EVE Energy Co., Ltd.[恵州億緯鋰能股份有限公司] 2022年12月期の動向

業績

(単位:百万元)
2021年12月期 2020年12月期 増減率(%)
売上 16,899.80 8,161.81 107.06
営業利益 3,091.36 1,928.83 60.27
経常利益 3,041.36 1,917.97 58.57
当期純利益 3,149.49 1,681.31 87.32

製品別売上高 (2021年12月期)
-中国国内および海外の景気回復を背景に、民生用電池事業は前年比67.79%増、駆動電池事業は同146.25%増。
-2021年12月期、駆動用電池事業の売上高は前年比146.3%増の100億元。これは主に、乗用車向け三元系パウチ型電池を継続的に増産、出荷規模拡大を維持したことによるもの。

 

受注

成都大運 子会社の湖北億緯動力有限公司[EVE Power Co., Ltd.](億維動力)が成都大運汽車集団有限公司[Chengdu Dayun Automotive Group Co., Ltd.]運城分公司(成都大運)からサプライヤー指定を受けたと発表した。億維動力は成都大運により大運汽車の駆動用バッテリーが使用する46シリーズの円筒型セルのパックプロジェクトの開発サプライヤーに選定された。(2022年4月21日付プレスリリースより)
Bosch Boschの指定サプライヤーに選定されたと発表した。Boschにグローバル市場向け電気自動車(EV)用のリチウムイオン電池を供給する。(2022年3月18日付プレスリリースより)
Powin Energy Powin Energy Corporation (Powin Energy)と供給契約を締結したと発表した。億緯鋰能はPowin Energyのバッテリースタックの戦略的サプライヤーとして、Powin Energyが従来から使用しているバッテリーセルと同規格のバッテリーセルを供給する。それによりPowin Energyは、製品統合に要する時間を大幅に短縮できる。供給期間は2年で、億緯鋰能は年内に約500MWhの製品を供給する。2021年8月に第1ロットの生産を開始し、2021年第4四半期末に納入する予定。(2021年8月11日付プレスリリースより)
Jaguar Land Rover (JLR) Jaguar Land Rover (JLR) から48Vバッテリーシステムのサプライヤー指定通知書を受領したと発表した。「20Ah MHEV Battery」プロジェクトのサプライヤーとなる。(2021年2月25日付プレスリリースより)

  

戦略提携

雲南省政府など 雲南省玉渓市人民政府、雲南恩捷新材料股份有限公司、浙江華友控股集団有限公司、雲南雲天化股份有限公司と新エネルギー電池の産業クラスターを構築すると発表した。合意書によると、各社は雲南省玉渓市に合弁会社2社を設立し、その合弁会社が採掘した鉱物資源を利用し、鉱物加工、共同開発、新エネルギー電池に関わるサプライチェーン向けの材料の生産と販売を行う。億緯鋰能、恩捷新材料股份、華友控股、雲天化股份は、玉渓市に新エネルギー電池、リチウムイオン電池セパレータ、リン酸鉄及びリン酸鉄リチウム、銅箔などの工場を建設する計画だという。(2022年2月17日付プレスリリースより)
恵州市人民政府 恵州市人民政府と戦略的提携枠組みに関して合意したと発表した。合意内容には、恵州市人民政府が億緯鋰能の工場追加建設や、出資者に対して支援すること、億緯鋰能による原材料企業の恵州への誘致や、新エネルギー電池産業団地の建設を支援すること、イノベーションやハイエンド人材の誘致・育成を支援することが盛り込まれている。億緯鋰能および子会社は、恵州での研究開発やイノベーションへ20億元以上を投資し、高度人材の誘致強化に加え、世界をリードする技術レベルや影響力を持つエネルギー貯蔵や電力に関する研究開発拠点や主要材料研究開発センターを建設する。工場の着工条件が整い次第、2025年までに億緯鋰能および子会社で合計1,000億元の生産高を目指す。さらにバッテリーの正極、負極、電解液、セパレーター、銅箔などの産業チェーン上流に位置するリチウムの主要材料供給企業及びプロジェクトを誘致する。(2022年2月7日付プレスリリースより)
藍暁科技 西安藍暁科技新材料股份有限公司[Sunresin New Materials Co.Ltd.,Xi'An](藍暁科技)と戦略的提携協定書を締結したと発表した。両者はリチウム資源産業チェーンにおける協力を進めるとともに、チベット結則茶卡塩湖のリチウム資源の開発利用に積極的に取り組む。藍暁科技は競争力のある価格で億緯鋰能及び、その指定会社にリチウム塩を長期的、優先的に供給する。(2022年1月11日付プレスリリースより)
格林美 格林美股份有限公司[GEM Co.,Ltd](格林美)と「1万トンの回収ニッケル循環供給の協定覚書」に調印したと発表した。格林美は回収したニッケル製品を億緯鋰能に供給し、億緯鋰能は廃棄したニッケルを含む動力電池及び電池廃材を格林美に供給し、「動力電池回収-電池原料再製造-電池材料再製造-動力電池再製造」の動力電池全ライフサイクルバリューチェーンとニッケル製品グローバルグリーンサプライチェーンを構築する。これにより動力電池のCO2排出削減目標達成を促進し、経済的・社会的利益のシナジー効果を創出する。格林美は億緯鋰能に2024年から毎年1万トン以上の回収ニッケル(硫酸ニッケル、三元系前駆体と三元系材料などのニッケル製品を含む)を供給する。提携期間は供給開始から10年とし、状況に応じて数量の増加や提携期間の延長ができる。今後の需要によっては、双方はグローバルで動力電池回収とニッケル資源回収の工場を建設することも検討する。(2021年8月10日付プレスリリースより)
深圳市徳方納米科技 深圳市徳方納米科技股份有限公司[Shenzhen Dynanonic Co., Ltd.](深圳ダイナノニック)との合弁による年産10万トンのリン酸鉄リチウム生産拠点の建設を曲靖経済技術開発区で開始したと発表した。この生産拠点により、億緯鋰能は安定した原材料の調達が可能になる。投資額は約20億元。生産開始後、年間生産額は42億元以上になると見込んでいる。(2021年4月1日付プレスリリースより)
深圳市徳方納米科技股份有限公司[Shenzhen Dynanonic Co., Ltd.](深圳ダイナノニック)と共同出資により合弁会社を設立すると発表した。合弁会社の登録資本金は1億元。億緯鋰能が40%、深圳ダイナノニックが60%の株式を保有する。合弁会社はリン酸鉄リチウムの生産に注力し、億緯鋰能及びその子会社に優先的に供給する。合弁会社は総額20億元を投じて10万トンの年産能力を整備する。(2021年3月24日付プレスリリースより)
StoreDot -StoreDotは1月19日、同社の第1世代となる5分間充電バッテリーのエンジニアリングサンプルが提供可能になったと発表した。電気自動車(EV)の航続距離と充電の不安を解消するという同社の使命における重要な節目となる。このサンプルにより小型バッテリーセルを介した「XFC」バッテリーの商業利用の可能性を初めて実証する。第1世代のエンジニアリングサンプルは、セル負極のグラファイトを半金属ナノ粒子で置き換えられることをEVのOEMとバッテリーメーカーに対して実証する。半金属ナノ粒子は安全性、バッテリーサイクル寿命、膨張という主要課題を克服する重要な革新技術である。StoreDotは、サンプルセルの最初の生産ロットを出荷し、潜在的なEV及び業界のパートナーに技術を紹介する。第1世代バッテリーは2輪EVをわずか5分で完全充電できることを初めて実証するのに使われた。サンプルセルはStoreDotの戦略的パートナーである中国のEVE Energyが生産した。StoreDot「XFC」バッテリーはEVE Energyの既存のリチウムイオン生産ラインで生産できるよう設計された。サンプルは輸送中のリチウムイオンバッテリーの安全性を保証するUN38.3規格に準拠している。

  

新工場

-傘下の曲靖市徳枋億緯有限公司[Qujing Dynanonic EVE Co., Ltd.](徳枋億緯)がリン酸鉄リチウム工場で試験生産を開始したと発表した。工場は、雲南省曲靖市の経済技術開発区に位置し、生産能力は年間11万トン。徳枋億緯は、億緯鋰能と深圳市徳方納米科技有限公司[Shenzhen Dynanonic Co., Ltd.]の合弁会社。出資比率は億緯鋰能40%、徳方納米60%となっている。(2022年5月10日付億緯鋰能プレスリリースより)

-広東省恵州市潼湖の新工場(第29工場)が稼働を開始したと発表した。総額21億元が投じられたこの工場は、敷地面積が13.5万平方メートル。主に12V及び48Vバッテリーシステムの研究開発、生産、販売を行う。また、億緯鋰能は同時にxHEV製品を発表した。同社のxHEV製品には、12VのLFP電池システム、48VのNCM高効率電池システム、400VのNCM高出力電池システムなどがある。(2022年4月29日付億緯鋰能の公式Wechatより)

  

中国国内投資

場所 金額 詳細

四川省 成都市

200億元

年産50GWhの生産ラインを建設
成都経済技術開発区管理委員会と戦略的提携を締結したと発表した。この提携に基づき、億緯鋰能は成都経済技術開発区に年産50GWh規模の駆動用バッテリー工場と研究施設を2段階に分けて建設する。第1段階では年産20GWhの生産ラインと研究施設の第1フェーズを建設し、第2段階では年産30GWh規模の生産ラインと研究施設の第2フェーズを建設する。プロジェクトの総投資額は200億元に上るという。(2022年4月28日付プレスリリースより)

湖北省 荊門市

126億元

角形リン酸鉄リチウムイオン電池(年産20GWh)・駆動用電池(年産48GWh)の生産ライン
子会社の湖北億緯動力有限公司[EVE Power Co., Ltd.]が湖北省荊門高新技術産業開発区管理委員会と契約を締結したと発表した。契約に基づき同社は、荊門高新区に20GWh規模の角形リン酸鉄リチウムイオン電池の生産ラインおよび付帯設備と、48GWh規模の駆動用バッテリー生産ラインおよび付帯設備を導入する。前者の角形リン酸鉄リチウムイオン電池プロジェクトでは、敷地面積約18万平方メートルの土地に、約38億元の設備投資を行い、20GWhの年間生産能力を整備する。後者の駆動用バッテリープロジェクトでは、敷地面積約48万平方メートルの土地に、約88億元の設備投資を行い、48GWh規模の年間生産能力を確保する。(2022年3月11日付プレスリリースより)

広東省 惠州市

6.99億元

「駆動電池R&Dセンター」を建設
子会社の惠州億緯動力電池有限公司[Huizhou EVE Power Battery Co., Ltd.](恵州億緯動力)が広東省恵州市の仲凱高新区に動力電池のR&D拠点を設立すると発表した。億緯鋰能は「動力電池R&Dセンター」を、恵州億緯動力は「電気化学蓄エネルギーと動力電池産業の基盤技術開発及びイノベーションサービスプラットフォーム」を設立する。「動力電池R&Dセンター」向けの総投資額は約6.9億元。各種サイズ、型番、オーダーメイド開発に対応する自動化試作ライン、電気性能と環境適応性能の測定、安全性テストを行う試験室、オフィスなどが備わる。敷地面積は約5.9万平方メートルで、延床面積は約13.4万平方メートル。「電気化学蓄エネルギーと動力電池産業の基盤技術開発及びイノベーションサービスプラットフォーム」の総投資額は約2.3億ドルで、同拠点のリース工場内に設立される。国内外から先進実験設備を導入し、高性能の検査設備や実験室モニタリングシステムを組み合わせ、オーダーメイド開発、自動化試作ライン、電気性能と環境適応性測定、安全テストなどの能力を備えたイノベーションサービスプラットフォームを構築する。(2022年1月13日付プレスリリースより)

湖北省 荊門市

62億元

乗用車用大径円筒型電池(年産20GWh)・角形リン酸鉄電池(年産16GWh)生産ライン
子会社の湖北億緯動力有限公司[EE Power Co., Ltd.](億緯動力)が湖北省荊門市ハイテク産業開発区に62億元を投資し、年産20GWhの乗用車用大型円筒電池生産ライン及び付属施設と年産16GWhの角形リン酸鉄リチウム電池生産ライン及び付属施設を建設する契約を荊門ハイテク産業開発区管理委員会と締結したと発表した。乗用車用大型円筒電池生産ライン及び付属施設の用地は約178,700平方メートル。固定資産への投資額は約32億元。角形リン酸鉄リチウム電池生産ライン及び付属施設の用地は約238,700平方メートル。固定資産への投資額は約30億元。(2021年11月6日付プレスリリースより)

湖北省 荊門市

-

駆動電池工場(年産30GWh)新設に向けて投資
荊門ハイテク産業開発区管理委員会と「戦略的投資協定書」に調印したと発表した。億緯鋰能及び子会社は荊門に年産30GWhの動力電池工場を建設する。具体的には15GWhの物流車用と家庭用リン酸鉄リチウム二次電池と15GWhの乗用車用三元系二次電池工場。具体的な事項については、荊門ハイテク産業区開発委員会と億緯鋰能或いは億緯鋰能の子会社が別途契約を結ぶという。(2021年8月5日付プレスリリースより)

湖北省 荊門市

24.5億元

電池工場新設に向けて投資
子会社の湖北億緯動力有限公司[EVE Power Co., Ltd.](億緯動力)が荊門ハイテク産業開発区にリチウム電池生産設備を導入する契約を荊門ハイテク産業開発区管理委員会と締結したと発表した。導入される設備は、年産3GWhの円筒型リン酸鉄リチウム電池生産ラインと補助施設、年産0.7GWhの円筒型三元系リチウム電池生産ラインと補助施設、年産3GWhの角形リン酸鉄リチウム電池生産ラインと補助施設、年産4GWhの角形三元系リチウム電池生産ラインと補助施設、年産1.5GWhの角形三元系リチウム電池生産ラインとプロセス試験所。このプロジェクトの設備投資総額は約24.5億元になるという。(2021年7月22日付プレスリリースより)

広東省 惠州市

39億元 乗用車用リチウムイオン駆動電池工場新設に向けて投資
傘下の恵州億緯動力電池有限公司[Huizhou EVE Power Battery Co., Ltd.](恵州億緯動力)が恵州市潼湖エコロジースマートゾーンに「乗用車用リチウムイオン動力電池工場(第2期)」を建設すると発表した。これにより、同社は動力電池の生産規模をさらに引き上げる。この第2期建設の投資額は、最大39億元となる見込み。生産品目は主に、角形リン酸鉄リチウム電池。工場敷地面積は約116,700平方メートル。(2021年3月11日付プレスリリースより)

广东省 惠州市

36億元 乗用車用リチウムイオン駆動電池工場新設に向けて投資
孫会社の恵州億緯動力電池有限公司[Huizhou EVE Power Battery Co., Ltd.] (億緯動力電池) が乗用車用リチウムイオン動力電池工場 (第1期) とxHEV電池システム工場 (第1期) を建設すると発表した。億緯動力電池は、億緯鋰能の完全子会社である億緯動力香港有限公司[EVE Power Hongkong Co., Ltd.]の完全子会社。乗用車用リチウムイオン動力電池工場 (第1期) では角形リン酸鉄リチウム電池セルとモジュールを生産する。投資額は最大10億元、敷地面積は約59,000平方メートル。xHEV電池システム工場 (第1期) では12Vと48Vの電池システムを生産する。投資額は最大26億元で、敷地面積は約125,000平方メートル。(2021年2月19日付プレスリリースより)

ハンガリー Debrecen

- 駆動用電池工場新設に向け土地を取得
ハンガリーのデブレツェン市の政府系企業であるDebreceni Ingatlanfejleszto Korlatolt Felelossegu Tarsasagと工場建設に関する意向書を締結したと発表した。両社は規定された条項や条件に基づき、同政府系企業からデブレツェン西北工業区に位置する45万平方メートルの土地を購入し、駆動用バッテリー製造工場を建設するという。(2022年3月29日付プレスリリースより)

 

子会社の設立/買収/増資

新会社 Golden Energy Global Investment Ltd. (Golden)、恵州市億緯新能源研究院(恵州研究院)、恵州徳昱一号企業管理服務合伙企業(徳昱一号)と合弁会社「恵州市億緯燃料電池有限公司」(億緯燃料電池)を設立したと発表した。億緯燃料電池の登録資本金は50百万元。億緯鋰能が9.5百万元を出資し、19%の株式を保有する。他社の出資金額と持株比率は、Goldenが17.5百万元(35%)、德昱一号が20百万元(40%)、恵州研究院が3百万元(6%)。この合弁会社は新エネルギー技術の研究開発、新材料技術の研究開発などを手掛ける。(2021年11月26日付プレスリリースより)
銅陵市華創新材料有限公司[Tongling Huachuang New Material Co., Ltd.](銅陵華創)と合弁会社設立の契約書を締結したと発表した。合弁会社の資本金は4.8億元。億緯鋰能は合弁会社の議決権30%を保有し、銅陵華創は70%を保有する。合弁会社はリチウム電池用銅箔を生産し、億緯鋰能及びその子会社に優先的に供給する。合弁会社は年産能力10万トンのリチウム電池用銅箔工場を建設するが、初期の年産能力は2万トンを計画している。(2021年9月3日付リリースより)
雲南恩捷新材料股份有限公司(恩捷股份)と荊門に合弁会社を設立することで合意し、合弁経営契約および補足契約を締結したと発表した。この合弁会社はリチウムイオン電池のセパレータとコーティング膜の生産をメインに行う。湿式基膜とコーティング膜の年産能力は16億平方メートル。製品は優先的に億緯鋰能および子会社に供給される。総投資額は52億元で、合弁会社の資本金は16億元となる。恩捷股份指定の出資者が8.8億元を出資し、55%の株主権を保有する。億緯鋰能は7.2億元を出資し、45%の株主権を保有する。(2021年8月2日付プレスリリースより)
買収 青海柴達木興華鋰塩有限公司[Qinghai Chaidamu Xinghua Lithium Salt Co., Ltd.](興華鋰塩)の株式35.2857%を取得し、合計49%の株式を保有することになったと発表した。今回の株式取得により、億緯鋰能は主要事業であるリチウム電池事業にさらに注力し、上流産業チェーンを開拓し、事業ポートフォリオの最適化を図る上で有利になるとしている。(2022年1月13日付プレスリリースより)
金昆侖鋰業有限公司(金昆侖)の株式28.125%を取得すると発表した。金昆侖は金属リチウムの生産を行う企業で、現在年産1,000トンの能力を保有、今後3,000トンまで引き上げる予定。また、両社は投資に関する協定書にも署名し、青海省に合弁会社を設立することで合意した。建設は段階的に行い、投資総額は最大18億元として年産3万トンの炭酸リチウムと水酸化リチウム工場を建設する。第1段階として年産1万トンの能力を整備する。合弁会社の登録資本金は1.8億元を予定し、億緯鋰能が80%、金昆侖が20%の株式を保有する。(2021年7月9日付プレスリリースより)
増資 雲南中科星城石墨有限公司[Yunnan Shinzoom Graphite Co., Ltd.]が同社の投資により、資本金が6億元から10億元へ増資。増資した会社は2021年に設立され、主な業務は黒鉛・炭素製品製造、電池製造となる。
完全子会社である億緯亜洲有限公司[EVE Asia Co., Ltd.](億緯亜洲)が貝特瑞(江蘇)新材料科技有限公司[BTR (Jiangsu) New Material Technology Co., Ltd.](BTR)、韓国のSK Innovation (SKI)と共同で、BTRの子会社である常州市貝特瑞新材料科技有限公司[Changzhou BTR New Material Technology Co., Ltd.](合弁会社) に出資すると発表した。出資後、合弁会社の登録資本金は現在の500万元から19億5,440万元に増額する。出資完了後の持株比率は、BTR51%、SK Innovation 25%、億緯亜洲 24%となる。合弁会社の事業領域は、LiB用ハイニッケル正極材、リサイクル材、前駆体及び三社が合意して取り決めたその他の製品の開発・製造など。なお、合弁会社はリチウム電池用ハイニッケル三元系正極材料の年産量最大5万トンを基準として工場を建設するという。(2021年5月17日付プレスリリースより)

  

研究開発体制

-同社の研究開発部門は、博士号を有するエンジニア約30名を中心に、材料や電気化学、構造設計、電子回路設計等の分野を専門とする600名近くの技術研究員で構成。

-研究開発センターの面積は5万平方メートル、総資産は3億元超。電気性能、安全測定、信頼性など一連の実験室を含む研究実験室を5つ有する。武漢大学、華南理工大学、華南師範大学など多くの大学や研究機関と提携。
 

研究開発センター

概要
リチウム電池技術センター 材料分析実験室、電気化学分析室、安全測定及びパイロット生産ラインなどを含む2つの大型実験室を保有し、リチウム電池全ライフサイクルのテスト、分析、測定を実施可能。2017年、リチウム電池研究開発への設備投資を継続し、14,000平方メートルのリチウム電池研究開発ビルを新築。固体カソードリチウム電池の開発に注力。
リチウムイオン電池技術センター リチウムイオン駆動電池、リチウムイオン蓄電池、民生用リチウムイオン電池及び新型材料とコア技術を重点的に開発。このほか、高安全性駆動/蓄電池モジュール及びシステムの統合技術開発に注力し、国内外の顧客に電源ソリューションを提供。
電源システム技術センター 自動車用駆動電池、通信用蓄電池、安全信頼性の3つの部門で構成。主に通信用蓄電池と自動車用駆動電池製品の設計、開発、検証を担う。
設立以来、国と広東省の重点技術研究プロジェクトに取り組む:
1)EVトラック用電源システムの重要技術の研究と産業化
2)レンジエクステンダーEVバス用デュアルエネルギー動力統合ユニット及びそのコントロールシステムの研究・商業化

 

研究開発費

(単位:百万元)
2021年12月期 2020年12月期 2019年12月期
研究開発費 1,379.21 723.1 476.8
対売上高比率(%) 8.16 8.9 7.4

-2021年12月現在、研究開発要員数は2,159、同社の総従業員数の14.56%を占めている。

 

特許

-2021年12月31日現在、国家特許申請数は3,420件。そのうち、1,838件の特許権を取得。(2021年アニュアルレポートより)

-欧州自動車工業協会の情報セキュリティ管理システム評価TISAX AL3の審査に合格したと発表した。TISAX (Trusted Information Security Assessment Exchange)はドイツ自動車工業会 (VDA) が ENX (European Network Exchange) と共同で策定した情報セキュリティ評価基準。(2021年5月24日付プレスリリースより)

-子会社の湖北億緯動力有限公司[EVE Power Co., Ltd.](億緯動力)がTUV NORD CERT GmbHからISO 26262: 2018 (Ed.2 up to ASIL D) プロセス認証を取得したと発表した。ISO 26262標準は自動車機能安全標準。この標準は、開発プロセスを通して製品の全ライフサイクルにおけるシステム化設計を実現し、合理的な措置で電子的、電気的障害によるシステム故障のリスクを妥当な水準で制御するための標準。ASIL (Automotive Safety Integration Level、自動車安全水準) はISO 26262標準で定義されたリスク分類システムで、A、B、C、Dの4つの等級がある。等級が高いほどシステム故障のリスクは下がり、開発プロセスはより厳格になる。億緯動力が合格したのは最高等級であるASIL D。(2021年6月18日付プレスリリースより)