Linamar Corporation 2015年12月期の動向

業績

(単位:百万カナダドル)
2015年12月期 2014年12月期 増減率 (%) 要因
全社
売上高 5,162.5 4,171.6 23.8 -
営業利益 597.0 447.4 33.4 -
パワートレイン/ドライブライン部門
売上高 4,310.2 3,479.3 23.9 1)
営業利益 440.8 337.7 30.5 2)


要因
1) パワートレイン/ドライブライン部門の売上高
-同部門の2015年12月期売上高は、前年比23.9%増の4,310.2百万カナダドル。増収要因は、為替の好影響、2015年第1四半期に欧州で鍛造事業を買収したこと、北米および欧州での新規受注など。

2) パワートレイン/ドライブライン部門の営業利益
-同部門の2015年12月期営業利益は、前年比30.5%増の440.8百万カナダドル。増益要因は、生産量増加による収益改善、為替差益、買収した鍛造事業の収益増加など。一方で販売管理費の増加により部分的に相殺された。

買収

-2015年10月、Montupetの発行済株式および議決権の100%取得に向けて、株式公開買付を実施する意向を発表した。100%取得した場合の買収金額は約771百万ユーロ。公開買付の実施期間は、2015年12月から2016年2月までを予定している。Montupetは、自動車用アルミ鋳造部品の開発・生産を行っており、欧州、北米、アジアに複数の生産・販売拠点を保有している。(2015年10月15日付プレスリリースより)

合弁事業

-2015年7月、同社とGeorg Fischer傘下のGF Automotiveは、北米、欧州、アジアにおける自動車・産業・商業向けの鋳造および機械加工製品の供給に関して提携することで合意した。これによ り、両社は米国の南東部に軽金属鋳造工場を建設する。この折半出資による合弁会社 「GF Linamar LLC」 は、パワートレイン、ドライブライン、構造部品向けに軽金属の高圧ダイカストを生産し、NAFTA市場に供給する予定。生産は2017年半ばに開始され、今後5年間の投資額は約100百万ドルとなる見込み。(2015年7月16日付プレスリリースより)

事業動向

-2015年9月、米国環境保護庁 (EPA) からVolkswagenが排ガス規制を不正に逃れたと指摘を受けた問題で、同社の経営や業績に対して重大な影響はないと発表した。Volkswagenが同社にとっての戦略顧客であると認めているが、Volkswagen向けの売上高は同社の2015年上半期の連結売上の5%に満たないことから、現状Volkswagenは主要納入先ではないとしている。従って、この問題による売上高の減少が同社の純利益に大きな影響を与えることはないという。(2015年9月24日付プレスリリースより)

成長戦略

-同社は、「自動車 (Power Vehicles)、運動 (Motion)、仕事 (Work)、生活 (Lives) 分野に向けた多様な製品作り」 に注力する戦略をとっている。自動車産業に関しては、ガソリン車、ハイブリッド車、電気自動車、燃料電池車など、多彩なパワートレインの開発に特化している。ハイブリッド車および電気自動車用のeアクスルなどがその例である。また、ガソリン車向けに燃料効率の改善と排出ガス低減を図る製品も開発している。

研究開発体制

-2015年12月末現在、同社では約1,246名が研究、開発、設計に従事している。その中にはMcLaren Performanceで働くスタッフも含まれている。

研究開発拠点

-同社はカナダOntario、米国ミシガン州Detroit、ドイツSaxony、ハンガリーBekesに5つの開発センターを有する。デトロイトのMcLaren Performanceセンターではエンジン、トランスミッション、ドライブラインシステムの設計、開発、テスト、分析が行われている。

-McLaren Performanceセンターは近年、販売/エンジニアリングセンターへと変貌を遂げた。これにより同センターでは75名の人員増加が見込まれる。

研究開発活動

-同社は現在、カナダと米国において、フリート向け電気小型商用配送バンのプロジェクトに従事している。

設備投資額

(単位:百万カナダドル)
2015年12月期 2014年12月期 2013年12月期
全社 341.6 263.5 244.9
-パワートレイン/ドライブライン部門 328.2 235.2 224.6

-2015年12月期の設備投資は、主に現行プログラムの生産増強に充てられた。

海外投資

<中国>
-2015年、同社は中国で3番目となる工場を立ち上げた。さらに同国で獲得した新規ビジネスのために、4番目となる工場の建設を計画中である。