NOK (株) 2016年3月期の動向

業績

(単位:百万円)
2016年
3月期
2015年
3月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 746,147 693,689 7.6 -
営業利益 48,258 67,085 (28.1) -
経常利益 53,727 80,776 (33.5) -
親会社株主に帰属する当期純利益 30,053 46,813 (35.8) -
シール事業
売上高 296,189 296,875 (0.2) -自動車向けは軽自動車の増税による国内需要の減少はあったものの、北米での需要増加、為替の影響等により、販売額は増加した。
営業利益 32,531 33,487 (2.9) -新興国における人件費の増加、および償却費等の増加により減益。

フレキシブルプリント基板(FPC)事業拡大

-Freudenberg Groupは、ドイツWeinheimを本拠とするenmech GmbH & Co. KGおよびハンガリーPecelを本拠とするenmech Hungary Bt.の持分50%を、2016年はじめに合弁相手の同社に譲渡したと発表した。enmechは、2002年にFreudenbergと同社の合弁会社となった。株式譲渡後は、同社の子会社でフレキシブルプリント基板 (FPC) メーカーの日本メクトロンと、欧州子会社Mektec Europeに統合される。enmechは近年、FPC技術を体系的に開発し、自動車市場向けにメカトロニクス製品の供給を行っている。コネクターを含む大型のフレキシブル回路基板をベースとしたメカトロニクス製品を開発・生産している。enmech GmbHおよびenmech Hungaryの従業員数は合わせて約500名、ドイツのWeinheimおよびBerlin、ハンガリーのPecelに拠点を持つ。この2社は Mektec Europeの傘下となり、それぞれ独立した会社として運営される予定。(2016年1月11日付プレスリリースより)

-車載向けフレキシブルプリント基板(FPC)の売上高を2016年度に14年度実績の50%増にあたる450億円に引き上げる。FPCは小さくて薄く、 自由に曲がるといった特徴があり、主にランプ用で日系サプライヤーからの引き合いが強まっている。車体軽量化、デザイン性向上のニーズに対応する製品とし てさらなる需要の増加を見込んでおり、17~19年度の次期中計では電子機器部品事業の売上高に占める割合を15年度の8%から10%に高める。 (2016 年1月5日付日刊自動車新聞より)

生産動向

-国内市場向け防振ゴムに使う鋳物を、2017年初頭から日本での生産に切り替える。現在は大半を中国工場から輸入しているが、為替の元高によって中国生産品のコスト競争力が低下した。日本で生産することにより、コスト競争力を高める。防振ゴム用の鋳物は、中国とタイの工場で生産している。日本を加えることにより、グローバルでの鋳物の生産能力を2、3割増やし、防振ゴムの販売拡大にもつなげる。(2015年5月14日付日刊自動車新聞より)

中期経営計画 (2015年3月期~2017年3月期)

国内投資の増強
-2015年3月期から3年間の新中期経営計画で国内のオイルシール工場の全自動化を進める。3年間合計で450億円を投資し、現在2、3割の全自動化率を2017年3月期に5割に引き上げる。中長期的に需要の縮小が見込まれる国内のコスト競争力を、自動化により一段と向上させるとともに、労働コストが急激に上昇している新興国の工場でも自動化を推進し、シール事業全体で収益力の向上を図る。同社は2012年3月期~2014年3月期の3年間、シール事業に総額625億円の設備投資を行い、主に海外で生産能力の増強を進めてきた。2015年3月期からの3年間は国内外で650億円を投資する計画で、このうちの7割弱を国内への投資に振り向けることになる。新興国でも生産能力増強のための投資を一段落させ、生産性向上への投資を行う。(2014年5月16日付日刊自動車新聞より)

研究開発費

(単位:百万円)
2016年3月期 2015年3月期 2014年3月期
全社 7,632 8,096 7,622
-シール事業 5,861 6,261 5,752

研究開発活動

シール事業
-環境関連:低摩擦損失による省エネルギー効果に寄与する製品、ハイブリッド・電気自動車・燃料自動車に対応するクリーン製品の開発を推進している。
-安全やIT関連:自動車制動関連の製品や電子部品との複合等による高付加価値製品の開発を推進している。
-オイルシール:信頼性を維持しつつ摩擦力低減を狙った新たな低摩擦シールで、従来のコーティングタイプに加えて、低摩擦力ゴム材料や子会社であるNOKクリューバー (株) と共同開発した低トルクグリースを組み合わせ、自動車用として市場投入。また、海外の新興国に向けた過酷な道路環境に対応する耐ダスト性が改良された製品も市場投入。
-Oリング:環境対応の新冷媒対応シール材、組立性向上コーティング材を市場投入する一方で、燃料電池用水素ガス対応シール材の開発を推進している。
-EV・HEV向け製品:省スペースや低反力のガスケットおよびフレキシブル基板 (FPC) 一体シール部品を開発、一部量産化。
-燃料電池車向け製品:燃料電池セルスタック向けシール部品を供給しており、量産に向けた準備を推進している。

電子機器部品事業
-車載向けのフレキシブル基板 (FPC) のプロセス/材料/部品実装開発及びFPCの新商品開発を推進。開発概要は、FPCの高精細/高機能化やモジュール化を実現するコア技術の確立。
-FPCとケーブル、FPCと機器間の高信頼性接続技術を開発、各顧客への技術紹介を開始。

研究開発拠点

拠点名 所在地
湘南開発センター 神奈川県藤沢市

技術提携契約

(2016年3月31日現在)
相手先 国名 内容 契約日
Freudenberg ドイツ オイルシール、Oリング等のシール製品およびそれに関連する技術の導入・供与 2009年1月1日

設備投資額

(単位:百万円)

2016年3月期

2015年3月期 2014年3月期
全社 61,399 41,470 40,615
-シール事業 21,996 18,680 21,914


シール事業
-国内では同社を中心に、海外では中国の無錫NOKフロイデンベルグCo.,Ltd. [Wuxi Nok-Freudenberg Oilseal Co., Ltd.]、タイのThai NOK Co., Ltd.を中心に設備投資を実施。

設備の新設計画

(2016年3月31日現在)
事業所名
(所在地)
設備の内容 投資予定金額
(百万円)
着手 完了予定

同社
福島事業場 (福島県)

オイルシール製造設備 3,412 2015年
4月
2018年
3月

同社
鳥取事業場 (鳥取県)

防振ゴム製造設備 5,537 2015年
5月
2017年
7月

ユニマテックシンガポールPte.Ltd.
(シンガポール)

化学合成品等製造設備 7,705 2015年
9月
2018年
3月
MEKTEC Manufacturing Corp. (Zhuhai) Ltd. (中国 珠海) フレキシブル基板製造設備 12,618 2016年
1月
2016年
8月

2017年3月期設備投資額見通し

(単位:億円)
2017年3月期
(予測)
2016年3月期
(実績)
増減
(%)
日本 323 211 53.1
アジア 427 392 8.9
欧米 6 12 (50.0)
合計 756 615 22.9

2017年3月期の見通し

(単位:百万円)
2017年3月期
(予測)
2016年3月期
(実績)
増減 (%)
売上高 664,600 746,147 (10.9)
営業利益 35,000 48,258 (27.5)
経常利益 37,500 53,727 (30.2)
親会社株主に帰属する当期純利益 22,500 30,053 (25.1)


>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)