Ningbo Joyson Electronic Corporation[寧波均勝電子股份有限公司] 2018年12月期の動向

業績

(単位:百万元)
2018年12月期 2017年12月期 増減率(%) 要因
売上高 56,180.93 26,605.60 111.16 -タカタの資産を買収、企業再編による増収が増益につながった。
営業利益 855.60 1,047.56 (18.32)
経常利益 2,760.83 996.20 177.14
純利益 2,126.74 742.63 186.38

 

最新動向

-子会社寧波均勝汽車電子股份有限公司[Ningbo Joyson Automotive Electronics Co., Ltd.]の社名を「寧波均勝群英汽車系統股份有限公司[Ningbo Joyson Quin Automotive System Co., Ltd.](均勝群英)に変更。Quin GmbHは2014年に均勝電子が買収したドイツのハイエンド自動車内装部品グローバルサプライヤー。本社を独シュトゥットガルト(Stuttgart)に置き、中国、ルーマニア、メキシコ、ポーランドなどに生産拠点を持っている。(2019年5月22日付けリリースより)

 

受注

-2018年8月8日、同社は買収したタカタの資産とKSSを均勝安全系統公司[Joyson Safety Systems]に統合する、統合は現在順調に進んでいると発表。タカタ買収後、均勝安全系統はVW、BMW、Ford、日産など世界のカーメーカーから受注を獲得、新たな受注額は約50億米ドルに達している。(2018年8月8日付け会社公告より)

 

買収

-2018年1月10日、同社は全額出資子会社寧波均勝汽車電子股份有限公司[Ningbo Joyson Automotive Electronics Co., Ltd.]が独QUIN GmbHの株式25%を31.81百万ユーロで取得し、持ち株比率を75%から100%に引き上げたと発表した。寧波均勝電子は2015年にQUIN GmbHの株式75%を買収して以降、QUIN GmbHの既存の研究開発センターと工場に改造を加えたほか、メキシコに新工場を建設した。QUIN GmbHを買収したことで、寧波均勝電子はプロダクトラインが豊富になり、HMI、コネクテッドカー、ADASなどの製品形成が進み、カーメーカー向けスマート運転システムの供給が可能になるとしている。(2018年1月10日付け会社公告より)

 

株式譲渡

-子会社均勝安全控股[Joyson Auto Safety Holdings S.A.]は2018年上半期、戦略投資会社国投創新が管理する先進基金とPAGからの投資を獲得。その結果寧波均勝電子の持株比率は69.22%に減少、先進基金とPAGは合わせて5.5億米ドルを投資し30.78%の株式を取得した。均勝安全控股は寧波均勝電子の完全子会社から子会社となった。(2018年アニュアルレポートより)

 

新会社

-2018年10月25日、同社は10百万米ドルを出資し米クパチーノ (カリフォルニア州)にJoyson Electronic USA LLCを設立し、自動運転、インテリジェントドライブ、新エネルギー車分野の世界先進技術を開発すると発表。(2018年アニュアルレポートより)

 

事業提携

-2018年5月4日、同社は子会社寧波均勝普瑞智能車聯有限公司[Ningbo Joyson Preh Intelligent Car Networking Co., Ltd.]と大唐電信集団(Datang Group)傘下の辰芯科技有限公司[Morningcore Technology Co.,Ltd.]が戦略提携合意書を結んだと発表。両社は自動車インテリジェントネットワーク技術を共同開発し、新世代TBOXとV2X(Vehicle-to-Everything)自動車用エレクトロニクス製品を作り出し、現有の車載エンタテイメントシステム(IVI)の強化を図る。両社はコネクテッドカー研究開発と産業化プラットフォームの構築を通して、新型自動車用チップと端末製品を共同開発し、車載ナビ北斗(Beidou)、天通(Tiantong)衛星通信システム、無線充電など新分野での提携を模索する計画。(2018年5月8日付けプレスリリースより)

-子会社寧波均勝普瑞智能車聯有限公司[Ningbo Joyson Preh Intelligent Car Networking Co.,Ltd.](以下、均勝普瑞智能車聯)は9月14日、斑馬網絡技術有限公司[Banma Network Technology Co., Ltd.](以下、斑馬網絡)と、戦略的提携合意書に調印した。両社は自動車インフォテインメント、運転体験などの分野の製品を重点的にバージョンアップし、インテリジェント車載システムの全体ソリューションの開発で提携する。合意書によると、均勝普瑞智能車聯は、同社のICプラットフォームによるソフト・ハードウェアシステムをベースに、自社の自動車エレクトロニクスシステムインテグレーション技術と豊富な経験を活かしていく。斑馬網絡はAliOSをベースに、アリババクラウドデータ計算能力と強大なアリババビジネスファミリーを結び付け、ユーザーにより豊富で、より優れたワンストップサービスを提供する。斑馬網絡は上汽集団とアリババが2015年に設立したコンピューターネットワーク技術、通信技術、電子技術の開発を手掛けるIT企業で、傘下にスマートモビリティ「斑馬智行」を持つ。(2018年9月17日付けリリースより)

-2018年11月6日、デュポン(E. I. du Pont de Nemours and Company)は、中国第1回国際輸入博覧会でAHEAD(Accelerting Hybrid-Electric Autonomous Driving)を初めて発表した。AHEADはEV、HVなどの新型自動車に焦点を当て、イノベーション製品と技術を融合し、自動車の電化、自動運転、IoVの発展を後押しするためのプログラムである。デュポンは博覧会の期間中、蔚来汽車(NIO)と技術提携で合意したほか、均勝電子[Ningbo Joyson Electronic Corporation]及び石頭科技(Roborock)とAHEADの中国での推進に共同で当たることで合意し、戦略的提携合意書を結んだ。(2018年11月6日付け複数メディア報道より)

 

受賞

-2018年2月26日、同社は傘下の寧波普瑞均勝汽車電子有限公司[Ningbo Preh Joyson Automotive Electronics Co., Ltd.]が上汽VW2017年度エクセレントクオリティパフォーマンス賞と上汽GMリーディングクオリティ賞を受賞したと発表。寧波普瑞は2011年に上汽VWの、2013年に上汽GMのサプライヤー体系に参入した。(2018年2月27日付けプレスリリースより)

 

特許

-2018年末現在、世界で5,000件余りの特許を取得。関連エンジニア数は5,000名余り。

研究開発費用

(単位:百万元)
2018年12月期 2017年12月期 2016年12月期
研究開発費用 3,899.54 1,980.14 1,159.63
売上高に占める割合(%) 6.94 7.44 6.25



研究開発施設

-均勝電子:寧波、上海、長春に製品開発センターを保有。国内外の納入先と並行して開発を行なえる体制を整備。研究開発の分野は以下の通り:

  • 製品の早期モデル化
  • 製品の設計・開発
  • 金型の設計・開発
  • 治工具設備の設計・開発
  • 工程技術開発
  • ハード・ソフトウェアの開発
  • 電子情報の開発

-Joyson Safety Systems:米ミシガン州、中国蘇州、韓国ソウルにR&Dセンターを保有。それぞれ室内、フロントエンド、サラウンドビューという分野の製品を開発。このほか、KSSのアクティブ・セイフティとPrehのコネクテッド技術について中国の開発センターを拡張中。

-Preh:ドイツ、米国、ルーマニア、中国には研究開発機能を持っている。2017年4月、バート・ノイシュタットでは、新しいR&Dセンターが稼動。同センターでは、製品設計や、構造設計、ハード・ソフトウィエアの開発とテスト、センシング技術、産業エンジニアリング、金型、ツーリング技術などの従来業務の他に、現在、主にドライバーインテリジェントドライブコントロールシステムと新エネルギー車パワーマネジメントシステムの研究開発を行う。

-QUIN:昨年独Prehの新研究開発センターの運用を開始したのに続き、2018年3月、新たにグローバル研究開発センターを独Stuttgartに開設。この研究開発センターの投資額は10百万ユーロ。敷地面積は4,400平方メートル。完成までに27カ月を費やした。自動車機能部品と自動車用エレクトロニクス製品の研究開発に注力するとともに、均勝電子の全額出資子会社独QUIN GmbHの発展を牽引する。QUIN GmbHは自動車機能部品のグローバルサプライヤー。均勝電子に買収されて3年で売上は倍増し、2018年の売上高は2桁成長が見込まれている。(2018年3月9日付けプレスリリースより)

-均勝電子:2018年2月7日、敷地面積154,667平方メートルの「新工業城」の運用を開始。「新工業城」は同社のインテリジェントドライブと新エネルギー車産業を集約した生産拠点であり、工業情報化部が指定した「知能化製造モデル工場」と「工業インターネット応用モデル工場」でもある。「新工業城」には新エネルギー車動力管理システムの研究開発および生産センター、インテリジェントドライブ製品の生産工場、コネクティビティや安全システムなどを含む研究開発センター、生産拠点、管理部が建設されている。主な製品は、HMI製品とEV電池管理システム(BMS)などで、BMW、ベンツ、VW、フォード、GMなどの大型車に広く使用されている。 (2018年2月9日付けプレスリリースより)
 

設備投資

(単位:百万元)
2018年投資額
金型 36.76
機械設備 1,576.85
改築など 56.49
均勝新拠点のインフラ建設 104.60