Faurecia (China)[佛吉亜(中国)] 2017年12月期の動向

業績

-2017年のFaureciaグループの売上高は169.6億ユーロ。営業利益は前年比20.6%増の11.7億ユーロとなり、利益率は6.9%であった。2017年下半期の営業利益の増加率は21.6%で、利益率は7.0%となった。

-Faureciaグループの2015‐2017年の3年間の分割納入契約受注額は620億ユーロ。2014-2016年に比べ90億ユーロ増加した。

-2017年のFaurecia中国の売上高は22.51億ユーロ(2016年は19.52億ユーロ)となった。対中国OEM売上高は3.55億ユーロで中国の売上高の16%を占めた。(2016年は2.18億ユーロ、11%) 中国の売上高はアジア地区全体の77%、Faureciaグループ全体の13%を占めた。中国OEMとSUVが好調なことから中国地区の業績が際立つ結果となった。

最近の動向

-2017年4月、Faurecia は2017上海モーターショーで「Sustainable Mobility」と「Smart Life on Board」をキーワードとしたソリューションを発表した。(2017年4月20日付けプレスリリースより)

新会社

-2017年11月、五菱汽車傘下の柳州五菱汽車工業[Liuzhou Wuling Automobile Industry Co., Ltd.]と合弁会社「佛吉亜柳州汽車内飾系統有限公司[Faurecia Liuzhou Automotive Interior Co., Ltd.]」を設立したと発表。新会社は3工場を置き、インストルメントパネル、センターコンソール、ドアパネル、防音製品等の内装部品を上汽通用五菱汽車 (SGMW)およびその他自動車メーカー向けに開発、生産する。2022年までに3工場で年間13億元の売り上げを目指す。(2017年11月30日付プレスリリースより)

-2017年11月、江西好帮手電子科技有限公司[Jiangxi Coagent Electronics Co., Ltd.]の株式取得の手続きを完了し、社名を「佛吉亜好帮手電子科技有限公司[Faurecia Coagent Electronics S&T Co., Ltd.]」としたと発表。新会社は新型車載インフォテインメントシステムソリューションの開発に注力する。また仏Parrot Automotiveと共に商業化、産業化戦略を推し進め、2018年中に700名余りのソフトウェアエンジニア部隊を編成し、技術ソリューションを共同開発する計画である。(2017年11月6日付けプレスリリースより)

-2017年10月、比亜迪(BYD)と合弁会社「深圳佛吉亜汽車部件有限公司[Shenzhen Faurecia Automotive Parts Co., Ltd.]」を設立すると発表。出資比率はFaurecia70%、BYD30%。合弁会社はBYD傘下のOEMブランドに高級シートソリューションを提供する。今回の戦略的提携はBYDの深圳、西安、長沙のシートプログラムを統合するもの。2020年までに合弁会社の売上高は24億元に達する見込み。FaureciaはBYDとの提携を通じ、新エネルギー車市場に参入したい考え。中国OEMとのビジネス規模から見て、2020年にはFaureciaの中国での売上は全体の40%に達すると予測している。(2017年10月31日付けプレスリリースより)

-2017年7月、東風汽車零部件(集団)有限公司と合弁会社を設立し、共同でクリーンモビリティ業務の開拓にあたると発表。合弁会社はこれまで両社が協力してきた自動車内装部品業務をさらに広げようというもの。東風傘下の乗用車、商用車ブランドに先進的なクリーンモビリティシステムソリューションを提供する。合弁会社は湖北省襄陽市に建設し、2018年の生産開始を目指す。2021年には売上高12億元を実現する計画。(2017年7月5日付けプレスリリースより)

-2017年7月、柳州五菱汽車工業有限公司[Liuzhou Wuling Automobile Industry Co., Ltd.]と合弁会社「佛吉亜柳州汽車座椅有限公司[Faurecia Liuzhou Automotive Seating Co., Ltd.]」を設立したと発表。合弁会社の資本金は1.5億元。双方が75百万元を出資し、各々50%の株式を保有する。合弁会社は自動車シートと関連部品の開発、生産、販売を行う。主な供給先は上汽GM五菱。既存の3工場と間もなく建設される1工場で生産を行う。2022年には売上高は18億元に達すると見込んでいる。(2017年7月3日付けプレスリリースより)

事業提携

-2018年6月、中国一汽(FAW)と戦略提携枠組み合意書を結んだと発表。 両社は自動車シートの分野で事業提携する。具体的には予測機能を備えたインタラクティブな多機能シートソリューションの共同開発を行うほか、電池パック、燃料電池、軽量化複合材料などの技術により乗用車と商用車にゼロエミッションソリューションやグリーン環境ソリューションを提供するとしている。

-2017年9月、Faureciaシート事業部は、Lectraとの提携契約を更新した。Faureciaシート事業部は先進技術を採用し、現在の生産量を倍増することを目標に掲げている。Faureciaは今回Lectraとの提携を継続し、シート、シートフレーム、構造部品、シートカバーの生産でインダストリー4.0の実施を目指している。LectraのVectorシート生地カッティングソリューションは現在市場で最も性能の高い裁断システムと言われており、その標準化は事業部全体の裁断設備の改善につながるとしている。Faureciaは世界の工場で60以上のVectorシート生地カッティングソリューションを活用している。(2017年9月28日付け各種リリースより)

受賞

-武漢佛吉亜通達排気系統有限公司[Wuhan Faurecia Tongda Exhaust System Co., Ltd.]は、神龍汽車有限公司[Dongfeng-Peugeot-Citroen Automobile Co., Ltd.]からサプライヤーの最高賞である特別貢献賞を受賞したと発表した。同社のほか東風彼欧汽車外飾系統有限公司[Dongfeng Plastic Omnium Automotive Exterior Systems Co., Ltd.]、上海納鉄福伝動系統銷售有限公司[Shanghai GKN Drive Line Sale Company Co., Ltd.]などが同賞を受賞した。武漢佛吉亜通達は、Faureciaと万向通達股份有限公司[Wanxiang Tongda Co., Ltd.]の折半出資による合弁会社。(2018年1月29日付けプレスリリースより)

研究開発施設

所在地 設立年 名称 主要開発分野
上海市 2005年 佛吉亜技術中心
[Faurecia R&D center]
本部及びテクニカルセンター
吉林省
長春市
2012年 長春佛吉亜旭陽汽車零部件技術研発中心
[Changchun Faurecia Xuyang Automotive Components Technology R&D Center]
シート及び内装部品の設計、開発
江蘇省
無錫市
2004年 佛吉亜(無錫)座椅部件有限公司
[Faurecia (Wuxi) Seating Components Co., Ltd.]
シートの研究開発と生産
上海市 2011年

緑動智行系統中国研発中心
[Faurecia Clean Mobility R&D center]

旧:排放控制技術系統研発中心
[Faurecia Emission Control Technology R&D center]

乗用車、商用車用排気コントロールシステムの研究開発