Linamar 2007年度(2007年12月期)の動向

ハイライト

業績

(単位:百万カナダドル) 2007年度 2006年度 増減率(%)

活動内容

売上高 2,313.6 2,262.1 2.3 -
営業利益 1,795.9 1,850.3 -2.9 下記 1) 参照

1) パワートレーン/ドライブライン部門の売上は前年度比2.9%(54.4百万ドル)減少。 米ドルおよび他の通貨に対するカナダドル高の影響を調整した場合、2007年度の売上は1%(19.4百万ドル)減少となる。
この売上減はあらかじめ予測されていたものであり、2007年1月1日から施行された排ガス規制に関連して中型・大型トラック市場で2006年度中に前倒し購入の動きが活発化した結果、前年度より減少したことが主な要因。
また、同部門の結果は北米のOEMによる工場の操業停止や生産台数減少のほか、これら顧客からの値下げ要求圧力が高まったこと、一部契約の満了及び再契約などの影響を受けた。しかし、新プログラム立上げ、欧州における高い伸び、並びに引き続き伸張するアジア地域の事業での売上増分により部分的に相殺された。


受注
-Linamar Hungaryは、自動車用途および自動車以外の用途向け部品並びに製品の新規納入契約を受注し、 さらに、Siemensなどの顧客からも新規受注を獲得。 Densoなどの、既存の顧客からの受注量も増加した。
2007年度、ハイドロフォーム式カムシャフトの継続契約を受注したほか、ヘッドおよびブロックプログラムがドイツの子会社で実質的に開始された。
メキシコでは販売実績をたかめるために、強力な新規プログラムや成長プログラムを継続する。 これらのプログラムは多岐にわたり、これには小型車用4速トランスミッション、中型および大型トラック用ライナー、各種プラットフォームに対応する高機能カムシャフトなどが含まれる。

-2007年10月、日系サプライヤーからハイブリッド車(HV)用駆動モーターの主要部品を受注した。モーターユニットのケースであるハウジングと回転部位のローターを支えるマウンターの2点で、2009年にも市販車に搭載される見通しだ。同部品では難しかった鍛造による一体成型を実現し、モーターの高回転化に必要な強度を確保可能にした。こうした技術力を生かしながら、次世代ユニット用部品の受注拡大を目指す。年産規模は当面1万セット、オンタリオ州の主力工場で生産し日本に輸出する。これらの部品を採用したハイブリッドシステムは、米系や日系の自動車メーカーに搭載されるとみられる。(2007年10月11日付日刊自動車新聞より)


事業買収
-同社子会社であるLinamar Hungary NYRT ("Linamar Hungary")に、現時点で未取得である全普通株式の買付け提示をしている、と発表した。Linamarは、目下のところ、Linamar Hungary全株式の約58.6%にあたる、5.0308百万株を保有。残り約41.4%分の株式買付けにかかる費用は、総額で約10.658247百万ハンガリー・フォリント(約63.8856百万カナダドル)になる見通し。(2月26日付けプレスリリースより)

-2007年8月15日、同社と米フォード・モータースは、フォード傘下のAutomotive Components Holdings (ACH) が保有するメキシコの工場売却に関し、最終的合意に達したと発表した。Linamarは、Power Transfer Unit(PTU:動力転送部品)事業を手掛けるメキシコ・Nuevo LaredoのConverca I工場を取得する。
2007年8月、ACHが保有する、PTU(動力転送部品)事業を手掛けるメキシコ・Nuevo LaredoのConverca I工場の買収手続が完了したことを明らかにした。これによりLinamarは、敷地面積25エーカー、建坪30万4,000平方フィートの規模を誇るPTU生産工場施設に加え、高度PTU技術を支える優秀なエンジニアも獲得した。同工場には、現在、生産に携わる人員が約500名、エンジニアが20名在籍している。Linamarは、2007年4月、同工場を買収する意向であると発表、2007年8月15日、フォードとの間で、同工場の買収に関し、最終的に合意していた。Converca I工場は、買収手続完了を受け、同社ドライブライングループに組み入れられるが、それにともない事業名を「Linamar Driveline Systems Mexico S de R.L. de C.V.」 (LDL)と改称する。(8月31日付プレスリリースより)

-2007年10月18日、英国 WalesにあるVisteon CorporationのSwansea工場の買収に関する予備調査について明記した了解覚書に署名したと発表。 VisteonのSwansea工場は、現在パワートランスファーユニット、トランスファーケースおよびアクスルを生産している。この買収により、ドライブライン事業における同社のプレゼンスを強化するとともに、8月に完了した、メキシコ Nuevo LaredoにあるFordのPTU事業買収を補完する。 FordはSwansea事業所の主要納入先である。

開発動向

研究開発体制
-2003年に買収したMcLaren Performance Technologies(MPT)はLinamar社の事業部内に組み込まれて先進技術と生産技術の研究開発のサポートをしてきた。2005年にはMPT部門に新しい課題としてそれぞれの事業部の 戦略を側面からサポートして革新的な費用効果のある商品の開発をすることになった。2006年1月には、MPTがデトロイトを拠点とする販売チームと共同でLinamar Automotive Customer Centerの設立を発表。MPTは2006年度を通じてエンジン、トランスミッション、シャーシシステムなどの設計、実験、分析の担当となり最新技術を駆使したサポート活動を行う使命を担うこととなった。

設備投資

国内投資
-2007年6月、新たに技術訓練センターを建設するため、オンタリオ州・Guelphに用地を取得したと発表した。新技術訓練センターでは、革新的な生産工程や製品技術の開発に加え、人材育成にも力を入れる。Linamarは、新技術訓練センター建設用地として、建坪3万平方フィートの上屋を含め、総面積10エーカーにおよぶ敷地を取得したもの。今後1年をかけ、建物内部を改装するとともに、施設の増築も行うとしている。同社が用地取得、新施設建設には、2006年5月に「研究&開発推進に関する5ヵ年計画」を発表したオンタリオ州政府からの協力を取り付けたことが大きい。Linamarは、訓練、および研究・開発分野での投資を重点的に行っており、新技術訓練センター建設もその方針に沿ったもの。同社は、この技術訓練センタープロジェクトのため、総額11億ドルの投資を確約。オンタリオ州政府からは、自動車関連投資事業へ奨励金として、4,450万ドルが支給されている。(6月5日付プレスリリースより)

-2007年3月、既存のギア工場に10万平方フィートの生産用スペースを増床する予定。同社は、ギア製品およびギア生産機械加工技術向上に力を入れており、この施設増床は、将来的なギア製品供給プログラム受注増を視野に入れた生産体制整備といえる。増築されたスペースでは、2007年後半にその全容が発表される予定の新研究・開発・技術訓練センターと連携をはかり、先進的なギア製品加工技術の開発が行われることになる。カナダ政府は、ギア製品の技術開発に照準を合わせた助成制度導入を発表したばかり。(3月5日付けプレスリリースより)


海外投資

-中国Wuxiに設立された恒久的施設が、2007年に正式に稼働を開始した。