ユニプレス (株) 2018年3月期の動向
業績 |
(単位:百万円) |
2018年 3月期 |
2017年 3月期 |
増減率 (%) |
要因 | |
売上高 | 330,890 | 321,168 | 3.0 | -アジアセグメントが好調に推移したこと等により過去最高を更新 |
営業利益 | 26,047 | 23,025 | 13.1 | -UPS (ユニプレス生産システム) 活動を柱とした合理化効果等により過去最高を更新 |
経常利益 | 26,447 | 23,034 | 14.8 | - |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 15,949 | 14,379 | 10.9 | - |
受注
2017年度はグローバルで12車種を立ち上げた。
2018年度は16、2019年度は19車種を計画している。
ー「NISSAN M.O.V.E. to 2020」におけるLCV事業の新型車第一号となるフレームSUV「テラ」の部品を、中国・タイで受注。
ールノー・日産とダイムラーの合弁会社「COMPAS」生産の新型QX50用部品をメキシコで新規受注。
ー今後数年間以内、世界各市場で発売予定の日産「新型アルティマ」用部品をアメリカで受注。
ーインドネシアにおいていすゞ自動車「トラガ」、スズキ「エルティガ」用部品など受注。
ー日産「Infiniti QX50」では高成形性980PMa材を採用した下屋難成形骨格部品:「RR SIDE MBR ASSY,R/L」、「REINF-HOODLEDGE ASSY,R/L」「FR SIDE MBR ASSY,R/L」を納入。高成形性980PMaの難成形部品への採用は世界初。
研究開発費 |
(単位:百万円) |
2018年3月期 | 2017年3月期 | 2016年3月期 | |
全社 | 3,700 | 3,800 | 3,600 |
研究開発体制
-2018年3月31日現在、研究開発に携わる人数は335名。
-2018年3月31日現在、産業財産権を80件保有。
研究開発活動
<車体部品事業>
冷間プレス(高成形性980MPa材成形技術)
ー日産「Infiniti QX50」において、トップベンチマークの超ハイテン材(780MPa以上)を27%適用し、BIWで14㎏の軽量化に貢献。
27%のうち、高成形性1180MPa/980MPaを上屋、下屋に採用。
ー高成形性980MPa材は従来の980PMa材と比較し延びが改善、590MPa材と加工性が同等であり軽量化が図れる。
ー同社はさらなる軽量化を図り1.5GPaの成形技術開発を推進。ルーフレール、レインフォースセンターピラー等フォーム部品への採用準備を進めている。
アルミ対応
ーアルミ車体骨格部品に対応する技術の開発として、成形・接合技術の開発を進めている。
成形技術においては、材料パラメーターと最適な摩擦係数の設定をすることで最大主ひずみ等の解析評価が可能となった。
接合技術は、RSW技術(アルミ抵抗スポット溶接による部品接合技術)を推進。
金型形状肉盛り作業の自動化
ー形状変更時の対応や量産品質維持など母材の表面改質により金型耐久性を向上させる目的で行う肉盛り作業の自動化を推進。これにより、品質の向上、均質化、耐久性向上などを図る。超ハイテン材の難成形部品比率が高まっており、肉盛り難易度が上がっていることへの対応とする。
<トランスミッション部品事業>
ー内燃機関&HEVの生産の伸びを予測、TM部品の拡販を継続する。
電動化対応
ーHEV高負荷入力に耐えうる高耐熱クラッチパックを開発中。(特許出願済み)
温度ー92度、ジャダ―寿命2.6倍向上。
設備投資額 |
(単位:百万円) |
2018年3月期 | 2017年3月期 | 2016年3月期 | |
全社 | 23,100 | 20,000 | 18,400 |
ー中国広州に東風ユニプレスホットスタンプ会社を導入する準備を進める。製造設備は設置済み、試運転を開始しており、6月より試作車用の部品製造を開始予定。2019年度に稼働する見込み。その他、ユニプレスメキシコ、ユニプレス九州においてもホットスタンプを導入する計画で、いずれも2019年度に稼働する予定。
ー2018年6月、同社は40百万ドルを投資し、米アラバマ州Steeleにある工場を拡張すると発表。ホットスタンプ加工設備を新たに導入し、日産の高級中型車向け部品の生産を増強する。ユニプレスのアラバマ工場は、同州LincolnにあるHonda Manufacturing of Alabamaと、オハイオ州にあるホンダのEast Liberty工場のTier1サプライヤー。(2018年6月28日付 Alabama Department of Commerce ニュースリリースより)
設備の新設計画 |
(2018年3月31日現在) |
会社名・事業所名 (所在地) |
設備内容 | 投資予定金額 (百万円) |
着手 | 完了予定 |
同社 本社および事業所 (神奈川県横浜市、静岡県富士市、神奈川県大和市) |
職場環境整備および危機管理強化他 | 3,800 | 2018年4月 | 2019年3月 |
同社 栃木工場 (栃木県真岡市・小山市、神奈川県横須賀市) |
モデルチェンジによる生産設備更新及び生産体制強化他 | 2,300 | 2018年4月 | 2019年3月 |
同社 富士工場 (静岡県富士市・富士宮市) |
モデルチェンジによる生産設備更新及び生産体制強化他 | 2,700 | 2018年4月 | 2019年3月 |
ユニプレス九州 (株) (福岡県京都郡) |
モデルチェンジによる生産設備更新及び生産体制強化他 | 2,100 | 2018年4月 | 2019年3月 |
Unipres U.S.A., Inc. (米国) |
モデルチェンジによる生産設備更新及び生産体制強化他 | 2,400 | 2018年4月 | 2019年3月 |
Unpres Alabama, Inc. (米国) |
モデルチェンジによる生産設備更新及び生産体制強化他 | 2,700 | 2018年4月 | 2019年3月 |
Unipres Mexicana, S.A. de C.V. (メキシコ) |
モデルチェンジによる生産設備更新及び生産体制強化他 | 6,000 | 2018年1月 | 2018年12月 |
Unipres (UK) Limited (英国) |
モデルチェンジによる生産設備更新及び生産体制強化他 | 1,200 | 2018年1月 | 2018年12月 |
ユニプレス広州 [Unipres Guangzhou Corporation] (中国) |
モデルチェンジによる生産設備更新及び生産体制強化他 | 1,800 | 2018年1月 | 2018年12月 |
ユニプレス鄭州 [Unipres Zhengzhou Corporation] (中国) |
モデルチェンジによる生産設備更新及び生産体制強化他 | 1,000 | 2018年1月 | 2018年12月 |
ユニプレス精密広州 [Unipres Precision Guangzhou Corporation] (中国) |
モデルチェンジによる生産設備更新及び生産体制強化他 | 1,000 | 2018年1月 | 2018年12月 |
Unipres India Private Limited | モデルチェンジによる生産設備更新及び生産体制強化他 | 1,200 | 2018年1月 | 2018年12月 |
中期経営計画
-2016年6月、2018年度に売上高3,300億円、営業利益250億円を目標とする3カ年の中期経営計画を発表した。
2018年3月現在、2018年度売上高の予測は3,200憶円、営業利益は240億円。今期(2017年度)の売上高・営業利益からそれぞれ減少の見通し。