Novelis, Inc. 2014年03月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万ドル)
  2014年
3月期
2013年
3月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 9,767 9,812 (0.5) 1)
純利益 104 203 (48.8) -
セグメント別売上高
北米 3,050 3,405 (10.4) 2)
欧州 3,280 3,181 3.1 3)
アジア 1,876 1,762 6.5 4)
南米 1,588 1,391 14.2 5)

要因
1) 全社売上高
-2014年3月期の売上高は、前年比0.5%の減少。アルミ平均価格の10%下落、3工場売却による欧州での販売減少が主な要因。一方で、自動車用および製缶用圧延製品の販売が堅調であったこと、為替差益により減少分が一部相殺されている。

2) 北米
-2014年3月期の売上高は、前年比10.4%の減少。自動車向けおよび軽量骨格部品向けの販売量が増加を見せたが、製缶用の圧延製品の生産量の減少およびアルミ平均価格の下落が影響。

3) 欧州
-2014年3月期の売上高は、前年比3.1%の増加。自動車向けおよび製缶用の圧延製品の出荷が増加したことが主な要因。一方、アルミ平均価格の下落および軽量骨格、工業製品向けの出荷減少が一部増加分を相殺。

4) アジア
-2014年3月期の売上高は、前年比6.5%の増加。製缶用の圧延製品の出荷量増加が主な要因。一方、アルミ箔の出荷量減少およびアルミ平均価格の下落により、増加分を一部相殺。

5) 南米
-2014年3月期の売上高は、前年比14.2%増加。アルミ平均価格の下落が見られたが、全般的に製品の販売量が増加したことが寄与。

事業提携

-同社とThyssenKrupp Tailored Blanksが、アルミテーラードブランク材の開発に関して提携することで合意。この技術により、グレード・厚さ・コーティングの異なるアルミシートを組み合わせて、個々の自動車メーカーによってカスタマイズしたプレス用ブランク材の生産が可能になる。このブランクは、ドアやフードなどの軽量ボディ部品のほか、クロスメンバーや縦メンバーを含む構造部品への採用が見込まれる。(2013年5月22日付プレスリリースより)

見通し

-2014年3月期売上高における、自動車市場向け製品売上が占める割合は9%。2017年3月期までに同比率を20%に引き上げることを目指している。

開発動向

研究開発費

(単位:百万ドル)
  2014年3月期 2013年3月期 2012年3月期
全社 45 46 44

研究開発体制

-約140名が研究開発に従事。

研究開発拠点

-以下6カ所にサテライトR&D拠点を保有:
  • 米国ジョージア州Kennesaw
  • 米国ワシントン州Spokane
  • カナダ オンタリオ州Kingston
  • ドイツ Goettingen
  • スイス Sierre
  • 韓国 蔚山 (Ulsan)

設備投資

設備投資額

(単位:百万ドル)
  2014年3月期 2013年3月期 2012年3月期
北米 147 183 108
欧州 241 80 73
アジア 198 251 151
南米 117 197 177
消去・その他 14 64 7
合計 717 775 516

 

国内投資

-2013年12月、120百万ドルを投じて米国ニューヨーク州のOswego工場に3本目の自動車用アルミシートの最終加工ラインを設置すると発表。同ラインの年産能力は12万トン。ライン新設に併せて従業員を90名増員する。同じく計画されているドイツのNachterstedt工場の拡張と併せると、同社の自動車用アルミシートの年産能力は90万トンになる。両拠点の拡張は2015年後半に完了する見込み。

-ニューヨーク州Oswego拠点において圧延事業の拡張を開始。投資額は200百万ドル。今回の拡張により北米における自動車用アルミシートの生産能力は24万トンとなり、拡張前の5倍の規模になる。拡張に併せて従業員を100名増員する。

海外投資

<ドイツ>
-2013年12月、ドイツのNachterstedt工場に自動車用アルミシートの最終加工ライン (年産能力は12万トン) を新設すると発表。投資額は85百万ドルで、同ラインの新設に併せて従業員を120名増員する。米国ニューヨーク州Oswego拠点で予定されている拡張と併せると、自動車用アルミシートの年産能力は90万トンになる。両拠点の拡張は2015年後半に完了する見込み。

-Novelis EuropeがドイツのGottingenにおいて、自動車用アルミシートの圧延および表面処理を行う工場の操業に関して認可を取得したと発表。同社は現在、欧州ではドイツのNachterstedt拠点およびスイスのSierre拠点で自動車用アルミシートの生産を行っている。Gottingen拠点では、まず年間2万トンを生産する。第2フェーズでは、4万トンまで生産能力を引き上げる計画。(2013年5月24日付プレスリリースより)

<英国>
-英国ウェリントンのLatchfordに位置するリサイクル工場の拡張を完了。投資額は13.6百万ユーロで、年間処理能力は従来の3分の1増加の22万トン。今回の拡張に伴い従業員を30名増員する計画。Latchford工場は自動車用アルミ圧延製品に関して、欧州で最大規模のクローズドループリサイクル工場になった。

<韓国>
-韓国において2年間の拡張計画を完了した。投資額は400百万ドル。栄州 (Yeongju) 工場および蔚山 (Ulsan) 工場を拡張し、同国におけるアルミシートの生産能力を50%超拡大。年間生産量を約100万トンに引き上げた。今後は韓国で自動車市場への参入を計画している。(2013年10月10日付プレスリリースより)

<ブラジル>
-ブラジル・サンパウロ州のPindamonhangaba拠点において、アルミ圧延工場を拡張したと発表。今回の拡張により、同拠点におけるアルミシートの年産能力は50%超拡大し、年間60万トンを超えるという。投資額は340百万ドルで、過去10年間で同社が南米で行った最大の投資プロジェクトとなった。(2013年7月30日付プレスリリースより)