広西玉柴機器集団有限公司 動向 2006

ハイライト

小型ディーゼルエンジン市場へ参入
-2006年2月、同社のYC4F小型ディーゼルエンジンを搭載した河北中興汽車のピックアップ車が発表された。同社は今後小型ディーゼルエンジンの生産開発に本格的に乗り出し、新市場の獲得を目指す。

ユーロⅢディーゼルエンジン量産化
-2006年3月、ユーロⅢ排出ガス基準を満たしたディーゼルエンジン累計生産1,000基を達成。中国国内で初めて同種類エンジンの量産化に成功。ユーロⅢディーゼルエンジンは省エネ・グリーン型エンジンとして2005年から生産を開始、主にバスに搭載している。

重型ディーゼルエンジン組立工場が量産開始、年産8万基体制に
-2006年7月、広西省玉林市(Yulin City, Guangxi Prov.)に新設した重型ディーゼルエンジン組立工場において量産開始の記念式典を行った。新工場は2004年4月より着工、投資総額220百万元、敷地面積16,000平方メートル、主にYC6Mと、YC6L重型ディーゼルエンジンの生産・組立を行う。年産能力は8万基。新工場に設置された4つのアセンブリラインは組立、塗装、テスト、梱包4つの工程からなり、設備はすべてドイツのKrause, Koester社より導入、品質管理及び生産管理システムも完備されている。

受注
-2006年6月、ベトナム企業と重型ディーゼルエンジンを搭載した完成車の輸出契約を締結。
広西玉柴は2000年から東南アジア市場へ進出。2005年東南アジア各国への輸出実績が約3,000基。2006年約6,000基を計画。

-2006年3月、キューバ交通省とディーゼルエンジン2万基の輸出契約を締結。良好な提携関係と輸出実績で今後さらなる輸出拡大が期待できる。

提携
-2006年5月、同社はDelphiとディーゼルインジェクションシステム供給に関する提携契約を結んだ。同社はDelphi から新型1.2リットルTCIシリーズエンジン及び従来型2.6/2.9リットルシリーズエンジン用にコモンレールポンプ、インジェクター、高圧レール及び電子制御ユニットなどを含むユーロⅢ排ガス基準対応の小型車用コモンレール系統の供給を受ける

開発動向

■新製品
-2006年2月、同社は中国初のユーロIV排出ガス基準をクリアする大型車用ディーゼルエンジンYC6L-40のラインオフを発表した。このエンジンは高級バス及び公共バス向けの自社開発製品で、電子制御式噴射システムを採用し、高出力・低公害・低騒音・耐久性を特徴としている。

-2006年10月、同社の小型ディーゼルエンジン生産拠点である 「玉柴動力機械有限公司 」が2年をかけて開発したYC4100、4102、4105シリーズの試作ディーゼルエンジンが始動に成功した。このシリーズはターボチャージドインタークーラー式を採用したもので、ユーロⅡ排出ガス基準に達しているだけでなく、ユーロⅢへのバージョンアップも可能な技術を備えている。最大出力102KW、最大トルク390N.m.。各種トラック、軽型バス、低速自動車、トラクター、建設機械、発電機、船舶など利用範囲が広い。

-2006年12月、天然ガス専用車用CNGエンジンJ5700シリーズが完成した。当面タイ市場向けを主とする予定。

設備投資

新合弁会社工場建設
-2006年1月、広州安達軸瓦有限公司と合弁で設立した「玉柴安達変速器有限公司」の生産工場建設を開始。新合弁会社の出資比率は同社が25%、広州安達軸瓦有限公司が75%で投資総額は5億元。今回の第1期工事ではトランスミッションアセンブリー生産ライン及び検査・試験設備を建設する。第1期工事完成後の年産能力は2万台、更に第2期工事完成後2010年までに年産20万台を見込む。同社はこれにより既存のディーゼルエンジンに新たにトランスミッションを組み合わせた動力系統アッセンブリーの供給を目指している。