HUAYU Automotive Systems Company Limited[華域汽車系統股份有限公司] 2017年12月期の動向

業績

(単位:百万元)
2017年12月期 2016年12月期 増減率 (%) 要因
売上高 140,487.25 124,295.81 13.76 -主要製品の販売が増加。
営業利益 10,305.08 9,413.63 9.47 -
経常利益 10,492.28 9,860.78 6.40
純利益 9,130.86 8,582.33 6.39



買収

-2018年3月29日、同社は上海小糸車灯有限公司の残りの株式50%を取得し、完全子会社化するとともに、社名を華域視覚科技(上海)有限公司[Huayu Vision Technology (Shanghai) Co., Ltd.]に変更したと発表。華域視覚科技は2018年3月1日より華域汽車の連結対象となり、現有の自動車ランプ製品から自動車ランプ情報システムと視覚検知システムへ業務を拡大する計画。(2018年3月29日付け会社公告より)

-2017年9月29日、同社は小糸製作所、豊田通商が保有する上海小糸車灯有限公司の株式合わせて50%を17.16億元で買収すると発表。買収前の上海小糸車灯の資本構成は華域汽車50%、小糸製作所45%、豊田通商5%であったが、買収後は華域汽車が100%保有し、上海小糸車灯は華域汽車の完全子会社となる。(2017年1月3日付け会社公告より)

-子会社「華域汽車系統 (上海) 有限公司が 「湖北航鵬化学動力科技有限責任公司[Hubei Hangpeng Chemical Power Technology Co. Ltd.] に資本参加し、増資することで、湖北航鵬の株式30%を取得。(2017年1月3日付け会社公告より)

戦略的提携

-2018年4月2日、同社と上海宝山区政府は、共同で新エネルギー車産業を宝山区で集中的に発展させることで合意し、戦略提携の覚書に調印。年内に宝山工業パークで華域Magna Eドライブシステム工場建設と華域駆動モーター工場建設の2つのプロジェクトを前倒しで始動させる予定。(2018年4月4日付け各種リリースより)

-同社は、2017年5月5日、インテリジェントマニュファクチュアリング戦略契約調印式を開催した。華域汽車は、通信機器メーカーHuaweiとはHITプラットフォームインフラと周辺機器のセットアップについて、ビジネスソフトウェアのSAPとはERP及びWMS(倉庫管理システム)について、シーメンスとはPLM (製品ライフサイクル管理)について、GEとはMOM (製造オペレーション管理)について、SeeburgerとはEDI (電子データ交換)について、それぞれ提携関係を深め、共同でHITプラットフォームの構築を進める。(2017年5月8日付けプレスリリースより)

新会社

-2017年11月24日、子会社延鋒海納川汽車飾件系統滄州有限公司は滄州経済開発区で操業を開始した。同社は延鋒海納川汽車飾件系統有限公司の7番目の工場。敷地面積は106,666平方メートル。総投資額は7.5億元。主に北京現代滄州工場のSUV、北京ベンツ、天津一汽などのカーメーカーに内装部品を供給する。フル稼働後は年産高25億元、年間納税額2億元を見込む。(2017年11月25日付け各種リリースより)

-2017年10月19日、同社は子会社麦格納(太倉)汽車科技有限公司と合弁会社「華域麦格納電動駆動系統有限公司を設立すると発表。合弁会社の登録資本金は2億元とし、華域汽車が50.1%を、Magna太倉が49.9%を出資する。新エネルギー車のeドライブシステムの設計、開発、製造、組立、販売を行う。合弁会社設立後、華域汽車が支配株主となる。合弁会社はVWが電動車用に開発したMEBプラットフォーム(Modular Electric Platform)にeドライブシステムを供給することが決まっており、2020年には生産を開始する予定。また同社の子会社華域汽車電動系統有限公司は合弁会社が生産するそのMEBプラットフォーム向けeドライブシステムに駆動モーター部品を供給することになっている。(2017年10月19日付け会社公告及び2018年3月16日付けリリースより)

生産開始

-独Continental と折半出資して設立した合弁会社「華域大陸汽車制動系統(重慶)有限公司 [Huayu Continental Brake Systems (Chongqing) Co., Ltd.]」は、2017年5月18日、正式に稼働を開始した。 合弁会社の所在地は重慶市両江新区魚復工業区 (Chongqing Liang Jiang New Area Yufu Industrial Zone)。敷地面積は8万平方メートル超。投資額は600百万元超。ブレーキキャリパー、バキュームブースター、電動パーキングブレーキ等の自動車ブレーキ部品を生産する。(2017年5月18日付け各種リリースより)

-2017年1月、子会社延鋒汽車内飾系統有限公司はテネシー州Chattanoogaの新工場を正式にオープンした。同地域にあるVWの工場に供給する。新工場への投資額は55百万ドル。延鋒のChattanooga新工場は、2016年12月に量産を開始したVW 「Atlas」 向けに、フロアコンソール、インストルパネル、トランクトリムなどの内装部品を生産する。 (2017年1月19日付けリリースより)

研究開発費

(単位:百万元)
2017年12月期 2016年12月期 2015年12月期
研究開発費 2,533.66 2,445.35 1,539.73
売上高に占める割合 (%) 1.80 1.97 1.69

研究開発体制

-2017年末現在、同社は中国に306の研究、製造とサービス処点を有し、米国、ドイツ、タイ、ロシア、オーストラリア、チェコ、スロバキア、インド、メキシコ、カナダ、日本、スペイン、南アフリカ、イタリア、ブラジルなどに89の生産拠点 (研究開発拠点を含む) を開設。

-ミシガン州経済開発公社 (MEDC) によると、2017年1月、延鋒汽車内飾系統有限公司 は845万ドルを投資して、新たな技術センターを建設するとともに、今年後半に本社をPlymouthからNoviに移転する。従業員約280名はPlymouthおよびHarrison Township工場から新拠点に異動する予定。MEDCは同社に60万ドルを助成する。延鋒はさらにメキシコのQueretaroにある同社拠点の1つに追加投資することを検討中という。延鋒は18カ国100カ所の製造工場と技術センターから、インストパネル、コックピットシステム、ドアパネル、フロア、オーバーヘッドコンソール、照明、装飾トリムを供給しており、ミシガン州には11拠点を置いている。(2017年1月18日付MEDCリリースより)

新製品(製品出展)

-2017年7月、子会社延鋒汽車内飾系統有限公司とKostal は共同開発したインテリジェントディスプレイYanfeng Kostal モジュール(YaKoMo) を2017フランクフルト・モーターショーに出展した。この製品は延鋒汽車の現代的内装設計と高品質3Dガラス技術及びKostal の機電一体化とマンマシンインターフェイスソリューションを合体させたもので、新しいコンセプトの操作を実現し、将来はモビリティが必要とする高難度設計に対応できるようになっている。(2017年9月15日付け各種リリースより)

主要投資プロジェクト

(単位:百万元)
プロジェクト 予算

2016年
投資額
予算額の使用率 (%)
子会社「上海匯衆汽車製造有限公司」MQBプロジェクト 213.04 74.29 82
子会社「上海匯衆汽車製造有限公司」技術センター研究開発能力建設 69.58 12.21 77
子会社「上海匯衆汽車製造有限公司」生産ライン拡張 269.29 189.21 86
子会社「上海匯衆汽車製造有限公司」工場建屋建設 230.07 87.84 89
子会社「上海拖拉機內燃機公司」本社の更新改造 66.84 46.36 81
子会社「上海拖拉機內燃機公司」捷衆工場建屋、生産能力拡張 630.77 4.26 72
子会社「上海聯誼汽車拖拉機工貿有限公司」工場建屋建設 589.30 105.09 79
子会社「上海賽科利汽車模具技術応用有限公司」南京拠点第3期移転更新 254.45 54.98 87
子会社「上海賽科利汽車模具技術応用有限公司」南京拠点第4期プレス能力拡張 232.07 35.65 100
子会社「上海賽科利汽車模具技術応用有限公司」武漢工場建設プロジェクト 479.51 167.98 61
子会社「上海賽科利汽車模具技術応用有限公司」金橋拠点溶接第3期 224.00 65.67 92
子会社延鋒の本社改造 185.70 61.46 37
子会社延鋒の内装改造 5,475.81 2,375.16 75
子会社延鋒のシート技術更新 1,915.48 530.78 56
子会社延鋒の電子技術更新 318.28 85.82 82
子会社「華域三電汽車空調有限公司」エアコンコンプレッサープロジェクト 1,000.00 218.48 41
子会社「上海聖德曼鑄造有限公司」海安工場建屋建設 1,203.99 40.60 44

技術導入

-2016年12月、子会社華域三電汽車空調有限公司は、サンデンホールディングス(株)とBP-GEN3電動コンプレッサー技術の独占的ライセンス契約を結んだ。BP-GEN3電動コンプレッサーは小型軽量化と高い効率性、適用可能性が特徴。VWのMQBプラットフォームなどの技術基準に適合している。このほか、同社は独自開発したSEEシリーズ電動コンプレッサーも2017年に量産する予定。(2017年1月11日付けリリースより)