GKN China Holding Company Ltd.[吉凱恩(中国)投資有限公司] 2021年12月期の動向

研究開発動向

電動化需要増に対応すべく電動ドライブシステム製品に注力
-GKN Automotiveは、電動化の需要増に対応するため次世代のeDrive技術の開発を加速すると発表した。800V技術を採用するシステムの開発を進めており、一部は実環境でテストしている。次世代eDriveシステムでは800V技術により、充電時間の短縮、性能向上、航続距離延長など、多くのメリットが見込まれる。システムの開発は、GKNがJaguar RacingのパートナーとしてFormula Eに関与することで強化される。GKNは、Jaguar Racingでの開発が3年以内に一般車両で利用できるようになるとみている。(2021年7月20日付プレスリリースより)

金属粉末材料を新たに開発
-GKNの3D印刷技術部門のGKN Additiveは、自動車業界で広く使用されている低合金二相鋼であるDP600に類似した材料を、3D印刷製造に採用・強化することに成功したと発表した。自動車およびその他の産業分野で多様な設計とアプリケーションを可能にする。新開発の金属粉末材料DPLA (二相低合金)とFSLA (自由焼結低合金)は、DP600 (HCT 600 X/C) と同様の機械的特性を有する。高い最大抗張力 (UTS)とUTS比に対する低耐力強度の要求を満たし、それぞれレーザー粉末ベッド融合(DPLA)とバインダージェッティング (FSLA)に使用することができる。(2021年7月1日付プレスリリースより)

eDriveシステムを開発、量産開始
-GKN Automotiveは、初めて自社開発した電気モーターを含む2-in-1統合eDriveシステムを現在販売中の電気自動車(EV)に供給していると発表した。GKN Automotiveの新システムはインバーターと組み合わされ、最大トルク220Nmを瞬時に発揮し、0-100 km/h加速9.0秒、航続距離320kmを実現する。この2 in1統合eDriveユニットは、GKN Automotive独自の87 kWモーターを搭載し、パッケージの重量は62.5kg (オイルを含む) で、2,100Nmの出力トルクを提供する。2-in-1統合レイアウトは、個々のコンポーネントを組み込んだEV用システムよりもよりコンパクトで軽く、より効率的でコスト効率が高い。また、先進電子式パークロックシステム (ePLS) を採用しており、eアクスルがパークロック機能を提供するため、補助システムのブレーキ機能への負担を軽減することができる。(2021年6月23日付プレスリリースより)

JLRと3-in-1 eDriveシステムを共同開発
-GKN Automotiveは、3-in-1 eDriveシステムをJLRと共同開発したと発表した。このシステムは、80kWの永久磁石同期モーターとパワーエレクトロニクス、固定レシオのトランスミッションを同軸上に配置したもの。最大トルクは2,900Nmで、重量は77kg。組み立ては、GKNの上海の合弁工場で行われる。GKNとJLRは、初期段階からサブシステムのサプライヤー選定にいたるまで協業を行った。なお、この製品は、2021 CLEPA Innovation AwardsのPrestigious Cooperationカテゴリーで受賞したという。(2021年11月9日付プレスリリースより)

研究開発体制

-上海康橋工場内にテクニカルセンターを保有。ドライブシャフトの機能、性能試験設備を完備。センター内の実験室は国の認可証書を取得している。2021年末時点で、同社は米国、ドイツ、英国、インド、日本および中国に6のテクニカルセンターを保有。