Novelis, Inc. 2017年3月期の動向

業績

(単位:百万ドル)
2017年
3月期
2016年
3月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 9,591 9,872 (2.8) 1)
純利益 45 (38) - 2)
セグメント別売上高
北米 3,228 3,266 (1.2) 3)
欧州 2,968 3,223 (7.9) 4)
アジア 1,791 1,992 (10.1) 5)
南米 1,510 1,575 (4.1) 6)

要因

1) 全社売上高
-2017年3月期、全社売上高は前年比2.8%減の9,591百万ドル。平均ベースアルミニウム価格の上昇や高いコンバージョンプレミアム商品への戦略的シフト等良い影響にもかかわらず、平らな圧延製品の出荷減少やローカル市場プレミアムの縮小により売上は減少した。

2) 純利益
-2017年3月期、純利益は45百万ドル。利益増は主に平均金属コストの低下、現在のローカル市場プレミアムの安定性増加、金利の低下などによる。利益はリストラ減損費用やMalyaysia Berhandのアルミ会社の持分売却や債務の消滅による損出等により一部相殺された。

3) 北米
-2017年3月期、北米における売上高は前年比1.2%減の3,228百万ドル。自動車部品の出荷の増加とアルミ価格の高騰により部分的に相殺された缶の出荷の減少により38百万ドル減少。

4) 欧州
-2017年3月期、欧州における売上高は前年比7.9%減の2,968百万ドル。缶や専門品の出荷減少により、自動車部品の出荷増加と平均アルミニウム価格の高騰により部分的に相殺されたため、255百万ドル減少。

5) アジア
-2017年3月期、アジアにおける売上高は前年比10.1%減の1,791百万ドル。缶出荷の減少、価格の低下、アルミニウム平均価格の上昇により一部相殺されたことにより、201百万ドル減少。

6) 南米
-2017年3月期、南米における売上高は前年比4.1%減の1,510百万ドル。缶出荷の減少が好調な価格条件により部分的に相殺され、65百万ドル減少。



受注

-2017年3月、中国の電気自動車 (EV) メーカー蔚来汽車 (NIO Auto、以下、NIO) のプレミアムEV向けにアルミ合金を供給すると発表した。NIOは、今後5年間に市場投入するSUVの構造部品やアルミ部品に、Novelisのアルミ合金「Advanz」を使用する。NovelisがプレミアムEV向け供給契約を締結したのは今回が初めて。同社の中国・常州工場からNIOに供給する予定。(2017年3月16日付プレスリリースより)

-奇瑞捷豹路虎汽車 (Chery Jaguar Land Rover) 初のJaguarモデルとなる新型「XFL」に、同社のアルミ製品が採用されたと発表した。中国で発売された同モデルはホワイトボディの75%にアルミを使用しており、欧州仕様の「XE」および「XF」をベースとしている。両モデルにも、「XFL」と同様にホワイトボディの大部分にNovelis製合金「Novelis Advanz」が採用されているという。「XFL」に使用されるアルミ合金の大半は、中国江蘇省にあるNovelisの常州 (Changzhou) 工場で製造され、残りはスイスのSierre工場から供給される。(2016年10月10日付プレスリリースより)

-「Cadillac CT6」の2016年モデルに同社製アルミニウムが採用されたと発表した。北米では、カナダのオンタリオ州KingstonにあるNovelisの工場から、米国のミシガン州DetroitにあるGMのDetroit-Hamtramck工場向けに供給する。一方、中国では、江蘇省の常州 (Changzhou) 工場からGMの上海工場に納入する。北米・中国ともに、運転席および後席の乗員コンパートメント、ルーフ、アウターボディパネル、ドア、デッキリッドなど、「Cadillac CT6」のボディ部品にNovelisのアルミが採用されている。(2016年5月10日付プレスリリースより)

-2017年2月、2018年フォード「Expedition」で業界初のアルミボディSUVを発表した。同社は高強度アルミ合金ボディ用の材料を提供し、前世代に比べ300ポンドの軽量化に貢献している。



受賞

-2016年11月、アルミニウムトレードフェア2016で「European Aluminum Award」を受賞したと発表した。「REALCAR (REcycled ALuminum CAR)」 プロジェクトへの貢献が評価された。REALCARプロジェクトは、2008年にJaguar Land Roverが着手。使用済み自動車をリサイクルする、クローズドループな生産モデルの開発に多くの企業が参画している。Jaguar Land Roverは2015年、このシステムを通して5万トンのアルミスクラップを回収した。(2016年11月29日付プレスリリースより)



研究開発費

(単位:百万ドル)
2017年3月期 2016年3月期 2015年3月期
全社 58 54 50



研究開発体制

-2017年3月現在、約350名が研究開発に従事。

研究開発拠点

-自動車部品の研究開発は、米国ジョージア州Kennesawおよびスイス Sierreで行っている。

特許

-2017年3月現在、申請中案件を含む特許数は204件。



設備投資額

(単位:百万ドル)
2017年3月期 2016年3月期 2015年3月期
北米 80 143 122
欧州 65 146 257
アジア 38 35 85
南米 39 39 53
消去・その他 2 7 1
合計 224 370 518



米国内投資

-同社は、米国ニューヨーク州のOswego拠点で3本目の最終加工ラインを稼働させたと発表した。投資額は120百万ドル。Fordの「F-Series」トラック向けに納入する高強度アルミ合金の生産能力を拡大する。この最新の加工ラインでは、「F-Series Super Duty」の2017年モデルのボディおよびカーゴボックス向けに、アルミシートの生産を行う。Novelisはこの5年間に、Oswego拠点で3本の自動車部品向けの最終加工ラインを稼働させており、460名の新規雇用を創出している。(2016年5月23日付プレスリリースより)