United Automotive Electronic Systems Co., Ltd.[聯合汽車電子有限公司] 2021年12月期の動向

製品開発動向

新世代完成車コンピューティングプラットフォームVCP
-同社は、新世代完成車コンピューティングプラットフォームVCPをリリースした。VCPはGateway/BCM/VCUなどの機能を統合した強大な計算能力と豊富な外部インタフェースを持つ集中型アーキテクチャ。新世代VCP製品はワイヤーハーネスの重量を減らし、ワイヤーハーネスの複雑さを軽減することで、組立の簡素化と製造の自動化レベルの向上を実現する。同時にSoAのソフトウエアアーキテクチャがプラットフォームの拡張性、移植性を高め、相応の開発サイクルを短縮しコストを引き下げるという。(2021年8月14日付プレスリリースより)

新世代高性能バッテリーマネジメントシステムBMS8.3
-同社は、新世代高性能バッテリーマネジメントシステムBMS8.3を投入する。マスターコントローラーBMC8.3とスレーブコントローラーCMC8.3を構成するこのシステムは、電圧500V以下のEV/PHEV用バッテリーパックに適している。マスターコントローラーBMC8.3の機能には高電圧サンプリング、電流測定、高電圧リレーコントロール、AC/DC充電、熱暴走検査、絶縁検査、高電圧インターロック、FOTAなどが含まれる。スレーブコントローラーCMC8.3は64チャンネルのセル電圧サンプリングと24チャンネルのモジュール温度サンプリングに対応し、各チャンネルは100mAのセルバランス電流を維持する。(2021年3月19日付プレスリリースより)

11kW車載充配電ユニット
-同社は、11kWの車載充配電ユニットを独自開発した。この製品は車載充電器、高圧DC/DCコンバーター、高圧配電装置を統合した一体型設計を採用している。(2020年4月30日付プレスリリースより)

新世代電動アクスルプラットフォームEAU
-同社は、中国市場のニーズとトレンドを睨み、新世代電動アクスルプラットフォームEAUを開発した。プラットフォームベースで設計された電動アクスルには、EAU150とEAU100の2種類があり、最高出力はそれぞれ150kWと100kW、ピーク効率は93%を超える。電動パーキングブレーキ機能も装備し、三層の機能安全アーキテクチャを備える。機能安全等級は最高ASIL Dに達する。さらに複数の新しい機能設計も導入している。(2020年4月25日付プレスリリースより)
 

戦略的提携

-同社は、北京地平線機器人技術研発有限公司 (Horizon) と戦略的提携に合意した。両社は地平線の車載チップ「征程(Journey)」シリーズ、ソフトウェアアルゴリズム、ツールチェーンをベースとして、人工知能(AI)チップ、基本ソフトウェアアーキテクチャ、サービス指向アーキテクチャ(SOA)などの分野で提携を行うことで、顧客のカスタマイズニーズに対応し、クロスドメインを融合した業界トレンドに合わせた高性能、高信頼性、持続的にアップデート可能な車載コンピューティングプラットフォーム及びソリューションを共同で構築する。現在、両社は中国の大手自動車メーカーから地平線の「征程3 (Journey3)」チップをベースとした車載コンピューティングプラットフォームソリューションの受注を獲得している。(2022年2月14日付地平線の公式Wechatより)

-同社は、上海汽車集団股份有限公司零束軟件分公司 [SAIC Motor Corporation Limited Z-One Branch](上汽零束)と戦略的提携を締結したと発表した。両社は新世代のクロスドメインを融合した車載コンピューティングプラットフォームとドメインコントローラプラットフォームプログラムを開発し、零束銀河フルスタック3.0に適用する製品形態を共同開発し、中国のコネクテッドカーの発展に寄与する。スマートカー用フルスタックソリューションとして、零束銀河フルスタック3.0はキャビンとコックピットの一体化によるスマートドライブ、車載中央コンピューターとドメインコントロール、ネットワークセキュリティとデータセキュリティ、OTAとフルスタックデータファクトリー及びオープンで効率的なスマートカーエコロジーにフォーカスする。(2021年10月25日付プレスリリースより)

-半導体メーカーNexperiaは、同社と窒素ガリウムGaNパワー半導体の分野において包括的なパートナーシップを締結したと発表した。この提携は、GaN技術を使用した車載向けアプリケーションを共同開発することを目的としており、両社は電気自動車 (EV) 用動力システムの開発に注力する。聯合汽車電子はすでに、EV用車載充電器や高電圧DC/DCコンバーターなどの研究開発および共同開発プロジェクトでNexpeiaのGan FETを採用している。NexperiaのGaN技術は優れた特性値(RDS(on) x QGD) と逆回復電荷 (Qrr) の指標を持ち、高いスイッチング周波数と効率的な電力変換をサポートする。Nexperiaは信頼性の高い量産技術をベースにGaNを生産しており、AEC-Q101規格に適合した製品を製造するため主に同社のグローバル自社生産拠点で生産している。(2021年3月16日付プレスリリースより)
 

生産開始

電動アクスルEAU150
-同社、独自開発した電動アクスルEAU150を太倉工場でラインオフしたと発表した。独自開発の電動アクスルプラットフォーム第2弾製品となるもの。EAU150はEV用の電動アクスルで、最高出力は150kW、最大トルクは3,000Nm。EAUは聯合汽車電子が中国市場向けに独自開発した電動アクスルプラットフォーム。駆動用モーター、パワー電子コントローラ、減速機を統合した一体型設計を採用し、よりコンパクトな製品となった。プラットフォームの最大トルクは100-200kWをカバーし、システム効率は93%を超える。電動パーキングブレーキを装備し、三段階の安全機能を備え、機能安全等級は最高ASIL D に達するという。機能はメイン駆動からアシストまでカバーし、中国内外の多くの顧客や車種に対応する。(2021年8月6日付プレスリリースより)

Bluetoothデジタルキー
-同社、同社初のBluetoothデジタルキーを柳州工場で量産を開始したと発表した。この製品はBluetooth Low Energyを活用し、複数のBluetoothアンテナによりスマートフォンの車両との位置を計算するもの。これにより、ユーザーはスマートフォンでキーレスエントリーおよび車両の始動を行うことができる。この製品はさらに統合型セキュリティコアチップを提供し、機密情報の安全な保存とコンピューティングに用いることができる。このほか、デジタルキーを通して車両の解錠施錠、車両の始動、ウェルカムライトの起動、キーシェアリングなどの機能を実現する。システムアップグレードにより、この製品はNFC通信認証、ブルートゥースHADM、UWB (超広帯域) 位置情報などの機能にも対応する。(2021年1月16日付プレスリリースより)

6.6kW車載充配電ユニット
-同社、同社初の6.6kW車載充配電ユニット(CharCON)の量産を上海工場で開始したと発表した。この製品は同社が独自開発した車載電源製品で、双方向車載充電器(OBC: On-Board Charger)と大出力高圧直流コンバータ (DCDC) を統合したもの。車載充電器は6.6kW AC/DCおよび3.3kW DC/ACの双方向転換を実現し、高圧DCDCコンバータの出力は3kWに達する。(2021年1月8日付プレスリリースより)

独立式高圧DCコンバータCON3evo
-同社は、上海工場で独立式高圧DCコンバータCON3evoの生産を開始したと発表した。CON3evoはモジュール化設計を採用しており、1.8kWから3.6kWまでの出力に対応し、異なる車種のニーズに応えることが可能。CON3evoは同社が初めてiDMS (インテリジェントダイナミックシステム) ソリューションを採用し組立、量産する製品であるという。(2020年10月19日付けリリースより)

電動アクスル EAU100
-同社は、独自開発した電動アクスルEAU100を太倉工場でラインオフし、量産を開始した。EAU100の最高出力は105kW、最大トルクは2,200Nm。EAUは聯合汽車電子が中国市場向けに独自開発した電動アクスル。駆動用モーター、パワー電子コントローラ、減速機を統合した一体型設計を採用し、よりコンパクトな製品ソリューションを提供する。EAUはプラットフォーム化のデザインコンセプトを採用し、最大トルクは80-200kWをカバーする。電動パーキングブレーキを配し、三段階での安全機能を備え、機能安全等級は最高ASIL D に達する。同時に複数の新しい機能を導入している。(2020年10月14日付けWeChat公式アカウントより)

車載充配電ユニット
-同社は、初の11kW車載充配電ユニット(11kW CHARCON)の量産を開始したと発表した。この製品は11kW車載充電器(OBC)、2.5kW車載電源コンバータ(DCDC)、配電ボックス(PDU)の3つの機能デバイスを統合したもの。その中のOBCは11kWのAC/DC出力機能を有するほか、AC/DCとDC/ACの双方向を実現する。(2020年8月31日付プレスリリースより)

Boschパッケージング技術導入のパワーモジュール2種 (PM4、PM4evo)
-同社は、Boschのパッケージング技術を導入しPM4とPM4evoの2種のパワーモジュールを現地生産すると発表した。その最高出力は約200kWに達する。この2種類のパワーモジュールはすでにパワーエレクトロニクスコントローラーに採用されているという。(2020年7月18日付プレスリリースより)

 

受注

-同社は、VWの「ID.4」に高圧直流コンバータCON3evoを供給すると発表した。このコンバータの入力電圧は500Vに達し、順方向連続出力は3kW、逆方向出力は1.5kW、順方向最大連続電流は210A、最高効率は95%。車両動力電池のプリチャージ回路を不要にする。設計はフラット型を採用し、よりフレキシブルな車両レイアウトを可能にする。(2020年11月8日付プレスリリースより)

 

研究開発施設

-面積は80,845平方メートルの研究開発拠点及び1,834名の研究開発要員を保有。 主に、パワートレインのキャリブレーション、エンジン・トランスミッションコントローラー・ソフト/ハードウェアの開発、エンジンマネジメントとトランスミッションコントロールシステム部品の開発、ボディエレクトロニクス・ソフト/ハードウェアの開発、電動ドライブシステム電子コントロールデバイス及びモーターの開発を行う。

-上海市、重慶市、安徽省蕪湖市、蘇州市に技術センターを置き、完成車、エンジン、AT、電動ドライブシステムなどに関する先進の開発実験室を保有。エンジンマネジメントシステム、ATコントロールシステム、ボディエレクトロニクスコントロールシステム、電力ドライブコントロールシステム等の部品開発、エンジン/AT/ボディエレクトロニクス/電動ドライブコントロールシステム/ソフトウェア及びハードウェアの開発、パワートレインのキャリブレーションなどを行っている。

-同社は、中国国家発展改革委員会、科学技術部、財政部、税関総局、国家税務総局が連名で公布した第26回国家企業技術センターリストに掲載され、国家企業技術センターの資格を取得したと発表した。(2020年4月8日付プレスリリースより)

 

受賞

-同社2月5日、上汽集団が開催した迎春表彰式で、2020年度「業績優秀賞」受賞したと発表した。(2021年2月7日付けリリースより)

-同社は、上汽集団から複数の賞を受賞したと発表した。新世代ATコントローラープラットフォーム開発が「技術イノベーション2等賞」を、国6排ガス規制適合ガソリン直噴エンジンコントローラープラットフォームMED17.8.10.1開発が「技術イノベーション3等賞」を、電力電子コンバーター二次電源回路一体型銅棒が「発明特許1等賞」を、UAESU-chip L9788駆動ソフトウェアが「ソフトウェア賞3等賞」を受賞した。(2020年7月10日付プレスリリースより)

 

認証

ASPICE L2 認証
-同社が開発した独立型DCDCコンバータがASPICE (Automotive Software Process Improvement and Capacity Determination) L2 認証を取得したと発表した。この製品はコンバーターと高電圧配電ユニット (PDU) を統合したもの。コンバーターは最大2.5kWの出力に対応し、PDUはフレキシブルに車両に搭載できる。(2021年1月23日付プレスリリースより)

ISO27001情報セキュリティ管理体系認証
-国際的第三者認証機関DNV GLからISO27001情報セキュリティ管理体系認証を取得したと発表した。(2020年7月3日付プレスリリースより)