ユニプレス (株) 2012年3月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万円)
  2012年
3月期
2011年
3月期
増減率
(%)
備考
売上高 239,086  219,032 9.2 得意先の新車展開に伴う量産効果および新規拠点の本格稼働等
営業利益 24,631  21,764 13.2 -
経常利益 24,255  20,313 19.4 -
当期純利益 14,529  11,750 23.7  -

事業概況

<日本>
-震災影響はあったものの、売上高は1,341億円(前年同期比88億円増、7.1%増)となり、セグメント利益(営業利益)は145億円(同21億円増、17.7%増)となった。

<北米>
-為替による影響を大きく受けたものの得意先の新車展開に伴う量産効果により、売上高は298億円(同16億円増、5.7%増)となり、セグメント利益は30億円(同4億円増、19.1%増)となった。

<欧州>
-為替影響はあったものの新車展開による量産効果により、売上高は243億円(同27億円増、12.9%増)となり、セグメント利益は20億円(同1億円増、6.8%増)となった。

<アジア>
-為替影響に加え洪水影響はあったもののインドとタイの本格稼動等により、売上高は507億円(同67億円増、15.4%増)となり、セグメント利益はユニプレス精密広州等の初期投資費用の負担影響はあるものの63億円(同13億円増、27.8%増)となった。

事業計画

-ホンダ向けビジネスを拡大する。現在、ホンダ向け売上高はグローバルで29億2千万円、売上高構成比は1.3%程度となっている。2013年度には金額ベースで1.6倍強の48億円に増やし、構成比でも2%台へと押し上げる計画だ。このため、新技術や新製品の提案活動を積極展開するとともに、ホンダの海外工場近くにサテライト工場を設けるなど、供給面での態勢強化にも乗り出す。英国では昨年、ホンダの完成車工場がある南部のスウィンドン近くに最終組立用の分工場を新設、今春から本格稼働した。今後は同様に、北米にあるホンダの完成車工場向けにも分工場を設けて、これをビジネス拡大につなげる。こうした施策により、日本での取引量は維持した上で、米国では約5割増の18億円、英国では約4倍の18億円へと、ホンダ向け売上高を増やす計画だ。日産自動車以外では最大の売り上げがあるホンダとのビジネスを増やすことにより、収益力の着実な向上につなげる。(2011年7月5日付日刊自動車新聞より)

子会社

-中国に第3番目の生産拠点を持つ子会社を設立すると同時に、新たに統括会社を設立すると発表した。生産会社は日本語名「ユニプレス鄭州会社」で、来年3月に設立、2013年7月に操業を開始する予定。自動車生産の拡大が見込まれる中国内陸部での需要に対応、投資額は50億円で14年度に140億円の売り上げを目指す。また、統括会社は日本名「ユニプレス(中国)会社」で、ユニプレス広州とユニプレス精密広州、ユニプレス鄭州の3社を子会社化し、事業の安定と拡大に向けた効率的な業務運営と管理機能の強化を目指す。設立は来年2月で、資本金は3千万ドル(約2億3千万円)。(2011年11月2日付日刊自動車新聞より)

-インドネシアに車体用プレス部品を生産する子会社を設立すると発表した。日産自動車の現地法人などとのビジネス拡大が狙いで、2012年6月の操業開始を目指す。新会社の社名は「PTユニプレス・インドネシア」(仮称)とし、7月に設立予定。資本金1700万ドルの全額をユニプレスが出資する。8万8千平方メートルの敷地に建屋面積1500平方メートルの工場を建設する。投資額は28億円。従業員は170人程度で、14年には25億円の売り上げを見込んでいる。(2011年6月14日付日刊自動車新聞より)

>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)

開発動向

研究開発費

(単位:百万円)
  2012年3月期 2011年3月期 2010年3月期
全社 2,400 2,300 2,000

研究開発活動

-2012年3月31日現在、研究開発に携わる人数は現在218名。
-2012年3月31日現在、産業財産権を82件保有。

-技術開発業務全般を担う子会社を2011年4月1日付で設立すると発表した。グループの技術開発機能を新会社に集約し、車体部品、トランスミッション用精密部品、樹脂部品の各プレス技術の開発を行う。これに伴いユニプレスは技術開発部、技術部、生産技術部、TM技術開発部、TM技術部などを統合し、新会社との窓口機能を担う技術本部を新設する。会社名はユニプレス技術研究所(横浜市港北区)で所在地はユニプレス本社内。従業員数はユニプレスで技術開発を行っている350人を予定する。(2011年3月17日付日刊自動車新聞より)

<製品開発>
-製品の強度・剛性の最適化
-製品の小型・軽量化
-プレス技術を応用した製品の設計
-開発期間の短縮化

<材料開発>
-高強度鋼板
-高剛性樹脂材料
-軽量化樹脂材料

<工法開発>
-高強度鋼板プレス加工法
-ホットプレス工法
-金属精密塑性加工法
-軽合金材料のプレス加工法
-軽合金材料の溶接工法
-高強度パイプ加工法
-高強度樹脂プレス加工法
-樹脂複合成形加工法

設備投資

設備投資額

(単位:百万円)
  2012年3月期 2011年3月期 2010年3月期
全社 17,800 14,400 13,700
自動車用部品 - - 13,600

日本 : 得意先のモデルチェンジに対応するための自動車用部品の生産用設備の更新を主な目的として、52億円を投資。
北米 : 得意先のモデルチェンジに対応するための自動車用部品の生産用設備の更新を主な目的として、28億円を投資。
欧州 : 得意先のモデルチェンジに対応するための自動車用部品の生産用設備の更新を主な目的として、17億円を投資。
アジア : 得意先のモデルチェンジに対応するための自動車用部品の生産用設備の更新および中国とインドネシアにおける新会社設立を主な目的として、80億円を投資。

-プレス部品の増産を狙いとして、今後3年以上にわたり、過去最大規模の設備投資を継続的に実施する。2011年度は主要取引先である日産自動車のモデルチェンジや増産計画に対応するため、メキシコや英国で大型のトランスファープレスを増設するなど241億円の投資を予定している。さらに次年度以降も、ブラジルやロシアの日産工場への対応、日産以外のメーカーへの拡販などを視野に入れ、同規模の投資実施を続けていく。(2011年7月1日付日刊自動車新聞より)

設備の新設計画

(2012年3月31日現在)
会社名・
事業所名
(所在地)
設備内容 投資予定
金額
(百万円)
着手 完了
予定
完成後の
増加能力
同社 本社および事業所
(神奈川県横浜市、静岡県富士市、神奈川県大和市)
職場環境整備および危機管理強化ほか 1,900 2012年
4月
2013年
3月
-
同社 栃木工場
(栃木県真岡市・小山市、神奈川県横須賀市)
生産体制強化およびモデルチェンジによる生産設備更新ほか 2,100 2012年
4月
2013年
3月
若干増加
同社 富士工場
(静岡県富士市・富士宮市)
生産体制強化およびモデルチェンジによる生産設備更新ほか 1,900 2012年
4月
2013年
3月
若干増加
ユニプレス九州(株)
本社および工場
(福岡県京都郡)
生産体制強化およびモデルチェンジによる生産設備更新ほか 4,500 2012年
4月
2013年
3月
若干増加
Unipres U.S.A., Inc.
本社および工場
(米国)
生産体制強化およびモデルチェンジによる生産設備更新ほか 2,300 2012年
4月
2013年
3月
若干増加
Unipres Mexicana, S.A. de C.V.
本社および工場
(メキシコ)
生産体制強化およびモデルチェンジによる生産設備更新ほか 2,700 2012年
1月
2012年
12月
若干増加
Unipres (UK) Limited
本社および工場
(英国)
生産体制強化およびモデルチェンジによる生産設備更新ほか 3,100 2012年
1月
2012年
12月
若干増加
ユニプレス広州
[Unipres Guangzhou Corporation]
本社および工場
(中国)
生産体制強化およびモデルチェンジによる生産設備更新ほか 1,000 2012年
1月
2012年
12月
若干増加
ユニプレス鄭州
[Unipres Zhengzhou Corporation]
本社および工場
(中国)
新規生産拠点の工場および設備の新設 3,700 2012年
6月
2012年
12月
年間20万台の生産能力
ユニプレス精密広州
[Unipres Precision Guangzhou Corporation]
本社および工場
(中国)
生産体制強化およびモデルチェンジによる生産設備更新ほか 3,400 2012年
1月
2012年
12月
若干増加
Unipres India Private Limited
本社および工場
(インド)
生産体制強化およびモデルチェンジによる生産設備更新ほか 300 2012年
4月
2013年
3月
若干増加
PT. Unipres Indonesia
本社および工場
(インドネシア)
新規生産拠点の工場および設備の新設 1,500 2012年
1月
2012年
12月
年間5万台の生産能力