テイ・エス テック株式会社 2009年3月期の動向

ハイライト

業績 (単位:百万円)
  2009年
3月期
2008年
3月期
増減率
(%)
要因
売上高 404,761 479,157 (15.5) 1)
営業利益 16,093 26,224 (38.6) -
経常利益 14,962 27,018 (44.6) -
当期純利益 4,741 16,517 (71.3) -

要因
1)
<日本>
-主要客先からの大幅な受注減少及び機種構成変化に加え、海外子会社向けシート部品の輸出売上の減少等により、前年度比25.5%減の1,444億57百万円。

<北米>
-米国自動車市場の縮小による主要客先からの受注減少及び小型車へのシフトによる受注機種構成の変化や為替換算上の影響等により、前年度比24.5%減の1,371億77百万円。

<中国>
-為替換算上の影響はあったものの、広州及び武漢における主要客先からの受注が堅調に推移したことなどにより、前年度比14.9%増の679億78百万円。

<その他地域>
-為替換算上の影響はあったものの、アジア地域の受注が総じて増加したこと及びブラジルにおいても受注が堅調に推移したことなどにより、前年度比0.8%増の810億95百万円。


国内動向
-埼玉工場で、ホンダ新型オデッセイ用シート、ドアトリムの生産を開始。

-鈴鹿工場で、後面衝突時の頚部への負担を軽減するアクティブヘッドレスト機構が標準装備されたホンダ新型インサイト用シートの生産を開始。


海外動向
<北米>
-アキュラ新型TL用シートの生産を開始。

-インディアナ新工場が本格稼動。ホンダシビック用シートの供給を開始。

<中国>
-ホンダ新型フィット用シート及びシティ用シート、ドアトリムの生産を開始。

<その他>
-その他のアジア諸国でホンダ新型ジャズ用シートやシティ用シート、ドアトリム等の生産を開始。

開発動向

研究開発費 (単位:百万円)
  2009年3月期 2008年3月期 2007年3月期
全体 10,874 11,222 11,256
四輪事業 9,879 10,239 10,432

-栃木県の技術センターが中心。また、北米でもTS-Tech North America Inc.が実施。

-安全技術、環境対応技術、快適技術を基軸に展開。


研究開発活動
1.安全技術
-スタテック/ダイナミックによる実験研究開発を実施。

-アウトプットされる多種多様のデータを元にコンピュータ解析及びシミュレーション解析を行う。

-後方衝突による頚部障害軽減のためのアクティブヘッドレストや、搭乗者の体重によって、エアバッグの展開を制御するシートウエイトセンサーを開発。

-前方衝突による乗員傷害低減のための新機構を開発。

2.環境対応技術
-材料・部品に含まれる有害化学物質の調査を実施し、設計段階でVOC(揮発性有機化合物)の低減等、有害化学物質の使用を避け、代替材料の研究開発活動を展開中。

-四輪車用シート等の解体性向上の研究、モノマテリアル化(単一素材化)の研究 (ポリエステル繊維によるクッション材など軽量化に貢献できる新たなクッション材の研究など)。

-ハイブリッド車特有のボディー形状に左右されないリアシートの取り付け構造を開発・量産化。

3.快適技術
-着座初期の快適性向上、長時間走行における疲労低減を目的とした研究開発を実施。

-人間工学研究に基づく静的快適性、生理学研究及び独自理論による疲労度定量評価等の研究を実施。

-将来における快適性シートの実現に向け、アクティブ機能デバイスを開発中。

4.多機能技術
-スモールカー、SUV車において進化が著しい多機能技術に対応できるオリジナル商品を開発中。

-チップアップ&ロングスライド機構、空調シートとリア・パワーフォールダウンヘッドレスト及びチップアップ・ワンモーション・ダイブダウンリアシート、リア・ウルトラシート等の商品を開発、商品化。

-空調シートや新開発ウエイトセンサー等の電装部品との融合技術と、多機能デバイスの開発強化。

5.外観クオリティー技術
シート構成要素別に外観寄与率の基準を定めたオリジナル技術評価や、コンピューターシミュレーション解析結果をベースとした、世界TOP外観クオリティーシートの研究開発活動を展開中。

6.内装技術
質感の高い新加工技術、新加飾技術、照明等に取り組む。

設備投資

設備投資額 (単位:百万円)
  2009年3月期 2008年3月期 2007年3月期
全体 13,547 19,232 14,201
四輪事業 12,684 18,366 13,216


国内投資
-ホンダ新型オデッセイの新機種生産設備の導入や金型へ投資。

-約30億円を投じて埼玉県にドアトリムの生産工場を新設すると発表。ドアトリムを中心とした内装品事業を一段と強化することが狙い。2010年5月から稼働させる計画。新工場は四輪車用シートなどを生産する行田工場(埼玉県行田市)の敷地内に建設。(2008年9月1日付日刊自動車新聞より)


海外投資
<米国>
-2008年9月に稼動を開始したインディアナ新工場に投資。

<ブラジル>
-ホンダ新型フィットの新機種生産設備の導入や金型へ投資。

-子会社テイエステックドブラジルリミターダの新工場建設を発表。テイエステックドブラジルは四輪車用シート及び内装品の製造・販売を行っている。主要客先の南米事業拡大に対応した生産体制を構築するため、現工場の近隣に新工場を建設し生産能力を拡大する。新工場は2009年4月稼動開始予定。投資額は26.1百万レアル(約16.9 億円)。(2008年7月29日付プレスリリースより)

<中国>
-ホンダ新型フィット及びシティの新機種生産設備の導入や金型へ投資。

<インド>
-主要顧客の新工場建設に伴い、インドに新会社テイエス テック サン ラジャスタン プライベート リミテッド(TS Tech Sun Rajasthan Pvt.Ltd)を設立。資本金は250百万インドルピー。新会社では四輪車用シートの製造・販売を行う。(2008年7月25日付プレスリリースより)

<その他>
-アジア地域でのホンダ新型ジャズ及びシティの新機種生産設備の導入や金型へ投資。


設備の新設(2009年3月現在)
会社名
又は事業所名
所在地 設備の内容 投資予定額
(百万円)
着手 完了予定
埼玉工場
埼玉県
行田市
四輪車用シート及び内装品製造設備
1,916 2009年
04月
2010年
03月
浜松工場(浜北) 静岡県
浜松市
二輪事業、四輪事業、その他事業
802 2009年
04月
2010年
03月
TS Tech Alabama LLC. 米国
アラバマ州
四輪車用シート製造設備 593 2009年
04月
2010年
03月
TS Tech Do Brasil Ltda. ブラジル
サンパウロ
四輪事業 684 2009年
01月
2009年
12月