Cooper-Standard Holdings Inc. 2019年12月期の動向

業績

 (単位:百万ドル)
  2019年12月期 2018年12月期 増減率 (%) 要因
売上高 3,108.4 3,624.0 (14.2) 1)
純利益  62.2 99.1 (37.2) -
地域別売上高
-北米 1,641.7 1,924.7 (14.7) 2)
-欧州 868.2 1,030.0 (15.7) 3)
-アジア太平洋 504.0 571.2 (11.8) 4)
-南米 94.5 98.1 (3.6) 5)

要因

1) 売上高
-2019年12月期の売上高は前年比14.2%減の3,108.4百万ドル。売上減は、販売減や製品構成の悪化、防振システム事業の売却、為替差損、GMでのストライキなどの複数の事象が要因となっている。これらの減収は当年度内に行われた買収により一部相殺された。

2) 北米売上高
-2019年12月期の北米売上高は、前年比14.7%減の1,641.7百万ドル。北米での売上減は、主に販売減と製品構成の悪化、防振システム事業の売却による。為替影響も僅かにマイナスに作用した。

3) 欧州売上高
-2019年12月期の欧州売上高は、前年比15.7%減の868.2百万ドル。欧州での売上減は、販売減や為替差損、防振システム事業の売却の複合的要素が要因となった。

4) アジア太平洋売上高
-2019年12月期のアジア太平洋の売上高は、前年比11.8%減の504百万ドル。同セグメントは、買収・売却で増収となった一方で、販売量の減少および為替差損によるマイナス影響で相殺された。

5) 南米売上高
-2019年12月期の南米売上高は、前年比3.6%減の94.5百万ドル。同セグメントは、販売量と製品構成の改善で増収になった一方、為替差損により相殺を受けた。
 

事業再編

-同社は、防振システム事業のContinental(コンチネンタル)への売却が完了したと発表した。防振システム事業の従業員数は約1,000名で、売却額は265.5百万ドル。(2019年4月1日付プレスリリースより)

-同社は、Cooper Standardの防振事業買収について関係当局から承認を得たと発表した。今回の事業買収は2018年11月1日に両社の間で合意しており、取引は2019年上半期に完了する見込み。従業員数約1,000名のCooper Standardの防振事業部門はカナダ、フランス、インド、米国の研究開発施設を含む5つの生産拠点を運営しており、騒音・振動・ハーシュネス(NVH)を軽減し、サスペンションの快適性とハンドリングを向上させる防振ソリューションを開発している。(2019年3月5日付プレスリリースより)

 

受注

-同社は、フォード「エクスプローラー (Explorer)」の2020年モデル向けにシーリングシステムおよびフルイドトランスファーシステムが採用されたと発表した。これには、同社のFortrex材料を使用したスタティックシーリングシステムや、eモーターとバッテリー冷却システムを備えたエンジン冷却ホースアセンブリーやトランスミッションオイル冷却ホースアセンブリーが含まれる。(2019年1月14日付プレスリリースより)

 

受賞

-同社はGMから「Supplier of the Year」を受賞したと発表した。同社が2年連続で受賞したこの賞は、製品購買、グローバル購買および製造サービス、カスタマーケア、アフターセールス、物流における基準に基づいて評価される。(2019年5月17日付プレスリリースより)

-同社は、フォードから「Smart Pillar World Excellence Award」を受賞したと発表した。同社のシーリング製品である「Fortrex」が評価され、受賞に至ったという。(2019年5月30日付プレスリリースより)

 

今後の動向

-同社は2020年12月期の売上高について、28.5億ドルから30.5億ドルを見込んでいる。

 

研究開発費

 (単位:百万ドル)
  2019年12月期 2018年12月期 2017年12月期
合計 114.9 122.5 128.0
売上対比 (%) 3.7 3.4 3.5

 

研究開発拠点

-2019年12月31日現在、世界に14の研究開発拠点を保有。

 

製品開発

新素材、加工、軽量化に関する最近の技術
-近年、同社は新素材や加工、軽量化に関連するいくつかの技術を開発した。優れたシール性能と美しい外観を両立しつつ軽量化も達成した素材「Fortrex」や、空力とNVHの改善、軽量化を実現したガラススタティック・シーリングシステムのフレーム用統合ソリューション「FlushSeal」、耐腐食性を改良し、耐久性を向上させたブレーキライン向け素材「MagAlloy」、耐久性を向上し、エンジンルーム内のホースアセンブリーの摩擦スリーブを取り換え不要にした冷却用ホース向け素材「ArmorHose」などが含まれる。

素材開発でのAI活用
-同社はポリマーの開発にAIを活用している。これにより素材の開発期間短縮を図りつつ、より優れた特徴を持つ新たなコンパウンドの発見も可能にしている。

 

設備投資額

 (単位:百万ドル)
  2019年12月期 2018年12月期 2017年12月期
北米 65.4 72.5 67.3
欧州 35.7 53.5 45.9
アジア太平洋 40.2 70.7 51.2
南米 7.3 5.7 4.9
消去他 15.9 15.7 17.5
合計 164.5 218.1 186.8

-2020年12月期で、同社は140百万ドルから150百万ドルの設備投資を予定している。
 

海外投資

<メキシコ>
-Mexico-Nowは、同社が15百万ドルを投じたメキシコ・アグアスカリエンテス州の第2工場を開設すると報じた。この工場はFINSA工業団地に位置し、100名の新規雇用を創出、またポリマーミックス技術の導入により自動車業界向けにシール・ゴムパッケージングを提供する。なお同州の第1工場は、約200種類の部品を生産し、1日約73,000点の部品生産をフォード、フォルクスワーゲン(VW)、日産、GM、FCA向けに行うなど、同社の世界124拠点中でも最大の規模を誇り、パフォーマンスもトップであるとされている。(2019年5月22日付Mexico-Nowより)

-Mexico-Nowは、同社が15百万ドルを投じて、メキシコのAguascalientesにある工場を拡張すると報じた。同工場では現在、燃料やブレーキラインとフルード用のホースを21カ国に向けて生産している。なお、ミシガン州を本拠地とする同社は、日産、フォード、FCA、GM、フォルクスワーゲンなどのOEMにシール材・ゴムパッキンを納入している米国の自動車業界のリードサプライヤーであるという。(2019年4月15日付Mexico-Nowより)