Meritor, Inc. 2020年9月期の動向
業績 |
(単位: 百万ドル) |
2020年9月期 | 2019年9月期 | 増減率 (%) | 要因 | |
売上高 | 3,044 | 4,388 | (30.6) | 1) |
営業利益 | 332 | 363 | (8.5) | - |
商用トラック部門 | 2,190 | 3,456 | (36.6) | 2) |
要因
1) 売上高
-2020年9月期の売上高は、3,044百万ドルで、前年から30.6%減少した。売上減の要因は、新型コロナウイルス蔓延による需要低下によるもの。
2) 商用トラック部門
-2020年9月期の部門売上は、2,190百万ドルで前年から36.6%減少した。顧客需要低下および新型コロナウイルスの蔓延に対する政策による市場販売の減少が売上減に繋がった。また、新型コロナウイルスの影響で同社の生産設備の大部分が稼働停止状態となった。
開発動向
-Kalyani GroupとMeritorの合弁会社Automotive Axleは、2020年4月20日までインド国内の全ての事業所・工場での営業一時休止を継続する決定を下したと発表した。従業員の安全確保およびコロナウイルス拡大の封じ込めへの対応であるという。(2020年4月14日付プレスリリースより)
-2020年3月13日にWABCO子会社との間の販売契約が終了したと発表した。契約終了に関連して、Meritorには265百万ドルが支払われた。(2020年3月16日付プレスリリースより)
見通し
-同社のM2022 Planでは、2022年度末までに新規事業で3億ドル以上、調整後EBITDAマージン12.5%以上を目標に定めた。
研究開発費 |
(単位: 百万ドル) |
2020年9月期 | 2019年9月期 | 2018年9月期 | |
全社 | 74 | 75 | 73 |
研究開発拠点
-同社は以下の地域に研究開発拠点を有する。
- Troy (米国ミシガン州)
- Cameri (イタリア)
- Bangalore (インド)
- Mysore (インド)
製品開発
Auto-DCDLディファレンシャルロック/ロック解除システム
-ブラジルの各種メディアは、Meritorが大型商用車のディファレンシャルを自動的にロック/ロック解除できる電子式Auto-DCDLシステムを開発していると報じた。従来、トラックおよびバスのデフロックはドライバーが手動で制御していたが、ドライバーが不必要にシステムを作動させ続けるとシャフトが損傷する可能性があった。Auto-DCDLシステムでは差分をロック/ロック解除する必要があるタイミングを認識し、自動で制御を行うという。このシステムは大型車両の任意の車軸に設置可能。同社は10月までテストを継続し、2021年に自動車メーカーに製品を供給する予定。(Multiple news articles on August 14, 2020)
「ProTec」シリーズ3000フロント・リア 全輪駆動ビームアクスル
-同社は、戦闘、消防、レスキュー、ユーティリティ車両などのクラス5車両向け専用ソリューション「ProTec」シリーズ3000フロント・リア全輪駆動ビームアクスルの投入を発表した。「ProTec」シリーズ3000フロントドライブステアアクスルは、最大12,000ポンドの総アクスル重量定格(GAWR)を特徴とし、工場OEM提供の機器より4,500ポンド増加している。また、中央タイヤインフレーションシステムに対応するために事前に穴を開け、測量されている。フロント、リアの両アクスルは同社のベベルギアハブホイールエンドが装備され、現在米国軍のJLTV(Joint Light Tactical Vehicle)プログラム車両で運用されている。また、モビリティ強化のためドライバー制御ディファレンシャルロック(DCDL)キャリアを標準装備している。(2019年10月14日付プレスリリースより)
設備投資 |
(単位: 百万ドル) |
2020年9月期 | 2019年9月期 | 2018年9月期 | |
全社 | 85 | 103 | 104 |
米国以外での投資
<ブラジル>
-ブラジルの各種メディアは、Meritorが新工場建設のためブラジルRoseiraの160,000平方メートルの土地購入契約を締結したと報じた。新工場ではVWトラック・バス(VWCO)がResende工場で生産する電気トラック向け電動アクスルを製造する。200百万ブラジルレアルを投じる新工場建設は、2020年1月の発表時には2020年3月に着工し、2021年4月に開設するとしていたが、新型コロナウイルスの影響によって計画の変更を余儀なくされ、新たなスケジュールは現在のところ確定していないという。新工場の当初の電動アクスルの生産能力は月産2,000個で、今後月産8,000個に増強する可能性もあるが、変更後のスケジュールでこのプランが適用されるかどうかは未定だとしている。(Multiple sources on July 14, 2020)