HUAYU Automotive Systems Company Limited [華域汽車系統股份有限公司] 2010年12月期の動向

ハイライト

業績

(単位: 
百万元)
2010年 2009年 増減率(%) 要因
売上高 44,062.68 24,667.86 78.62% -中国国内自動車市場の急速な成長によるもの。
-主要製品の売上高が大幅に増加。
営業利益 4,941.95

2,690.46

83.68% -売上高の増加により増益。
経常利益
4,981.83 2,716.73 83.38%
純利益 4,485.14 2,544.62 76.26%

組織再編

-2011年4月1日、同社の株主である上海汽車工業(集団)総公司(略称:上汽集団)と上海汽車は、同社の資産譲渡に関する合意書を結んだ。上海汽車は上汽集団に対し株式を発行し、上汽集団が所有する華域汽車系統の株式60.10%を買収する。これにより同社の最大株主は上海汽車となる。但し、実質的支配者は上汽集団のままとする。なお本件は上海汽車株主総会の承認や国有資産監督管理機構などの批准を経なければならな い。また、一時停止していた華域汽車系統の株式取引は2011年4月6日に再開した。(2011年4月6日付け会社公告より)

買収

-2010年12月10日、上海汽車工業(集団)総公司が保有する上海聖徳曼鋳造有限公司の株式100%、上海薩克斯動力総成部件 系統有限公司の株式50%及び上海幸福摩托車有限公司の株式100%を合計3.16億元で買収すると発表した。(2010年12月11日付会社公告より)

江淮汽車との提携

-2010年3月、江淮汽車と戦略的提携の枠組合意書を締結。今回の提携枠組合意は同社が目指す上海汽車系列外のカーメーカーとの提携の一環。(2010年3月29日付プレスリリースより)

 

合弁会社

-貴州航天工業有限公司と上海に合弁会社「華域汽車電動系統有限公司(Huayu Automotive Electric Systems co., Ltd.)」(仮称)を設立する。登録資本金は7,000万元。出資比率は華域60%、貴航40%。合弁期間は30年間。合弁会社はHV、EV用駆動モー ターを含む自動車用各種モーター、建設車両及び機械用モーター及び前記モーター用制御システム(ECU、ソフトを含む)などの開発、生産、販売を行 う。(2010年10月29日付会社公告より)

子会社・関連会社の動向

亜普汽車部件有限公司(YAPP Automotive Parts Co., Ltd.)

-2010年5月、「亜普汽車部件有限公司」とインドZoom Enterprises がインドチェンナイに設立した合弁会社「YappZoom Automotive Systems Pvt Ltd.」のプラスチックフューエルタンク生産ラインが稼働を開始。同合弁会社の出資比率は亜普51%、Zoom 49%。第一期の投資金額は1.1百万米ドル。生産能力は25万個。製品の供給先はVW India、Ford India、Mahindra & Mahindra of Indiaなどとなる。2011年には2本目の生産ラインを増設するとともにインド西部のプネに第2工場を建設する計画。

-2010年7月、「亜普汽車部件有限公司」は、ABC Groupの米国子会社ABC Group Fuel Systems Inc.との間で、プラスチックフューエルタンクの供給に関する戦略的提携契約を締結。この提携は北米、欧州、アジア市場を対象としたもの。(2010年7月22日付プレスリリースより)

-子会社「亜普汽車部件有限公司(YAPP Automotive Parts Co., Ltd.)」は一汽VWのサプライヤー大会において2010年度サプライヤーベストテンに選ばれた。一汽VWからの受賞は2007年度優秀サプライヤー 賞、優秀開発賞、2008年度優秀品質賞に続くもの。同社の2010年の一汽VWへの納入実績はフューエルタンク50万個で、一汽VWにおけるシェアは 56.97%だった。また、同社は新たにVWのAプラットホームシリーズ向けフューエルタンクの受注に成功し、中国VWへの独占供給権を獲得した。 2012年から生産を開始する予定で、搭載する車両は年間60万台超になる見込み。現在生産開始に向けて準備作業が進められている。(2011年1月14 日付プレスリリースより)

上海賽科利汽車模具技術応用有限公司(Shanghai Sekely Die Technology Co., Ltd.)

-2011年1月22日、合弁会社「上海賽科利汽車模具技術応用有限公司(Shanghai Sekely Die Technology Co., Ltd.)」は、上海GMの2010年度優秀サプライヤー賞授与式においてベストサプライヤー賞を受賞した。これは2009年度に続 く2度目の受賞。(2011年1月26日付プレスリリースより)

上海実業交通電器有限公司(Shanghai SIIC Transportation Electric Co., Ltd.)

-2010年3月、傘下の電子電装部品子会社「上海実業交通電器有限公司(Shanghai SIIC Transportation Electric Co., Ltd.)」と上海汽車工業(SAIC Group)傘下の東華実業汽車有限公司との合弁会社「申華汽車電子有限公司(Shenhua Automotive Electronics Co., Ltd.)」はウィンドウレギュレータ製品のラインオフを祝う式典を行った。同合弁会社は2009年3月より本格的な操業を開始。2010年末までに生産能力をインストパネル22万セット、センサー74万個、ウィンドウレギュレータ60万個規模にまで引き上げ、年間売上高152.51百万元、売上利益率 7.24%を目指す。納入先はすでに納入実績のある南京Ivecoのバス、軽型トラックのほか上海汽車のRoewe R75、AP11及び柳州五菱(Liuzhou Wuling)などにも広げてゆく計画。(2010年3月30日付プレスリリースより)

外資との合弁事業の動向

延鋒偉世通汽車飾件系統有限公司(Yanfeng Visteon Automotive Trim Systems Co., Ltd.)

-2010年7月、Visteonとの合弁会社「延鋒偉世通汽車飾件系統有限公司(Yanfeng Visteon Automotive Trim Systems Co., Ltd.)」は柳州市で生産拠点の建設を開始する。第1期建設の建築面積は22,213平方メートル。延鋒偉世通金橋汽車飾件系統有限公司 (Yanfeng Visteon Jinqiao Automotive Trim Systems Co., Ltd. )と上海延鋒江森座椅有限公司(Shanghai Yanfeng Johnson Controls Seating Co., Ltd)がそれぞれ子会社を置き、主に上海GM五菱GP50及び後継車種向けの内装部品とシートを生産する。第1期建設工事は本年内に完成し、操業を始める予定。

-延鋒偉世通(重慶)汽車飾件系統有限公司は広州分公司に続き、株洲分公司を湖南省株洲天元栗雨工業園(Liyu Industrial Park, Tianyuan district, Zhuzhou, Hunan)に設立した。主に北京汽車株洲基地、吉利汽車湘潭工場向けのインストパネル、ドアパネルなどを生産する。北京汽車には2010年末から、吉利汽車には2011年から正式に供給を開始する。(2010年10月24日付各種リリースより)

-2010年9月15日延鋒彼欧汽車外飾系統有限公司(Yanfeng Plastic Omnium Automotive Exterior Systems Co., Ltd. (YFPO))は、上海VW南京支社など関係各社を招き、南京江寧(Nanjing Jiangning)工場の製品第1号のラインオフを祝う式典を行った。この工場は2010年3月3日に建設を開始したもので、この日ラインオフしたバン パーをはじめとする外装部品を生産する。(2010年9月17日付プレスリリースより)


上海采埃孚転向機有限公司(ZF Shanghai Steering Co., Ltd.)

-2010年8月、ZFとの合弁会社「上海采埃孚転向機有限公司(ZF Shanghai Steering Co., Ltd.)」は5億元を投じ煙台市福山高新技術産業区に上海采埃孚転向系統(煙台)有限公司(ZF Shanghai Steering Systems (Yantai) Co., Ltd.)を建設する。新会社は主に上海GMや北京、天津、青島、河北などのカーメーカー向けのステアリングを生産する。建設工事は2期に分けて行い、第1期の投資額は2.3億元、建築面積は2.8万平方メートル、製品は油圧式パワーステアリングで、年産能力は60万セット。2011年5月の試生産開始を目指す。第2期の投資額は2.7億元、建築面積は1.7万平方メートル、製品はコラム式電動パワーステアリングで、年産能力は60万セット。2期とも完了しフル稼働すれば売上高は10億元以上になる見込み。

上海大陸汽車制動系統銷售有限公司(Continental Brake Systems (Shanghai) Co., Ltd.)

-Continentalと合弁で、中国に「上海大陸汽車制動系統銷售有限公司(Continental Brake Systems (Shanghai) Co., Ltd.)」を設立した。Continentalが51%を出資するこの新会社では、ブレーキシステムの開発に取り組む。対象製品はフロント&リア キャリパー、リアアクスルパーキングブレーキキャリパー、ドラムブレーキ、フロント&リアアクスルブレーキホース、電動パーキングブレーキ、電動 バキュームポンプなど。なお、ブレーキシステムの生産は上海汽車制動系統有限公司(Shanghai Automotive Brake Systems Co., Ltd.)および大陸汽車系統(常熟)有限公司(Continental Automotive Systems Changshu Co., Ltd.)で行う。 (2010年10月25日付プレスリリースより)

-「上海大陸汽車制動系統銷售有限公司(Continental Brake Systems (Shanghai) Co., Ltd.)」は上海嘉定区の新工場で来年からMK100電子ブレーキシステムの生産を開始する。MK100は重量が1.5Kg。従来のブレーキ制御ユニッ トに比べ重量が30%軽くなり、体積も40%小さくなっている。製品は日本をはじめ各国の自動車メーカーへも供給される。新工場は本年12月に稼働開始の 予定。(2010年10月29日付各種リリースより)

延鋒百利得(上海)汽車安全系統有限公司(Yanfeng Key (Shanghai) Automotive Safety Systems Co., Ltd.)

-Key Safety Systems (KSS)は、中国合弁会社であるYanfeng KSS (Shanghai) Automotive Safety Systems(YFKSS)が吉利汽車(Geely)から初めて受注を獲得したと発表。YFKSSはGeely「LG-3 Jinying」へ運転席および乗員エアバッグ、ステアリングホイール、シートベルトなどの納入を開始した。(2010年10月18日付プレスリリースより)

開発動向

研究開発費

(単位:百万元)

  2010年 2009年
研究開発費 2,040 1,470

製品開発

-2010年2月、Visteonとの合弁会社「延鋒偉世通汽車電子有限公司(Yanfeng Visteon Automotive Electronics Co., Ltd.)」は、インストルメントクラスターとオーディオシステムの新製品を開発した。上海GMの小型車「Chevrolet New Sail」に搭載される。(2010年2月25日付プレスリリースより)

技術提携
-2011年2月16日、上海三電貝洱汽車空調有限公司の子会社「上海貝洱熱系統有限公司(Shanghai Behr Thermal System Co., Ltd.)」は、上海汽車傘下の「上海捷能汽車技術有限公司」と新エネルギー自動車用サーマルコントロールシステム技術の共同開発契 約を結んだ。現在ドイツBehrと上海汽車との間で同技術の提携が進められており、上海の合弁会社が重要な役割を担うことになる。今回の提携は上海 Behrの一層の現地化と顧客へのサービス向上を進める上でも重要な意義を持つ。(2011年2月16日付各種リリースより)

設備投資

新生産拠点建設

-2010年5月、柳州市柳南区と正式に生産拠点建設用地予約の合意書を締結。同社は柳州市河西工業区に70,000平方メートルの生産拠点を建設 する計画。生産するのは上汽GM五菱の中級車向けの内装部品とシート。2010年末に部分的に稼働を開始し、年産能力を徐々に 12万セットにまで引き上げる予定。

主な設備投資の状況

(2010年12月時点)

プロジェクト 予算
(百万元)
2010年度
投資
 (百万元)
子会社「上海中国弾簧製造有限公司」生産設備更新 41.57 9.13
子会社「上海三電貝洱汽車空調有限公司」コンプレッサー生産能力拡大 55.85
44.51
子会社「上海賽科利汽車模具技術応用有限公司」生産設備更新 196.90
88.64
子会社「上海拖拉機内燃機公司」生産設備更新 236.80
131.44
子会社「上海聯誼汽車拖拉機工貿有限公司」生産設備更新 80.00
11.75
子会社「上海汽車制動系統有限公司」生産設備更新 18.79
15.59
子会社「延鋒偉世通金橋汽車飾件系統有限公司」生産設備更新 221.71
40.08
子会社「延鋒偉世通汽車電子有限公司」生産設備更新 101.39 77.61
子会社「上海延鋒江森座椅有限公司」生産設備更新 251.18
134.57
子会社「延鋒偉世通(重慶)汽車飾件系統有限公司」生産設備更新 58.72
52.66