日立化成工業 (株) 2010年3月期の動向
ハイライト
業績 |
(単位:百万円) |
2010年 3月期 |
2009年 3月期 |
増減率 (%) |
要因 | |
全社 | ||||
売上高 | 455,287 | 488,638 | (6.8) | - |
営業利益 | 38,341 | 19,938 | 92.3 | - |
経常利益 | 36,506 | 16,524 | 120.9 | - |
当期純利益 | 23,509 | 2,740 | 758.0 | - |
エレクトロニクス関連製品 | ||||
売上高 | 244,788 | 251,937 | (2.8) | 1) |
営業利益 | 30,490 | 17,212 | 77.1 | - |
機能性材料関連製品 | ||||
売上高 | 212,174 | 239,264 | (11.3) | 2) |
営業利益 | 7,746 | 2,916 | 165.6 | - |
要因
1)
配線板及び配線板用材料
-多層プリント配線板は、自動車および情報通信機器の需要が減少。
-プリント配線板用銅張積層板は、自動車向けの売上が本格的な回復に至らなかった。
2)
工業用素材
-電気絶縁用ワニスは、ハイブリッド自動車用への採用拡大により、前年を上回った。
-エポキシ樹脂硬化剤は、自動車用等の需要減により、前年を下回った。
カーボン・セラミックス
-電刷子は、自動車用及び鉄道車両用の需要が減少。
-セラミックス関連製品は、自動車ウォーターポンプ向けの売上が減少。
自動車部品
-内・外装成形品は、自動車生産台数減少の影響を受け、前年を下回った。
-摩擦材料は、北米における採用車種の拡大により、売上が増加。
国内事業
-新神戸電機、日立AIC(栃木県真岡市)とAICのコンデンサー事業を2009年10月1日にも新神戸電機に譲渡すると発表。鉛電池からリチウムイオン電池などを手掛け新エネルギー分野の事業を拡大しつつある新神戸にコンデンサー事業を統合することが今後の相乗効果を生むと判断した。AICから新神戸に譲渡するのは、アルミ電解コンデンサー、フィルムコンデンサー、および関連蒸着製品に関する事業。対象事業の2008年の売上高は115億円、総資産76億円規模。自動車向けではヘッドランプのイグナイターなど一部に使われている。(2009年7月29日付日刊自動車新聞より)>>>次年度業績予想(売上、営業利益等)
開発動向
研究開発費 |
(単位:百万円) |
2010年3月期 | 2009年3月期 | 2008年3月期 | |
全社 | 25,400 | 27,600 | 28,200 |
エレクトロニクス関連製品事業 | 13,800 | 15,800 | 15,700 |
機能性材料関連製品事業 | 11,600 | 11,800 | 12,000 |
研究開発体制
筑波総合研究所 | 茨城県つくば市 |
筑波総合研究所(山崎) | 茨城県日立市 |
筑波総合研究所(下館) | 茨城県筑西市 |
Hitachi Chemical Research Center, Inc. | 米国カリフォルニア州 |
Hitachi Chemical - SJTU Research & Development Center | 中国上海 |
製品開発
放熱材-絶縁性と高熱伝導性を両立させた放熱材を開発したと発表。エポキシ樹脂と無機フィラーを組み合わせた接着シートを製品化して、サンプル出荷を開始する。同材料は、大電流化と小型化が進むハイブリッド自動車(HV)用インバーターやLED照明などの放熱性向上に貢献可能であるとしており、2013年に年間50億円の売り上げを目指す。(2009年7月16日付日刊自動車新聞より)
調光フィルム
-電圧で濃淡を無段階に調整可能な調光フィルムの量産を開始したと発表。自動車ガラスとの組み合わせに適した広幅・長尺サイズのフィルムで、ガラスや透明な樹脂板にラミネートして使用する。ガラスに濃い色をつけて日差しを遮り冷房エネルギーの消費を抑えたり、透明にして車室内の開放感を高めるというように省エネ効果と利便性を同時に向上できる。自動車のほか航空機、家電、建物など幅広い用途を開拓、 2012年に50億円の売上高を目指す。(2009年7月23日付日刊自動車新聞より)
自動車向けリチウムイオン電池用カーボン負極材
-自動車向けリチウムイオン電池用カーボン負極材を11月から量産を開始すると発表。約10億円を投資して同社の山崎事業所(茨城県ひたちなか市)内に生産ラインを立ち上げた。 新ラインでは、このほど開発した「黒鉛系負極材」と「非晶質炭素負極材」の生産を行う。ハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)など今後拡大が見込める環境対応車市場向けの需要を取り込むことで2015年に同社の負極材ビジネス全体で年間300億円の売り上げを目指す。(2009年10月21日付日刊自動車新聞より)
技術供与契約
(2010年3月31日現在)
契約会社名 | 相手方の名称 | 契約内容 | 契約期間 |
同社および 日本ブレーキ工業 |
Federal Mogul Corp. (米国) | ディスクパッドに関する特許実施権および技術情報の供与 | 2007年3月31日 - 契約製品を使用する対象車種の生産終了時 |
同社 | Brembo S.p.A. (イタリア) |
ディスクブレーキパッドに関する特許実施権および技術情報の供与 | 2009年8月31日 - 2014年8月31日 (その後は5年ごとの自動更新) |
技術導入契約
(2010年3月31日現在)
契約会社名 | 相手方の名称 | 契約内容 | 契約期間 |
同社 | 日立製作所 | ミューチップタグに関する特許権および 技術ノウハウの実施権の取得 |
2007年04月20日- 2017年04月19日 |
新神戸電機 | Panasonic Storage Battery Co., Ltd.(日本) | 鉛蓄電池に関する特許権および 技術ノウハウの実施権の取得 |
2004年07月01日- 2014年06月30日 |
設備投資
設備投資額 |
(単位:百万円) |
2010年3月期 | 2009年3月期 | 2008年3月期 | |
全体 | 21,000 | 36,000 | 37,400 |
エレクトロニクス関連製品事業 | 10,100 | 17,600 | 19,100 |
機能性材料関連製品事業 | 10,900 | 18,400 | 17,600 |
エレクトロニクス関連製品事業
-リチウムイオン電池用カーボン負極材の民生向け生産能力増強及び環境対応自動車向け生産設備新設等に設備投資を実施。
機能性材料関連製品事業
-Hitachi Chemical Mexico, S.A. de C.V.のディスクブレーキパッド新工場建設等に設備投資を実施。
設備の新設
(2010年3月31日現在)
会社名/ 事業所名 |
所在地 | 設備の内容 | 投資予定 総額 (百万円) |
着工 | 完成 予定 |
同社 山崎事業所 |
茨城県 ひたちなか市 |
車載用リチウムイオン電池 カーボン負極材製造設備 |
2,000 | 2010年 1月 |
2010年 11月 |