Zhongshan Broad-ocean Motor Co., Ltd. [中山大洋電機股份有限公司] 2016年12月期の動向

業績

(単位:百万元)
2016年12月期 2015年12月期 増減率(%) 要因
売上高 6,805.21 4,912.23 38.54 -生産・販売規模がさらに拡大。
-上海電駆動が連結子会社になったため、売上が増加。
営業利益 589.59 372.26 58.38 -
経常利益 651.99 434.43 50.08
純利益 548.47 372.11 47.39



新会社

-2017年7月、同社は中通客車控股股份有限公司[Zhongtong Bus Holding Co., Ltd.]、聊城経済技術開発区管理委員会[The Management Committee of Liaocheng Economic Development Zone]と合弁会社「通洋燃料電池科技(山東)有限公司[Tongyang Fuel Cell Technology (Shandong) Co., Ltd.]」(仮称)設立の契約書に調印。合弁会社は聊城経済技術開発区に建設する。登録資本金は5億元。同社はその88%の4.4億元を、中通客車は10%の50百万元を、聊城経済技術開発区管理委員会指定の投資会社が2%の10百万元を出資する。合弁会社は水素燃料電池システム及び水素燃料パワートレインの生産と開発、新エネルギー車運営プラットフォームを手掛ける。完成後の生産高は総額100億元に達する見込み。建設は2期に分けて行い、第1期の投資額は10億元になる。(2017年7月27日付け会社公告より)

-2016年8月、同社は武漢臨空港経済技術開発区[Wuhan Linkonggang Economic and Technological Development Zone]管理委員会と「武漢臨空港新エネルギー車産業パーク投資協定書」を結んだ。それによると、同社は同開発区に子会社を設立し、新エネルギー車関連産業の拠点を建設するとしている。拠点では水素エネルギー技術の事業化、新エネルギー車運用プラットフォーム構築、新エネルギー車パワートレイン生産、サーボモーター研究開発と生産などのプロジェクトを進めるほか、武漢新エネルギー車及びパワートレイン応用研究院を建設する。総投資額は38億元を見込む。(2016年8月19日付け会社公告より)

カナダ燃料電池サプライヤーBallardを買収

-2016年7月、同社は、子会社大洋電機(香港)有限公司 [Broad-ocean Motor (Hong Kong)]が2016年7月26日(カナダバンクーバー時間)、Ballard Power Systems Inc.と株式買収の契約を結んだと発表。大洋電機は28.3百万米ドルでBallard Powerの増資を引き受け、株式を全体の9.9%取得し、その筆頭株主になるとしている。Ballard Powerは1979年創立のカナダの企業。1983年から燃料電池の開発を手掛けており、現在PEM燃料電池(燃料電池セル、モジュール、システムを含む)の設計、開発、製造に注力している。(2016年7月28日付け会社公告より)

-2016年9月、同社はカナダBallard Power Systems,Inc. 及び上海重塑能源科技有限公司[Shanghai Zhongsu Energy Technology Co., Ltd.]と「Ballard商用車用燃料電池モジュール技術譲渡に関する覚書」を結んだ。Ballard Power Systemsの最大株主であり、提携パートナーである同社はBallardから大型バス、商用車用燃料電池モジュールの生産、組み立て、販売、サービスに関する技術を譲受する。同社は燃料電池モジュール生産の合弁会社を設立し、武漢、北京、山東省、重慶(或いは四川省)で事業を展開する。上海重塑は合弁会社に燃料電池モジュールの商用車搭載に関する設計とサービスを提供する。(2016年9月2日付け会社公告より)

-2017年2月、同社はカナダの水素燃料電池技術サプライヤーBallard Power Systems, Inc.と燃料電池モジュール技術ライセンス契約の枠組み合意書を結んだ。同社は直接或いは子会社を設立して、中山(Zhongshan)にライセンス供与された電池モジュールの組立ラインを建設し、ライセンスを受けた地域内で業務を展開する。Ballard Power Systemsは同社及び同社の子会社に対して、組立ラインが生産能力に達するよう技術面でサポートするとともに、同社が商用車用電池モジュールの組立、販売、サービスにおいてBallardのすべての知的財産権を使用することを許可する。(2017年2月17日付け会社公告より)

受賞

-2016年、PrestoliteはCaterpillarによりプラチナ級優秀サプライヤー、Cumminsによりグローバル戦略提携サプライヤーなどの称号を得た。

-2016年、Generatorは奇瑞汽車、江淮汽車から、A級サプライヤー称号を得た。

2017年12月期の見込み

-2017年は、81.70億元の売上と6.51億元の純利益を見込む。

-2024年までに、年間180億元の売上高を目指す。180億元のうち、家庭電器、自動車モーター・スターター・ジェネレーター、新エネルギー車用パワートレインシステムは、60億元をそれぞれに占める。

研究開発施設

-同社は中山、北京、米国、蕪湖、上海、武漢、深セン等で研究開発チームを打ち立てて、新エネルギー車パワートレインシステム技術、高効率インテリジェントモーター、自動車モーター・スターター・ジェネレーターなどの研究開発を行う。

-子会社の北京佩特来は、北京市企業技術センターとして認定された。

-子会社の上海電駆動は、国家EV電気駆動システム全産業チェーン技術イノベーション戦略連盟理事長企業であり、上海自動車電気駆動工程研究センターの委託企業でもある。中国科学技術部863EVの30の重大専門プロジェクトに参加し、国家基準と業界基準の十数回の訂正にも参加した。

-同社はEV国家工程実験室大洋電機電気駆動実験室及び国家地方連合工程実験室との2つの国家レベルの実験室を保有。2016年12月31日現在、「国家たいまつ計画重点ハイテク技術企業」、「広東省レベル企業技術センター」などの称号を得た。

研究開発費用

(単位:百万元)
2016年12月期 2015年12月期 2014年12月期
研究開発費用 288.40 239.76 215.70
研究開発費用の売上高に占める割合(%) 4.24 4.88 4.85



特許

-2016年12月31日現在、1,173件の有効特許を保有。そのうち発明特許は262件。

研究開発連携

-2009年10月、同社は北汽福田汽車股份有限公司、北京理工大学、北京交通大学と協議書に調印し、新エネルギー車ドライブとコントロールシステムの分野において共同で研究開発を行う

投資プロジェクト

(単位:百万元)
プロジェクト 2016年12月期投資額
子会社「上海電駆動」の新エネルギー車モーターシステム生産施設の建設 169.13
子会社「上海電駆動」の閔行工場第2期建設 12.17
EV用ローターの組み立てライン 2.66
500kWドライブシステムの試験施設 0.16
武湖産業パーク第1期建設 20.91
米国科学技術実験ビルの建設 0.56