Eaton Corporation plc 2019年12月期の動向

業績

 (単位:百万ドル)
  2019年12月期 2018年12月期 増減率
(%)
要因
全社
売上高 21,390 21,609 (1.0) 1)
営業利益 3,675 3,630 1.2 -
車両部門
売上高 3,038 3,489 (12.9) 2)
営業利益 460 611 (24.7) -
eモビリティ部門
売上高 321 320 0.3
営業利益 17 44 (61.4)

要因

1) 全社売上
-2019年12月期の全社売上高は、前年比1.0%減の21,390百万ドル。2019年12月期、為替の悪影響と市場の成長が特に下半期に予想を下回ったことにより影響を受けた。

2) 車両部門の売上高
-2019年12月期の車両部門の売上高は、前年比12.9%減の3,038百万ドル。減少の要因は世界のライトビークル市場が軟調に推移したこと及び、Cumminsとの合弁会社Eaton Cummins Automated Transmission Technologiesへの利益の移転による。

3) eモビリティ部門の売上高
-2019年12月期のeモビリティ部門の売上高は、前年比0.3%増の321百万ドル。オーガニックセールスの伸びを、為替の影響によって相殺したことにより2019年度の売上高は微増となった。為替の影響を受けない売上高は、主に欧州が寄与した。

 

事業提携

-次世代電動モビリティ技術開発分野でインドのKPITとの提携を発表した。両社は当初、インバーター、車載充電器、DC-DCコンバーター、配電モジュールなどの技術、ソフトウェア、プラットフォームの開発と展開に注力する。2018年3月、Eatonは電動化車両用のeモビリティ事業ユニットの設立を発表、インテリジェントパワーエレクトロニクス、電力システム、先進配電および回路保護の3つの主要分野に焦点を当てている。KPITのAUTomotive Open System ARchitecture(AUTOSAR)やV2Gなどの組み込みソフトウェア、アクセラレーター、スタックの専門知識を活用し、Eatonは技術の迅速な実装を目指す。(2019813日付プレスリリースより)

 

受注

「SuperTruck II」向け製品
-米国エネルギー(DOE)のプログラム「SuperTruck II」に参加するトラックメーカーに複数製品を供給すると発表した。「SuperTruck II」は、貨物効率を2009年と比較して100%以上改善し、エンジンブレーキの熱効率性能を55%向上することを目的としたDOE、トラックメーカーおよびサプライヤーによる100百万ドル規模のプロジェクト。Eatonは、可変バルブアクチュエーター、48V電気モーター駆動のTVS EGRポンプなどの燃費向上・排ガス削減技術や、早期排気ガス弁開、内部排気ガス再循環、油圧ラッシュアジャスタなど新しいエンジン減圧ブレーキおよびバルブトレイン技術を提供する。(2019318日付プレスリリースより)

電気自動車(EV)向け高性能トラクションインバーター
-eMobility事業部門がNidec Leroy-SomerPSAの合弁会社Nidec-PSA Emotors (Emotors)電気自動車(EV)プラットフォーム用の高性能トラクションインバーターのサプライヤーに選定されたと報じた。Emotors は、Eatonが供給するパワーインバーターをモーターと統合し、完成システムとして顧客に納品する予定。Eatonは、1リットルあたり35kwの電力密度と98%の運転効率を有する車両用インバーターを開発しており、このインバーターはあらゆる種類の電気自動車や、燃料電池車などの代替燃料車に適合するという。 (2019年4月14日付各種報道より)

10速自動ギアボックス
-VWトラック・バス(Volkswagen Trucks and Buses: VWCO)は9月26日、EatonがVWのトラック「Constellation」シリーズに10速自動ギアボックス「UltraShift Plus MHD」を供給すると発表した。搭載モデルは高強度の395mmクラッチを備える「Constellation 17.280」、「Constellation 24.280」、「Constellation 30.280」。新型10速自動ギアボックスはブラジル市場向けに開発されたもので、高速道路走行と貨物輸送の両方に適用できる。「Constellation」に搭載するための開発は、Eatonのブラジル研究開発センターとVWのエンジニアリングのパートナーシップにより共同で行われた。新型ギアボックスは、自動化によって優れたシフト速度とスムースさをもたらす。シフトシステムはトラックの傾斜、車両負荷、エンジントルクを考慮し、条件が許せば最大2つのギアをスキップできるという。(2019年9月26日付各種報道より)

 

事業計画

-今後5年間にわたって5億ドルを投じてインテリジェントパワーエレクトロニクス、パワーシステム、パワー分配、回路保護技術等のeモビリティ事業部門を強化すると発表した。eモビリティ部門は、同社の車両セグメント事業グループに属しており、電気事業と車両事業の製品および製造機能を結合して形成された。同社は15年超にわたりハイブリッドシステム開発に注力しており、米国、欧州、中国およびアジア太平洋地域に15,000ユニットを超えるハイブリッド車およびPHEV向けシステムを供給している。2018年、同社の電動化製品の売上は約3億ドルとなり、2030年までに2040億ドルに達する見込みだとしている。eモビリティ事業部門の本部は米ミシガン州Southfieldにあり、デザインセンターおよび生産拠点はアジア、欧州、米州に位置する。(2018626日付各種報道より)

 

研究開発費

 (単位:百万ドル)
  2019年12月期 2018年12月期 2017年12月期
合計 606 584 584

  

製品開発

-大電流対応のパワーインダクタシリーズに、自動車用のHCM1AV2を投入したと発表した。HCM1AV2は輸送市場向けに設計され、増加する電圧変換やフィルタリング機能への需要増に対応する。当該製品は、大電流容量、高出力密度、低コアロス、磁気シールドを特徴とし、エンジンルーム内の他機器へのEMI (電磁妨害) を低減する。HCM1AV2で使用される先進的な構造と高品質な素材は、自動車向け電子機器システムが高温、高湿度環境でも耐えられるように設計されている。(2019年8月14日向けプレスリリースより

 

設備投資額

 (単位:百万ドル)
  2019年12月期 2018年12月期 2017年12月期
全社 587 565 520
車両部門 127 143 141