Delphi Group (China) [Delphi Group (中国事業)] 2013-2014年度の動向
ハイライト
<事業概況>
-サーマルシステム、電気&電子アーキテクチャー、エレクトロニクス & セーフティシステムの分野では、相次いで新会社・工場を設立し、中国での生産体制を拡大。上海のグローバルテクニカルセンターでは中国市場に対応した製品開発を行い、国内主要自動車メーカーへの供給を拡大。2014年5月、エレクトロニクス & セーフティシステム事業部は中国で2ヵ所目となる研究開発拠点、「德爾福電子 (蘇州) 研発中心 [Delphi Electronics (Suzhou) Technical Center]」を蘇州工業園 (Suzhou Industrial Park) に開設し、研究開発体制を更に強化。
<分野別概要>
1.サーマルシステム | -上海汽車工業との合弁子会社上海徳爾福汽車空調系統[Shanghai Delphi Automotive Air Conditioning Systems Co., Ltd.] のエアコンシステム国内シェアは第1位 (同社調べ)。2010年瀋陽、2011年煙台に工場を設立。 |
2.電気&電子アーキテクチャー | 子会社徳爾福派克電気系統有限公司 [Delphi Packard Electric Systems Co., Ltd.] はワイヤーハーネス国内シェア第1位。上海、広州、長春、白城、煙台、蕪湖等に計13工場を保有。 |
3.エレクトロニクス & セーフティ | 德爾福電子 (蘇州) 有限公司 [Delphi Electronics (Suzhou) Co., Ltd.)] のカーエレクトロニクス工場でカーエンターテイメント、ECU、 セーフティシステム等の先端製品を生産。 |
新会社
-2014年10月、徳爾福派克電気系統有限公司 [Delphi Packard Electric Systems Co., Ltd.] は、天津武清開発区 (Wuqing Development Area, Tianjin) に天津分公司 [Tianjin Branch] を設立。
最近の動向
-Delphiは、上海のパワートレイン工場でガソリン直噴射 (GDI) 高圧燃料ポンプの生産を開始し、現地生産を本格化させたと発表。この製品は高精度、低騒音、低燃費などを特徴としている。2014年後半には、同製品の生産ラインを増設する予定。(2014年9月17日付け各種リリースより)
戦略的提携
-2015年1月、Delphiは中国検索エンジン大手の百度 (Baidu) と車載インフォテインメント分野で提携すると発表。Baiduのスマートフォンと連携してカーナビゲーション等を行なうサービス「Carlife」をDelphiの次世代車載インフォテイメント (IVI) プラットフォームに融合するとしている。DelphiのIVIプラットフォームはCarplay、Android Auto、Mirror Linkなど最新の車載ネットワーク技術を統合したもの。DelphiはBaidu「Carlife」との融合により、自動車とモバイル機器のシームレスなコネクティビティを実現し、中国のユーザーに対してスムーズにコンテンツを提供するとしている。(2015年1月29日付け各種リリースより)
中国事業計画
-Delphiは、中国での売上高を2012年を基準として2020年までに4倍とする目標を発表。2012年のDelphiの中国における売上高は2,300百万米ドル (36,600百万元) だった。2013年は2012年比18%増の2,700百万ドルだった。また中国市場における売上高は現在、同社の全世界における売上高の16%を占めているが、2020年にはこれを25%まで引き上げることを目標とする。現在同社は中国に28の生産拠点、3つのテクニカルセンターを置き、2900名のエンジニアを擁している。これに加え、山東省煙台に100百万米ドルを投じディーゼル噴射システムの生産工場を開設する。今後18カ月以内に新たに2つの工場を建設する予定。(2014年4月29日付け各種リリースより)
研究開発体制
<R&Dセンター>
名称 | 事業部門 | 所在地 | 設立 | 業務内容 |
徳爾福 (中国) 科技研発中心[Delphi (China) Technical Center] | エレクトロニクス & セーフティ | 上海市浦東外高橋保税区 | 2003年12月 | -Delphiが中国に初めて設立したグローバルテクニカルセンター -自動車エレクトロニクス&セーフティ製品を開発 |
徳爾福電子(蘇州) 研発中心[Delphi Electronics (Suzhou) Technical Center] | エレクトロニクス & セーフティ | 蘇州工業園 | 2014年5月 | -エレクトロニクス & セーフティ部門が設立した中国2か所目の研究開発拠点 -インフォテインメントおよび電子コントロール、セーフティシステムなどの製品と技術を開発 -床面積は現在の1,500平方メートルから将来3,000平方メートルに拡張予定。うち設計実験室は1,000平方メートル。 -2014年末現在のエンジニア数は約200名。 |
国内投資
- 2014年5月、Delphiは天津武清開発区 (Wuqing Development Area, Tianjin) に世界最大クラスのワイヤーハーネス生産拠点を建設すると発表。生産拠点の敷地面積は40,000平方メートル、延べ床面積は22,000平方メートルで総投資額は100百万元。自動車ワイヤーハーネス、車載電話、車載インフォテインメントシステム用など各種ワイヤーハーネスを生産する。主な供給先はMercedes-Benz、長城汽車など。(2014年5月19日付け各種リリースより)