NOK(株) 2010年3月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万円)
 

2010年
3月期

2009年
3月期

増減率
(%)
要因
全社
売上高 414,753 466,694 (11.1) -
営業利益 12,655 7,441 70.1 -
経常利益 10,363 6,174 67.8 -
当期純利益 1,279 652 96.2 -
シール事業製品部門
売上高 226,708 249,910 (9.3) -期初、販売は低調だったものの、中国等新興国を中心に新車需要が増加したことにより、自動車向けの販売が回復。しかし、上期の販売減の影響が大きく、減少。
営業利益 8,285 4,268 94.1 -

 

国内事業
-2010年度末に閉鎖する予定だった静岡事業場(静岡県牧之原市)の存続を決めた。今後の需要拡大が見込める大径シール部品を福島事業場に移管するものの、静岡地区の子会社などで生産してきたブーツやダストカバーなどを集約し、規模を縮小して存続させることにした。国内生産再編のもう一方の対象である佐賀事業場(佐賀県みやき町)も子会社に運営を委託して存続することから、NOK単体では6工場体制となるが、連結ベースではこれまでの7工場体制を維持する。(2009年10月8日付日刊自動車新聞より)

海外事業
<タイ>
-タイの部品生産を再編することで検討に入った。現在、スパンブリー工場(スパンブリー県)とアマタナコン工場(チョンブリ県アマタナコン工業団地)の2ヶ所に分かれる自動車部品の生産拠点を主力拠点側に集約する。Oリング専用の小規模工場であるスパンブリーは 20年を過ぎ老朽化が目立っているため閉鎖し、敷地面積も10万平方メートルと大規模なアマタナコンに統合する方向で検討。アマタナコンは、Oリングをはじめ、主力のオイルシール、トーショナルダンパーなど複数品目を生産するとともに、それらに用いる防振ゴムや鋳造部品の生産設備なども擁し、物流拠点も併設している。(2009年11月25日付日刊自動車新聞より)

>>>次年度業績予想(売上、営業利益等)

開発動向

研究開発費

(単位:百万円)
  2010年3月期 2009年3月期 2008年3月期
全社 6,433 7,952 9,149
シール事業 4,689 6,456 7,600

研究開発活動

シール事業
-オイルシールでは、摩擦力低減を狙った新たな低摩擦シールを開発し、自動車用として市場投入した。
-車両総合制御(速度制御等)用の磁気ゴムを利用したエンコーダー付シールについては、既に製品化に至り、さらなる高性能エンコーダーの開発により適用拡大検討を推進。
-自動車用燃料電池部品に関しては、セルシール、加湿膜モジュール、ガス拡散層(カーボン不織布)を中心に開発を推進し、実機評価から実車評価の段階に進んでいる。
-EV、HEVの電動化対応としては、PCU(パワーコントロールユニット)用のソフトメタル型ガスケットやラバーオンリーガスケット、2次電池用シールが採用され、次世代に向けた機器筐体からの漏洩電磁波のシールドを目的とした、ソフトメタル型ガスケット(SMG型EMガード)、さらに電磁波シールド複合ゴムガスケットの製品開発(シール&シールド)を推進。

研究開発拠点

湘南開発センター 神奈川県藤沢市

技術提携契約

(2010年3月31日現在)

相手先 国名 内容 契約日
Freudenberg ドイツ オイルシール、Oリング等のシール製品およびそれに関連する技術の導入・供与 2009年1月1日

設備投資

設備投資額

(単位:百万円)
  2010年3月期 2009年3月期 2008年3月期
全社 18,232 57,463 60,881
シール事業 11,666 35,118 38,986

シール事業
-国内では、福島事業場のオイルシール製品製造工場を中心に、海外ではThai NOK Co., Ltd.、NOKプレシジョンコンポーネントタイLtd.、無錫NOKフロイデンベルグCo.,Ltd.を中心に設備投資を実施。
-2011年3月期の設備投資を100億円以下に圧縮する。高水準が続いた前期までに比べほぼ半減する見通しの今期に比べても、2期連続の大幅減となる。むこう2年間は自動車生産の大幅な回復は見込めないと判断、増産基調が続いた2008年までに整えた生産インフラを活用、かつ効率化しながら需要変動に備える。(2009年10月19日付日刊自動車新聞より)