ABC Group, Inc. 2015年12月期の動向
近年の動向
グローバル展開
-同社はグローバル市場での事業拡大に注力している。過去3年間でメキシコ、米国・テネシー州、中国に新工場を開設したほか、米国・テネシー州、ミシガン州、オハイオ州、ケンタッキー州、カナダ・オンタリオ州の拠点を拡張した。2014年は、イタリアのCornagliaと合弁会社「ABCOR Filters」をカナダ・オンタリオ州に設立した。同合弁会社は、エアインダクションシステム用フィルターの設計・開発・生産を行っている。(2014年6月発行プレスリリースより)
事業提携
-2011年10月、同社とイノアックは、グローバル提携契約を締結したと発表。両社の生産拠点・技術・顧客関係を活用することで、グローバル体制を強化する。また、それぞれの製品群強化を目指し、共同の研究開発プロジェクトも行う計画。 (2011年10月11日付プレスリリースより)
-2010年7月、米国子会社ABC Group Fuel Systems Inc.は、中国の亜普汽車部件有限公司 (YAPP Automotive Parts Co. Ltd.) との間で、樹脂製燃料タンクの供給に関する戦略的提携契約を締結した。この提携は北米、欧州、アジア市場を対象としたもの。亜普汽車部件は、江蘇省揚州 (Yangzhou) に本拠を置く自動車用樹脂製燃料タンクメーカー。同社はR&Dセンター (揚州) に加えて、中国国内に計8工場、インド、オーストラリア、ロシアに各1工場を保有している。 (2010年7月22日付プレスリリースより)
企業買収
-2001年12月、自動車および産業市場へのプラスティック製品サプライヤーLDI (Lankfer Diversified Industries Incorporated) のHynesブロー成形事業の全資産買収を完了。ミシガン州Grand Rapidsに工場があり、Undercar Products Group Inc.として操業中。ISO 9001/GS9000認証を取得し、ウオッシャーリザーバー (washer reservoirs)、HVACダクト、ベロー (bellows)、内装部品を製造。現在の生産ライン拡張し、115,000平方フィートの工場にエアインダクションシステムの生産を計画。
合弁事業
-2011年4月、同社は、寧波井上華翔汽車零部件 (Ningbo Inoac Huaxiang Automobile Products Co., Ltd: IHX) と、中国の浙江省寧波 (Ningbo) 市に合弁会社を設立することで合意した。新会社の名称は「寧波艾倍思井華汽車零部件 (Ningbo ABC Inoac Huaxiang Co., Ltd.: AIH)」。納入先にはVolkswagen、トヨタ、日産、Daimlerが含まれる。内装・外装部品およびエンジンサポート部品を生産する予定。なお、IHXは日本のイノアックと中国の寧波華翔電子 (Ningbo Huaxiang Electronic Company) の合弁会社。(2011年4月5日付プレスリリースより)
受注
-2004年1月、新型「Chevrolet Equinox SUV」に後部荷室 (Rear cargo) マネジメントシステムを供給すると発表。「Equinox」はGMとスズキの折半出資合弁会社CAMI Automotive Inc.が生産する。
受賞
受賞名 | 受賞者 | |
2014年 | GM Supplier Quality Excellence Award | ABC Group |
GM Supplier Quality Excellence Award | ABC Plastic Moulding | |
GM Supplier Quality Excellence Award | Salga Associates | |
WeConnect Presidents Award | - | |
Honda Development Award | ABC Group Do Brasil Ltda. | |
2013年 | GM Overdrive Award (for Diversity Excellence) | - |
GM Supplier of the Year | - | |
GM Supplier of the Year | ABC Plasticos (Spain) | |
Toyota, Certification of Cost Achievement | - |
製品開発
後席シート用構造部材
-2013年、後席シート用構造部材を、樹脂を用いたブロー成形で製造する手法を開発。従来品は鉄製のパイプとフレームを組み合わせているが、樹脂製のパネルを用いることで、1割程度の軽量化につなげる。コストも1割程度安くなる見込み。軽量化につながる技術として日系自動車メーカーやシートメーカーに提案する。 (2013年8月20日付日刊自動車新聞より)
空調用ダクトの発泡成形
-2013年、空調用ダクトを発泡構造の樹脂で製造する技術を開発。重量を従来比5割近く軽くでき、ダクト内を通過する空気の騒音を約1割低減できる。樹脂の使用量を減らすことができるのでコストも2割程度安いという。専用の樹脂を開発し、成形中に発泡させる新工法を採用し実現した。自動車メーカーや空調部品メーカーなどに提案する。(2013年7月3日付日刊自動車新聞より)
一体型ロッカーモールディング/ランニングボードシステム
-2008年、同社は2008年SPE Innovation Awardを受賞。一体型ロッカーモールディング/ランニングボードシステムは、個別にプレスされ製造されるロッカーの必要性をなくし、これにより車両重量、部品点数、組み立て工数、コスト削減を実現した。同システムは、OEM用のランニングボードでは初めて、設計上外装の保持用ファスナーが不要となっている。
ブロー成形ベッドエクステンダー
-2007年、同社は2007年SPE Innovation Awardを受賞。ブロー成形によるピックアップトラックのベッド用エクステンダーで、鉄やアルミ製のパイプから置き換えられる。これにより、部品点数、重量、コストを削減できる。
ブロー成形バンパーシステム
-2006年、同社は2006年SPE Innovation Awardをブロー成形バンパーシステムで受賞。ブロー成形によるプラスチックを採用することで新しい設計・デザインコンセプトを採用でき、また、追加の機能や要求に応えられるとしている。既存設計手法と比べ、同社設計により、部品点数を削減し、軽量化を実現、性能を向上しながらコストを削減する。
車体色ブロー成形ランニングボード
-2004年、同社は2004年SPE Innovation Awardを外装部門で受賞。外装部門で受賞したのは、車体色ブロ-成形ランニングボード。これは統合ステップパッドを組み込んだランニングボードで、Aクラスの仕上 げが得られる。新機構のブラケットアタッチメントを用いて工場内での取り付けが可能となり、旧型のようなディーラー取り付けの必要がなくなった。旧型と比較して、部品点数を53%削減、剛性を50%向上、重量を17%削減、合計して1億ドルの原価削減に寄与したという。
特許
-世界で約300件の特許を取得している。-内外装やエンジンなどの樹脂部品を手がけるカナダABCグループは、日系自動車メーカー向けの販売活動を強化する。同時に、日系の生産拡大が見込まれる中国、東欧への早期の工場進出に取り組む。これによって5年以内に日系向け売上高を現状の4倍に引き上げる計画。提案の中心に置くのは、軽量化やコスト改善に効果の高いブロー成形により製造する樹脂部品やユニット部品。安全関連ユニットでは、蛇腹状の衝撃吸収ユニットをインパネ下部の表面板と一体成形し、衝突時の膝の浮上を抑える「ニーボルスター」をメーンに置く。(2006年7月7日付日刊自動車新聞より)
海外投資
<米国>
-2004年6月、 米国ケンタッキー州Londonに生産拠点 (面積13,006平米) の建設計画を発表。投資額は19百万ドル以上で、従業員数は約165名を予定。
<クロアチア>
-2002年6月、クロアチアに事業所を開設。東欧地域での事業や新工場設立、サプライヤーとの関係等、東欧における事業全般を管理する。
<ドイツ>
-2001年12月、ブロー成形でエンジンルーム内システムおよび部品を生産する同社子会社のABC Automobile-Formteile GmbHは、Dieburg工場の建屋面積、生産能力を倍増した。
<メキシコ>
-2001年9月、同社子会社の内装システムおよび部品、吸気系、燃料系制御システムを生産しているGrupo ABC de Mexicoは、San Juan del Rioに第2工場を建設。これにより生産能力を倍増した。
国内投資
-2001年5月、パッケージング製品を製造するPolybottle Group (非自動車部門)は、Vancouver工場の建屋面積を拡張 (200%) し、設備の更新を実施。
-2000年4月、射出成形、フレキシブルフォーミング技術を利用して内装システムおよび部品を生産する同社子会社MSB Plastics:は、建屋面積を25%拡張する工事を完了した。
各種データ
-5,000名 (2015年2月現在)。