American Axle & Manufacturing Holdings, Inc. 2019年12月期の動向

業績

(単位:百万ドル)
  2019年
12月期
2018年
12月期
増減率
(%)
要因
売上高 6,530.9 7,270.4 (10.2) 1)
営業利益 (301.6) 106.4 N/A 2)
部門別売上
ドライブライン 4,449.7 4,911.4 (9.4) 3)
メタルフォーミング 1,453.5 1,617.7 (10.2) 4)
鋳造 627.7 741.3 (15.3) 5)

 

要因
1) 売上高
-2019年12月期の売上高は、前年比10.2%減の6,530.9百万ドル。減収の主な要因は、顧客側での内製化に伴うフルサイズトラック向け製品販売の減少、2019年下半期におけるGMストライキの影響(243百万ドル減)、客先新型車生産切替による稼働減、クロスオーバー車等の台数減、鉄鋼価格の増分が販価に転嫁された影響(142百万ドル減)、為替影響等。これらの損失は同社の新規プログラム立ち上げによる受注残消化により部分的に相殺された。

2) 営業利益
-前年は106.4百万ドルの営業利益を計上したが、2019年12月期は301.6百万ドルの営業損失となった。減益の主な要因は、売上高の減少、同社鋳造セグメントの売却に伴うのれん減損損失および売却損の計上、構造改革費用関連の販管費等。

3) ドライブライン
-2019年12月期の売上は、前年比9.4%減の4,449.7百万ドル。減収の主な要因は、フルサイズトラック向け製品販売の減少、GMストライキ、生産切替に伴う稼働減、クロスオーバー車の台数減、鉄鋼価格の増分が販価に転嫁された影響、為替影響等。同セグメントの減収は、新規生産プログラム立ち上げにより部分的に相殺された。

4) メタルフォーミング
-2019年12月期の売上は、前年比10.2%減の1,453.5百万ドル。減収の主な要因は、グローバル乗用車生産減およびドライブラインセグメントとの内部取引減、鉄鋼価格の増分が販価に転嫁された影響、為替影響等。

5) 鋳造
-2019年12月期の売上は、前年比15.3%減の627.7百万ドル。減収の主な要因は、乗用車、商用車、産業製品の生産減。また、2019年12月16日に同セグメントを売却したことで、業績にさらなるマイナス影響を及ぼした。また、GMストライキによる影響で、9百万ドル押し下げられた。

 

事業再編

-米国の鋳鉄会社GredeをGamut Capital Managementが運営するファンドに総額245百万米ドルで売却する最終合意を締結したと発表した。取引は2019年第4四半期に完了する予定。計10カ所に製造施設を保有するGredeは、自動車、商用車および産業市場向けにダクタイル鋳鉄、ねずみ鋳鉄、特殊鉄鋳物、機械加工部品を開発、製造、供給しており、2018年は781百万ドルの売上高を達成している。2015年設立のGamut Capital Managementは、ニューヨークに本拠を置く民間投資会社で、中間市場に焦点を合わせて12億ドルの資産を管理している。なお、同社はメキシコの鋳鉄会社El Carmenは引き続き保有する予定。(2019918日付プレスリリースより)

-米国の鋳鉄会社GredeGamut Capital Managementが運営するファンドへの売却が完了したと発表した。同社は2017年にMetaldyne Performance Group買収に伴いGredeを買収した。同社は売却により141.2百万ドルの現金と60百万ドルの繰延支払債務を受領した。(20191216日付プレスリリースより)

 

受注

-Ram「ヘビーデユーティ (Heavy Duty)」向けドライブラインシステム製品の生産拡張を発表した。同社2019年型「2500 ヘビーデユーティ」、「3500 ヘビーデユーティ」、「3500 シャシーキャブ」、「4500 シャシーキャブ」、「5500 シャシーキャブ」向けにフロントアクスル、リアアクスル、ドライブシャフトを供給している。同社の新型12インチリアアクスルと、9.25インチと10.5インチのフロントアクスルは、最大35,100ポンドの牽引能力と7,680ポンドの荷重を実現するよう設計されている。(2019125日付プレスリリースより)

-ジャガー初の量産電気自動車 (EV) 「I-PACE」にフロント・リアのeドライブユニットが採用されたと発表した。バッテリー電気自動車 (BEV) 用システム「e-AAM Hybrid and Electric Driveline」は、2つの電動ドライブユニットで全輪を駆動させ、最高出力400hp、最大トルク516ポンドフィートを発揮する。「I-PACE」向けe-AAMは、同社とジャガーとの共同で設計・開発・構築され、高出力かつ小寸法にしたことで車両重心を下げた。またジャガー開発の永久磁石モーターを使用し、同社の独立制御ドライブユニットが迅速なトルク伝達と全輪駆動を行うことで、最適な制御と安全性を実現した。当該ユニットはスウェーデンTrollhattanのテクニカルセンターで設計開発され、ポーランドのSwidnicaで製造される。(2019年8月8日付プレスリリースより

 

受賞

-2019年、同社は2018年「GM Supplier of the Year Award」を受賞。同社にとっては3年連続の受賞。

-2019年、同社は「Ford's World Excellence Award for Sustainability」を受賞。

-2019年、以下の各工場が、自動車メーカーから表彰を受けた。

  • GM Supplier Quality Excellenceを11拠点が受賞した。特に、中国常熟工場は5年連続で受賞。
  • FCA Outstanding Quality AwardをメキシコRamos拠点が受賞。2018年の取組みが評価されたことが受賞の理由。

-同社は、Jaguar「I-PACE AWD Crossover」に搭載されたe-AAMフロント/リアeDriveユニットが高く評価され、2020年「Automotive News PACE Award」の最終受賞候補に選出された。

 

2020年12月期の見通し

-同社は、2020年12月期の売上高を約58~60億ドルと予想している。

 

研究開発費

(単位:百万ドル)
  2019年12月期 2018年12月期 2017年12月期
合計 144.7 146.2 161.5

 

研究開発拠点

-2019年12月31日現在、16のエンジニアリング開発センターを保有。

  

設備投資額

(単位:百万ドル)
  2019年12月 2018年12月 2017年12月
全社 433.3 524.7 477.7

-同社は、2020年12月期の設備投資額が対売上高で約5.5%になると予想する。

 

海外投資

<スペイン>
-スペインBarcelonaの南西20kmに位置するViladecansの工業地帯に新工場を開設したと発表した。15,600平方メートルの新工場は、Gava2工場を統合し、フル稼働時には約300名の従業員を雇用する予定で、欧州のルノー、BMW、ダイムラー、ポルシェ、アウディ、フォードなどに製品を供給する。フォード、BMWMiba、PSA向けダンパーギア、アウディ、メルセデス・ベンツ、FCA向けPV接着ダンパー、ルノー向けアイソレーションプーリー、メルセデス・ベンツ、フォード、ポルシェ向けインモールド接着ダンパーなどの各種ダンパーを生産する予定。(20191017日付プレスリリースより)