(株) 村田製作所 2016年3月期の動向

業績

(単位:百万円)
2016年3月期 2015年3月期 増減率 (%) 要因
全社
売上高 1,210,841 1,043,542 16.0 -成長市場への注力と円安効果などにより増収
営業利益 275,406 214,535 28.4 -生産能力の増強に伴う固定費の増加、製品価格の値下がりなどの減益要因があったものの高付加価値の新製品の投入及び操業度益やコストダウン、円安効果により大幅増益を達成
同社株主に帰属する当期純利益 203,776 167,711 21.5 -
カーエレクトロニクス用途
売上高 152,800 144,300 5.9 1)


要因
1) カーエレクトロニクス用途
-電装化の進展により、車載用コンデンサーが堅調。
-車載の安全装置向けに超音波センサーが大きく伸長。
-電源他モジュールはカーオーディオ向け電源が振るわず減少。

新製品

車載インフォメーション機器対応ノイズフィルター
-音質に影響を与えずに放射ノイズを除去する音声ライン向け用途特化型積層タイプノイズフィルタ「NFZ18SM_SZ」シリーズに、初めて車載インフォメーション機器対応品を追加したと発表した。1608 (1.6mm×0.8mm) サイズで1Aを超える定格電流を実現した。現在、量産を行っている。(2016年3月28日付プレスリリースより)

自動車グレード積層セラミックコンデンサー
-車載電子部品規格のAEC-Q200に準拠した自動車グレード積層セラミックコンデンサGRTシリーズを開発・商品化したと発表した。 GRTシリーズは自動車インフォテインメント、コンフォート用途向け。AEC-Q200準拠を求められるこれらの機器のさらなる信頼性向上、小型化に貢献するという。 (2016年1月12日付プレスリリースより)

製品開発

-同社は、自動車のパワートレインやセーフティ機器など、過酷な温度環境に搭載される機器向けに、導電性接着剤対応の積層セラミックコンデンサGCBシリーズを開発したと発表した。最高使用温度は200℃となる。同社はすでにこの製品のサンプル出荷を開始しており、2016年中に量産を開始する予定。 (2016年2月17日付けプレスリリースより)

-同社は、積層セラミックコンデンサの表面に撥水処理を施した撥水コンデンサを開発したと発表した。撥水処理により、ショートを引き起こす可能性のあるイオンマイグレーションの発生を抑制できるという。この製品は、カーナビゲーション、ボディ制御ECU、エアコンディショナーECU、メーターECU、エンジンECUなどに使用される。同社はすでにこの製品のサンプル出荷を開始しており、年内に量産を開始する予定。(2015年7月29日付プレス リリースより)



評価試験・生産拠点の拡充

-同社は、車載機器用の電波暗室を横浜事業所に新設し、EMC (Electro Magnetic Compatibility) 評価サポートを開始すると発表した。先進運転支援システム (ADAS) や車載インフォテインメントシステムなど車載機器向けのエミッション (電磁妨害) 測定とイミュニティ (電磁感受性) 試験を行う。(2016年1月14日付プレスリリースより)

-同社は、子会社の鯖江村田製作所 (福井県鯖江市) が、2016年1月より同社敷地内において生産棟を建設すると発表した。延床面積は8,181平方メートルで、2016年12月に竣工予定。建物投資額は27億円。鯖江村田製作所では金属機構商品 (ポジションセンサーなどの可変商品やコネクター) の製造、精密加工部品の製造および電子部品へのめっき加工を行っている。(2015年12月17日付プレスリリースより)

-出雲村田製作所 (島根県出雲市) は、2015年4月より同社敷地内において、新生産棟2棟を建設すると発表した。スマートフォンや自動車向けの積層セラミックコンデンサの需要増加に対応する。総投資額は180億円で、2016年10月までに完成する予定。2棟の延床面積はそれぞれ5,344平方メートルと22,436平方メートル。3年間で約300名の技術・生産スタッフを新たに採用する計画。(2015年5月13日付プレスリリースより)

受賞

-ZFは、サプライヤー14社に「ZF Supplier Award」を授与したと発表した。村田製作所は、「Production Materials (生産材料)」部門でこの賞を受賞している。(2015年12月8日付プレスリリースより)

2016年3月期の見通し

(単位:百万円)
2016年3月期
(予想)
2016年3月期
(実績)
増減率 (%)
売上高 1,225,000 1,210,841 1.2
営業利益 240,000 275,406 (12.9)
同社株主に帰属する当期純利益 178,000 203,776 (12.6)

*カーエレクトロニクス用途の売上高は前期比+6%程度を予想。

>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)

研究開発費

(単位:百万円)
2016年3月期 2015年3月期 2014年3月期
コンポーネント 32,888 31,133 26,365
モジュール 31,465 20,040 14,780
その他 45 37 26
本社部門 13,584 13,780 13,478
合計 77,982 64,990 54,649

-2017年3月期の研究開発費は90,000百万円を予定。
-同社の本社研究開発部門では、新規事業創出に向けて、特に自動車、エネルギー、ヘルスケア・メディケア市場向けの新技術・新商品の開発を行っている。

設備投資額

(単位:百万円)
2016年3月期 2015年3月期 2014年3月期
生産設備の増強・合理化等 122,845 67,704 47,597
研究開発用設備の増強 12,419 7,380 8,184
土地および建物の取得 14,681 10,921 2,757
全社 172,540 101,184 68,197

-2017年3月期の設備投資は160,000百万円を予定。

設備の新設計画

(2016年3月31日現在)
会社名・事業所名 所在地 設備の内容 投資予定総額
(百万円)
着手 完了予定
(株) 金沢村田製作所 石川県
白山市
コンポーネント生産設備 42,000 2016年4月 2017年3月
(株) 出雲村田製作所 島根県
出雲市
コンポーネント生産設備 23,000 2016年4月 2017年3月
(株) 福井村田製作所 福井県
越前市
コンポーネント生産設備 12,000 2016年4月 2017年3月
同社 野洲事業所 滋賀県
野洲市
半製品等生産設備および研究開発設備 9,000 2016年4月 2017年4月
Wuxi Murata Electronics Co., Ltd.
[無錫村田電子有限公司]
中国
江蘇省無錫市
コンポーネント生産設備 7,000 2016年4月 2017年4月