Delphi Group (China) [Delphi Group (中国事業)] 2011年12月期の動向

ハイライト

<事業概況>

-サーマルシステム電気&電子アーキテクチャーエレクトロニクス & セーフティ の分野では、2008年までに相次いで新会社・工場を設立、中国での生産体制を拡大。上海のグローバルテクニカルセンターでは中国市場に対応した製品開発を行い、国内主要カーメーカーへの供給を拡大。

<分野別概要>
1.サーマルシステム -上海汽車工業との合弁子会社上海徳爾福汽車空調系統(Shanghai Delphi Automotive Air Conditioning Systems Co., Ltd.)のエアコンシステム国内シェアは第1位。2010年、瀋陽及び煙台2拠点におけて、工場を設立。
2.電気&電子アーキテクチャー 子会社徳爾福派克電 気系統有限公司(Delphi Packard Electric Systems Co., Ltd.)はワイヤー ハーネス国内シェア上位。上海、広州、長春、白城、煙台、武漢、蕪湖に計10工場を 保有。
3.エレクトロニクス & セーフティ 德爾福電子(蘇州)有 限公司 (Delphi Electronics (Suzhou) Co., Ltd.)のカーエレクトロニクス 工場でカーエンターテイメント、ECU、 セーフティーシステム等の先端製品を生産。

2011年度事業

- 2011年12月期の売上高は、前年比21%増の20億米ドルに達した。(2011年度同社の年鑑より)

製品分野ごとの動向

電気・電子アーキテクチャー

新工場

- デルファイグループの徳爾福派克電気系統有限公司(Delphi Packard Electric Systems Co., Ltd.)の武漢新工場が稼働を開始し、2012年3月18日そのセレモニーが武漢経済開発区で行われた。新工場の投資額は5.5百万米ドル。主にワイヤーハーネスを生産する。同社は4年前に同開発区に工場を建設しているが、この新工場建設により神龍汽車、フィアット(長沙)、三菱、日産など中西部の顧客への供給を強化する。(2012年3月19日付け各種リリースより)

- デルファイの子会社「徳爾福派克電気系統有限公司(Delphi Packard Electric Systems Co., Ltd.)」のA6工場が正式に開業した。同社が上海嘉定国際汽車城(Shanghai Jiading International Auto City)に設立した第4の生産拠点となるこの工場では中国自主ブランド車向けのワイヤーハーネスを生産する。2012年末までに従業員数は2000人規模となる予定。(2011年12月8日付け各種リリースより)

- デルファイの子会社「徳爾福派克電気系統有限公司(Delphi Packard Electric Systems Co., Ltd.)」は2011年2月21日、上海安亭鎮でA6工場の着工式を行った。同社の安亭鎮の工場はこれで4箇所目。新工場の敷地面積は2万平方メートル、従業員数は約2000人、2011年9月稼働開始の予定。主に上海汽車、上海VW向けのワイヤーハーネスを生産する。年産能力は150万セット。2012年の生産高は7,000万米ドルに達する見込みである。(2011年2月23日付け各種リリースより)

パワートレインシステム
エンジン生産拠点の拡大

- デルファイが北京に設立したガソリンエンジンマネジメントシステムおよび部品の生産拠点—北京德爾福万源発動機管理系統有限公司は2011年10月に拡大工事を本格的に開始した。デルファイはこのプロジェクトに約3.6525億元を投資。建屋面積は30778.9平方メートル。完成後生産能力および研究・開発能力が現在の2倍となる。Euro IVおよびEuro Vに対応する先進的なガソリンエンジンマネジメントシステムや部品を供給できるようになる。また、同社は最新のガソリンエンジン技術に対応した高エネルギー・イグニッションコイルの生産ラインも導入する。今回増設した部分は北京德爾福万源発動機管理系統有限公司と北京技術センターの共同拠点となる。(2011年10月30日付けプレスリリース)


エレクトロニクス・セーフティ

- デルファイと長城汽車(Great Wall Motors)は戦略的提携契約を締結した。既存の電子制御システム・燃料ポンプなどをベースに、電気・電子構造システム、エレクトロニクス・安全システ ム、パワートレインシステム、サーマルシステムに関して協業を行う計画。また両社は、アクティブセーフティシステムおよびナビゲーション製品に関しても共同で研究・開発を行い、今後、長城汽車のモデルに採用することで基本合意した。なお、デルファイの電子制御システムは、2005年に長城汽車のガソリン エンジン「491QE」に採用された。また、2010年には、電子制御式高圧コモンレールシステムを「Lvjing 2.0T」エンジンに納入。さらに、2010年10月、高出力ガソリンエンジン「GW4C20」にもデルファイ製品が採用されている。(2011年11月7日付けプレスリリースより)

- デルファイにより、上海VWの新型モデルOctavia、Tiguan、Superbおよび一汽VWのMagton CC、Golf A6には全部同社の新世代ステレオシステムが採用されている。SuperbとTiguanに搭載されたステレオシステムでは、CDやMP3が使用できる以外に、音楽をより簡単に管理できる。Magton CCやGolf A6、Octavia、Superb、Tiguanに搭載されたステレオシステムには6ディスク・オートチェンジャ付き6.5型の大型タッチスクリーンが採用された。2GB SDカードが使用できる。流れる音楽の情報を確認できるのみならず、タッチスクリーンを通しラジオも操作できる。新世代ステレオシステムは室内のエアコン情報および安全システム情報も表示する。(2011年4月12日付けプレスリリースより)

開発動向

研究開発施設

中国テクニカルセンター:

Delphiの中国初のグローバルテクニカルセンター。中国市場に対応した製品開発力強 化のため2003年12月、上海に設立。
名称 徳爾福(中国)科技研発中心有限公司
(Delphi (China) Technical Centre Co., Ltd.)
所在地 上海市浦東外高橋保税区
設立 2003年12月
操業 2006年4月
研究開発人員 約700名(2010年時点)

製品開発

- 主にデルファイ中国研究・開発センターは担当した世界初のMiFyが近頃中国で発売され、中国国内の自動車メーカーに採用された。MiFyはインテリジェントボイス・3次元ナビゲーションシステムで、立体的な道路画面を通し、距離・時間・環境という3つの選択モードに分け、最も便利な路線を選択できる。また、道標および車周辺の主要公共施設を表示できる。このシステムは高架道路の識別機能を備え、地面運転か高架運転かの判断や、道間違いによる不便さを防止できる。このシステムは同社のマルチメディアエンターテイメントシステムに内臓され、オーディオ・ビデオの再生やラジオ、楽曲管理などの機能を備える。また、多様なマルチメディアキャリア、HDD、USB、フラッシュメモリカード、iPod、 iPhoneなどに対応している。(2011年4月12日付けプレスリリース)