アイシン精機 (株) 2011年3月期の動向
ハイライト
業績 |
(単位:億円) |
2011年 3月期 |
2010年 3月期 |
増減率(%) | 要因 | |
売上高 | 22,574 | 20,544 | 9.9 | 1) |
経常利益 | 1,478 | 949 | 55.7 | 2) |
純利益 | 696 | 166 | 319.2 | |
自動車部品事業 | ||||
売上高 | 21,759 | 19,699 | 10.5 | 3) |
要因
1)
-年度末に一部の工場において、震災に伴う得意先の稼働状況に応じた生産調整があったが、トランスミッション関連製品や、エンジン冷却用電動ポンプをはじめとするハイブリッド車向け製品などが好調に推移したことに加え、アジアを中心に海外市場での販売が伸長したことにより、前連結会計年度(2兆544億円)に比べ9.9%増の2兆2,574億円となった。
2)
-利益については、生産調整のほか原材料価格の変動や為替による影響があったものの、売上高の増加に加え、経営全般にわたる収益体質の強化活動に取り組んだ結果、営業利益は前連結会計年度(875億円)に比べ56.8%増の1,372億円、経常利益は前連結会計年度(949億円)に比べ55.8%増の1,478億円、純利益は前連結会計年度(166億円)比大幅増の696億円となった。
3)
-アイシン精機グループでは、国内の得意先カーメーカーの生産台数減少などにより、売上高は1兆736億円。営業利益は原材料価格の変動や為替による影響があったものの、企業体質改善活動の成果や減価償却費の減少などにより、537億円となった。
合弁会社
-アイシン化工が中国にディスクブレーキ用パッドを生産する子会社を設立。同社の海外子会社としては米国とタイに続いて3社目。最終的にトヨタ自動車の現地合弁拠点に納入される製品を中心に、2015年には16億円の売り上げを目指す。現地子会社の社名は「唐山愛信化工有限公司」(略称TAC)で、資本金は6億円。アイシン化工が60%、アイシン精機が20%、ブレーキシステムメーカーのアドヴィックスが20%を出資して7月に設立した。河北省唐山市にあるアイシン精機の現地法人内に生産設備を設置する。11年5月までに生産ライン1本を設置して生産を開始。TACで生産したパッドは天津市にあるアドヴィックスの現地法人に納入し、ブレーキシステムに組み込まれた上でトヨタの現地法人に納入される。 (2010年8月20日付日刊自動車新聞より)-トヨタ紡織とアイシン精機は、ブラジルで内装部品とエンジン吸気系部品を合弁で生産すると決定。生産を担当するのは、 2007年に設立したToyota Boshoku do Brasil Ltda(TBDB)。出資比率はトヨタ紡織80%、アイシン精機20%。両社はTBDBに対して段階的に約25億円増資し、会社形態を生産会社に変更す ることで事業運営を行う。トヨタのブラジル新工場で生産予定の新開発小型車向けにシート、ドアトリム、エアクリーナーを供給する計画。立ち上げ時の生産能 力は年間7万台分を予定している。トヨタ紡織とアイシン精機は、シートフレーム部品の共同開発・生産で協力関係にある。TBDBは中国の広州、天津、ポー ランドに続く4番目の合弁会社。(2010年8月5日付プレスリリースより)
2012年3月期の見通し |
(単位:百万円) |
2012年3月期 | 2011年3月期 | 増減 | |
売上高 | 2,200,000 |
2,257,436 | (57,436) |
営業利益 | 110,000 | 137,266 | (27,266) |
経常利益 | 115,000 | 147,894 | (32,894) |
純利益 | 50,000 | 69,643 | (19,643) |
開発動向
研究開発費 |
(単位:億円) |
2011年3月期 | 2010年3月期 | 2009年3月期 | |
全社 | 1,114 |
1,011 | 1,159 |
自動車部品事業 | - |
983 | 1,115 |
研究開発活動
- システム化、モジュール化からITS関連商品の開発など、最先端の自動車部品技術を基盤に、住環境と生体の科学的研究、燃料電池やレーザーをはじめとする先端技術研究など、さまざまな分野へ開発の領域を広げている。最近の主な成果は、エンジン冷却用電動ウォーターポンプや家庭用ガスエンジンコージェネレーションシステムなど。製品開発
ブレーキ用電動バキュームポンプ-自動車用ブレーキに使用する電動バキュームポンプを開発。既存ガソリンエンジン用と、電気自動車やハイブリッド車用の2タイプ。ガソリン車の場合、エンジンの力を抑制するためエンジン駆動ポンプタイプと比較して0.2-0.4%程度の燃費向上(2リットルクラス)が見込めるとしている。自動車メーカーへのアプローチを開始しており、今後採用を目指していく。(2010年5月21日付日刊自動車新聞より)
設備投資
設備投資額 |
(単位:億円) |
2011年3月期 | 2010年3月期 | 2009年3月期 | |
全社 | 1,333 | 838 | 2,202 |
自動車部品事業 | - |
642 | 2,079 |
-内、2011年3月期では、同社(アイシン精機グループ)が490億円、アイシン・エィ・ダブリュ(株)が669億円。
-車両のモデルチェンジに対応した新製品・改良製品への投資、生産設備の合理化投資、新製品開発や評価施設への研究開発投資などを実施する一方、現有設備の有効活用や設備仕様の見直し、設備投資テーマの厳選など、設備投資の圧縮に努めた。