曙ブレーキ工業 2009年3月期の動向
ハイライト
業績 | (単位:百万円) |
2009年 3月期 |
2008年 3月期 |
増減率 (%) |
要因 | |
売上高 | 159,649 | 184,731 | (13.6) | -世界のほぼ全市場における大幅な自動車減産及び為替差損による売上高減少。 |
営業利益 | (6,289) | 15,158 | - | -上半期を中心とした原材料価格の高騰及び下半期の大幅な受注減少。 |
経常利益 | (7,900) | 12,619 | - | |
当期純利益 | (16,277) | 6,637 | - | -来期以降の早期収益改善を目指したコスト構造改革実行に伴う資産の減損、再編費用引当、投資有価証券の評価損失計上、繰延税金資産の評価見直し等。 |
国内動向
-国内生産拠点の再編を加速する。東日本で進める生産集約のペースを速めるほか、西日本の製造子会社である曙ブレーキ山陽製造(岡山県総社市)を現在の3工場体制から1工場に集約することで検討に入った。世界同時不況による需要低迷が一段落しても長期的には国内自動車生産の減少基調は続くと判断、需要の先細りに見合った生産体制の最適化を急ぐ。(2009年1月16日付日刊自動車新聞より)
海外動向
-アケボノブレーキタイランドの統括会社化に伴い、シンガポールにある全額出資子会社のアケボノブレーキコーポレーションアジアを解散すると発表。清算は2009年6月に完了する予定。アケボノブレーキコーポレーションアジアの業務は、2008年7月までにアケボノブレーキタイランドへの移管が完了した。業務の集約を進め効率化につなげる。(2008年11月20日付日刊自動車新聞より)
開発動向
研究開発費 | (単位:百万円) |
2009年3月期 | 2008年3月期 | 2007年3月期 | |
金額 | 2,638 | 2,439 | 1,271 |
研究開発体制
-日米欧に中国を加えた開発拠点において、それぞれの特長を活かし連携しながら商品開発を推進。
各拠点の動向
<日本> | ||
(摩擦材) | ・乗用車用高性能パッドと低コストパッドが中心。 ・環境に配慮した摩擦材製品を開発するために、新規に採用する原材料については、サンプル入手段階から材料メーカーのMSDS(化学物質安全性データーシート)による環境安全性や法規制の対応内容について評価。さらに、自社による原材料分析等を並行して行う。 |
|
(ブレーキ) | アルミ合金を使用した対向型ブレーキが高性能車に採用された。 |
<北米> | ||
(摩擦材) | ・乗用車からピックアップトラック用まで幅広い摩擦材開発を環境面対応(グリーン材)を加味しながら推進。 | |
(ブレーキ) | ・主に乗用車、SUV、ピックアップトラック用ディスクブレーキを開発。 ・軽量アルミ合金による新ディスクブレーキを完成させ量産化。 ・新機構を採用した次世代リヤパーキング付ディスク・ブレーキや新型ディスク・ブレーキを開発し、現在車種展開を行う。 ・日本と連携をとり低コスト・小型軽量化の新構造ブレーキや熱容量性のよいディスクブレーキ等次期商品を開発。 |
<欧州> | ||
(摩擦材) | ・摩擦材開発に特化、高性能を重視した環境規制の厳しい欧州市場に適合する摩擦材から、静粛性を重視した日米市場向け輸出欧州車に適合する摩擦材まで幅広く開発。 ・日米市場向けと欧州市場向け材質の両方の性質を取入れた「ハイブリッド材」を開発。 ・開発拠点のあるフランス以外では、ドイツに開発の出先機関(現地法人)を置き、より顧客に密着した開発を展開。 |
設備投資
設備投資額 | (単位:百万円) |
2009年3月期 | 2008年3月期 | 2007年3月期 | |
金額 | 17,800 | 14,900 | 8,900 |
設備投資地域別内訳
-日本:10,100 百万円 (新本店ビル及び鋳物鋳造設備)
-北米:4,000 百万円 (製造拠点)
-欧州:300 百万円 (開発拠点)
-アジア:3,400 百万円 (インドネシアでの増産対応及びタイのパッド工場建設)
設備投資計画の変更
-2009年度の設備投資を今期実績見通しに比べさらに20%強削減する。新型車対応の諸コストを除けば、大半を国内の再編・刷新投資に振り向ける。新規に立ち上げる予定だった国内外の投資案件は原則として来期以降に先送りし、生産効率などを優先した投資配分で収益改善を急ぐ。同社が2009年3月期に予定していた投資額は170億円だったが、下期だけで約50億円を圧縮し120億円に抑える見通し。日米欧の主要市場では景気減速が継続するとの見方が濃厚なことから、来期はさらに圧縮する。90年代以降で同社の設備投資が100億円を下回るのは初めてとみられる。(2009年1月22日付日刊自動車新聞より)
設備の新設計画
会社/事業所 (所在地) |
設備の内容 | 投資予定 総額 (百万円) |
着手 | 完了 |
本社他 (東京都中央区他) |
鋳物製造設備、新工法設備、情報機器他 | 970 | 2009年4月 | 2010年3月 |
開発部門 (埼玉県羽生市) |
試験・研究開発用設備、高性能ブレーキ開発設備 | 290 | 2009年4月 | 2010年3月 |
曙ブレーキ岩槻製造(株) (埼玉県さいたま市岩槻区) |
ディスクブレーキ・ドラムブレーキの製造設備 | 1,140 | 2009年4月 | 2010年3月 |
曙ブレーキ福島製造(株) (福島県桑折町) |
ブレーキライニング、産業機械・鉄道製品の製造設備 | 410 | 2009年4月 | 2010年3月 |
曙ブレーキ山形製造(株) (山形県寒河江市) |
ディスクブレーキパッドの製造設備 | 180 | 2009年4月 | 2010年3月 |
曙ブレーキ山陽製造(株) (岡山県総社市) |
ディスクブレーキ・ドラムブレーキの製造設備 | 300 | 2009年4月 | 2010年3月 |
(株)曙ブレーキ中央技術研究所 (埼玉県羽生市) |
試験・研究開発用設備他 | 80 | 2009年4月 | 2010年3月 |
Akebono Corporation (North America) (米国ケンタッキー州他) |
研究開発用設備 | 80 | 2009年1月 | 2009年12月 |
Ambrake Corporation (米国ケンタッキー州) |
ディスクブレーキ・ドラムブレーキ・ディスクブレーキパッドの製造設備 | 730 | 2009年1月 | 2009年12月 |
Amak Brake L.L.C. (米国ケンタッキー州) |
ディスクブレーキの製造設備 | 230 | 2009年1月 | 2009年12月 |
Akebono Europe S.A.S. (フランス ゴネス市) |
研究開発設備、ディスクブレーキパッドの製造設備 | 70 | 2009年4月 | 2010年3月 |
曙光制動器(蘇州)有限公司 (中国蘇州市) |
ディスクブレーキパッドの製造設備 | 30 | 2009年1月 | 2009年12月 |
広州曙光制動器有限公司 (中国広州市) |
ディスクブレーキ・ドラムブレーキの製造設備 | 50 | 2009年1月 | 2009年12月 |
PT. TriDharma Wisesa (インドネシア ジャカルタ市) |
ディスクブレーキ・ブレーキ用部品の製造設備 | 350 | 2009年1月 | 2009年12月 |
Akebono Brake Thailand Co., Ltd. (タイ チョンブリ県) |
ディスクブレーキの製造設備 | 110 | 2009年1月 | 2009年12月 |