルギー車、ハイブリッド車領域での開発を加速させている。(2012年4月13日付け各種リリースより)

- 同社の2011年のバス用エンジン販売数は前年比25.23%増を記録したが、年明け以降も好調が続いている。2012年1月は前年同期比34.52%増、2月は30%増とバス用エンジンの受注は過去最高となった。特にLNGエンジンを含め、上海、天津、瀋陽など大都市の公共バス向けエンジンの販売が好調である。またスクールバス用エンジンでは長安汽車向けに302基を受注したほか、桂林、広州、珠海からも受注している。 (2012年2月29日付け各種リリースより)

海外注文

- 2013年1月、インドネシアをはじめとする海外市場向けに、発電所用を含めエンジン1,100基余りを販売したと発表した。主なものとしては、インドネシア向け一汽解放青島 (FAW Jiefang (Qingdao)) のトラック「CA4161」に搭載した「CA6Dl1-30」エンジン60基、ベトナム向け4DWターボチャージャー・インタークーラー搭載エンジン100基など。なお、2012年の年間輸出量は過去最高の12,194基に達した。同社は低燃費、低騒音、高い安定性などが海外市場で高い評価を得ているとしている。(2013年1月30日付けプレスリリースより)

- ユーロⅣ排ガス規制対応ディーゼルエンジン四種 (CA4DF4-17E4、CA4DL1-21E4、 CA6DL2-35E4、CA6DM2-42E4) は2012年12月23日、タイ工業省の認証審査を受け、これに合格した。同社はユーロⅣ対応ディーゼルエンジンの輸出に重点をおいており、この認証取得はタイ市場への進出の足がかりになると期待している。(2012年12月22日付け各種リリースより)

- 同社の康威 (Kangwei) インタークーラー付きターボチャージャーエンジン4DX23-120-JB2AWを搭載し た、ボリビア向けJinbei 3トントラックSY1060DRY01 12台が2012年6月14日、瀋陽金杯 (Shenyang Jinbei) でラインオフした。このトラックはすでに約500台が生産、販売されユーザーから高い評価を受けている。今回ボリビアでの評価が良ければ、 この12台に続き次のオーダーが入ることになっている。なお、同社は2007年より瀋陽金杯向けにエンジンを供給しており、ここ3年は金杯最大のサプライヤーとなっている。(2012年6月26日付けプレスリリースより)

- 2012年に入り海外向け受注が好調。1月~4月のディーゼルエンジン輸出量は4000基を超え、前年同期比15%増。中でもターボチャージャー及びインタークーラー型の需要が多く、輸出全体の72%に達している。主な輸出先はロシア、イラン、ベトナム、中東、 北アフリカ。イラン向けは2月にCA6DMエンジンを搭載した"解放"トレーラーJ6 100台を輸出し、イラン市場におけるMシリーズエンジンの保有台数は500基を超えた。これらはすべてユーロⅢ排ガス規制適合仕様。3月-4月にはロシア向けにCA6DL2搭載の"解放"ダンプカーを450台輸出。ロ シアは2008年からの輸出先で、ロシア市場での保有台数はすでに2万基を超えている。アフリカ向けは、一汽解放の南ア工場が正式に稼働したのに伴い、 CA6DFとCA6DMを50基納入。ベトナムではカーメーカー数社へ参入を果たし、今年に入りすでに累計1,000基を輸出した。すべてターボチャー ジャー型、ターボチャージャー、インタークーラー型である。その他ペルー、ウガンダ、インドネシアなどからも100基超を受注している。(2012年5月10日付けプレスリリースより)

開発動向

- R&Dセンターを保有。
- 傘下の研究機関 (2社)
・長春汽車研究所 (Changchun Automobile Reseach Institute)
・無錫球墨鋳鉄研究所 (Wuxi Spherical Graphite Cast Iron Institute)

新製品

- 2012年12月、済南市で2013年1月1日に市場に投入する軽型車用ディーゼルエンジン康威 (Kangwei) シリーズ4DXと4DWのニューバージョン「新康威」を発表した。新康威は従来型と同社のもう一つの軽型エンジン「富威 (Fuwei)」それぞれの長所を融合させたもので、燃料噴射量、噴射タイミングを最適に制御するコモンレールシステムを採用し、ディーゼルエンジンの低速域、高負荷での性能を大幅に改善している。また排ガス基準は中国Ⅳをクリアした。康威シリーズの販売台数は2006年の1.2万基から始まり2009年には20万基を突破、全国に1,450カ所のサービス拠点を設けている。(2012年12月21日付け各種リリースより)