エヌオーケー株式会社 2008年3月期の動向
ハイライト
(単位: 百万円) |
2008年 |
2007年 |
増減率(%) | 要因 |
全社 | ||||
売上高 | 526,331 | 479,815 | 9.7 | - |
営業利益 | 42,465 | 41,657 | 1.9 | |
経常利益 | 44,812 | 45,399 | (1.3) | |
当期純利益 | 25,843 | 24,793 | 4.2 | |
シール事業製品部門 | ||||
売上高 | 283,743 | 213,869 | 11.1 | 北米・アジアを中心に日系車の販売好調による輸出および現地生産台数の増加等により増収増益 |
営業利益 | 25,956 | 17,466 | 29.3 |
国内動向
福島県の二本松事業場にオートマティックトランスミッション(AT)用オイルシールのボンデットピストンシール(BPS)の専門工場棟(延床面積19,122平方メートル)を建設し、2008年3月に竣工。新工場棟は、BPSの受注増へ対応するため、金属部品の作製から、接着、出荷まで全工程一貫生産による清流化を実現。また溶剤の使用を極力抑える設備も導入し、環境にも配慮。
海外動向
<ベトナム>
2007年4月、ベトナム NOK Co., Ltd.(Vietnam NOK Co., Ltd.)に、オイルシール工場に次ぐOリング工場棟を建設、稼動を開始。当面日本への輸出を中心に、オイルシール月産400万個、Oリング同500万個規模の生産をおこない、09年度にはオイルシールで同1千万個規模、Oリングでは同2千万個のフル生産体制に引き上げる予定。更に2010年には第2工場の建設に着手する計画。
>>>設備投資 参照
<米国>
同社とFreudenbergとの米国合弁会社Freudneberg-NOKは、Precision Industries Corporationを買収したと発表した。Precision Industries Corporationは、特注ダイアフラムの開発・製造メーカーで、本社所在地はウィスコンシン州・Germantown。この買収により、同社とFreudenberg両社は、Freudneberg-NOKの事業を通じ、北米における布(繊維)入りゴム製ダイアフラムのエンジニアリング及び生産能力を強化するとともに、両社が本拠とする欧州ならびに日本市場における特注ダイアフラム事業の拡大を図る。 (2007年10月31日付プレスリリースより)
新3ヵ年経営計画(2007年4月-2010年3月)
目標経営数値:
売上高 6,000億円、営業利益 620億円、ROA 6.6%
開発動向
2008年3月期の研究開発費は、総額9,149百万円。内、シール事業は、7,600百万円。
<シール事業>
・オイルシールにおいて従来の密封性を維持し、摩擦力低減を狙った低摩擦シールを開発し、自動車用として市場投入。
・車両総合制御(速度制御等)用の、磁気ゴムを利用したエンコーダ付きシールについては一部製品化に至り、さらなる高精度着磁化、高機能(マルチタスク)エンコーダーの開発を推進。
・自動車用燃料電池部品に関しては、セルシール、加湿膜モジュール、ガス拡散層(カーボン不織布)を中心に開発を推進し、実機評価から実車評価の段階に進んでいる。
技術提携契約(2008年3月現在)
相手先 | 国名 | 内容 | 契約日 |
カール・フロイデンベルグ(Freudenberg)社 | ドイツ | オイルシール、Oリング等のシール製品及びそれに関連する技術の導入・供与 | 1989年1月8日 |
合弁契約(2008年3月現在)
相手先 | 内容 | 合弁会社名 | 契約日 |
フロイデンベルグ (Freudenberg & Co,)社 (ドイツ) |
米国子会社(NOK Inc)とフロイデンベルグ(Freudenberg & Co,)社の米国子会社によるオイルシール、Oリング等のシール製品ならびに関連製品事業の合弁 | フロイデンベルグ NOK GP | 1989年3月23日 |
設備投資
2008年3月期の設備投資費は、総額60,881百万円。内、シール事業は、38,986百万円。
<シール事業(自動車関連)>
国内:福島事業場、静岡事業場において前処理工程の整備を推進。
海外:タイNOK Co., Ltd.、ベトナム NOK Co., Ltd.、Unimatec Singapore Pte. Ltd.を中心に設備投資を実施。
設備投資計画
<ベトナム>
同社は2010年にも、ベトナムで第2工場の建設に着手する。敷地内もしくは工場拡張を前提に取得した隣接地に新たな工場棟を建設、オイルシールおよびOリングの生産ラインを新設する。中期計画の最終年度となる09年度には現行の生産ラインはフル操業が見込まれるため、次期中計初年度には第2期拡張工事をスタートする。生産品目は日本を筆頭にアジア各地に輸出し、価格競争力を高める。同社が新工場棟の建設を計画しているのは04年9月に設立したベトナムNOK。2007年7月から第1工場が稼働し、オイルシールとOリングの生産を開始。日本への輸出を中心に、オイルシールで月産400万個、Oリングで同500万個規模の生産を続けている。今後、日本を始めアジア各地に仕向け地を拡大し、09年度にはオイルシールで同1千万個規模、Oリングでは同2千万個のフル生産体制に引き上げる計画。(2007年12月5日付日刊自動車新聞より)
設備の新設・改修(シール事業)
会社名 事業所名 |
所在地 | 設備の内容 |
投資予定 総額(百万円) |
着手 | 完了予定 |
NOK 福島事業場 |
福島県 福島市 |
オイルシール製品製造工場 | 11,120 | 2008年 4月 |
2012年 3月 |
Thai NOK Co., Ltd. パントン工場 |
タイ チョンブリ |
防振ゴム製品製造工場 | 3,760 | 2007年 6月 |
2008年 12月 |