ArvinMeritor 2009年9月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万米ドル)
  2009年
9月期
2008年
9月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 4,108 6,390 (35.7) -
EBITDA (167) 360 - -
純利益 (1,212) (101) - -
商用トラック部門
売上高 1,566 2,922 (46.4) 1)
EBITDA (98) 117 - -
小型車システム部門
売上高 1,033 1,571 (34.2) 2)
EBITDA (281) 5 - -
*EBITDA : 金利・税金・償却前利益

要因
1)
商用トラック部門

-為替変動による影響が204百万ドル。

-為替変動の要因を除くと、売上高は前年度と比べ1,152百万ドル、39%の減少。OEMの生産量が全ての市場で大幅に縮小したのが主な要因。

2)
小型車システム部門
-為替変動による影響が100百万ドル。

-為替変動の要因を除くと、売上高は前年度と比べ438百万ドル、28%の減少。世界経済の悪化と米国その他の市場環境が小型車への需要に影響を与えた。

-残存のシャシー事業の売上高は、106百万ドル。

受注

-米国のNavistarにアクスルを長期供給する契約を締結。2009年7月より、「International」ブランドの大型および中型トラック、 「IC Bus」ブランドの中型トラック向けに供給する。同社は10年以上に渡って、「International」の大型(クラス8)トラックにアクスルを納入 している。(2009年7月23日付プレスリリースより)

<北米>
-2009年3月、Navistarと7年のアクスル供給契約を締結。

-向こう3年間、VolvoとMack truckブランドにドライブアクスルの供給を継続。

-FreightlinerとWestern Starにアクスル、ブレーキ、ドライブラインの供給を継続。

-Meritor WABCOはDTNAに、2010年1月から新SS1200プラスエアドライヤーを標準供給。

<欧州>
-新発売された17-Xドライブアクスルの売上が順調に推移。

-610プロダクトプラットフォームにオンハイウェイハブリダクション技術の採用を拡大。

売却

シャシー事業
-2009年6月5日、合弁会社Gabriel de Venezuelaの株式51%を合弁相手に売却。Gabriel de Venezuelaは、主にベネズエラやコロンビアに向けて小型車のショックアブソーバー、ストラット、エキゾーストシステム、サスペンションモジュール を生産している。

-2009年6月24日、三井製鋼の子会社との合弁会社Meritor Suspension Systems Company (MSSC)の株式57%を売却する覚書を締結。この合弁会社は、北米で自動車用コイルスプリング、トーションバー、スタビライザーバーを製造、販売して いる。2009年10月30日、売却は完了。

-2009年9月期、Gabriel Ride Control Products North America (Gabriel Ride Control)を非公開投資会社OpenGate Capitalの子会社Ride Control, Llcに売却。Gabriel Ride Controlは、乗用車、軽トラック、スポーツ多目的車(SUV)、アフターマーケット関係向けモーションコントロール製品、ショックアブソーバー、ス トラット、ミニストラット、コーナーモジュール、その他自動車部品を製造している。

残存シャシー事業
-シャシー事業は、米国でのモジュールアッセンブリー事業と欧州で若干残っている。米国のモジュールアッセンブリー事業は残りの契約が終わる2010年3月から2011年12月の間に終了もしくは他のサプライヤーに移行する予定。

-欧州に残るシャシー事業は、フランスBonneval工場での欧州向けアフターマーケット用ライドコントロール部品(ショックアブソーバー)製造と英国Leicesterでの自動車、工業向けガススプリング製造。

ホイール事業
-2009年9月21日、ブラジルの商用車用ホイールやフレーム、鉄道貨物車、鋳物を製造しているIochpe-Maxion S.A.にホイール事業の売却完了。

工場閉鎖

-ケンタッキー州Carrollton工場を操業休止すると発表。同社はUAWの代表者や従業員と会合を持ち、閉鎖の計画を伝えた。閉鎖による影響を受け る従業員数は全129名。同社は、ホイールエンド組立工程をケンタッキー州とオハイオ州の工場へ移管する予定。なお、同工場内の鋳造センターも今後外部委 託する。この段階的閉鎖は2009年内に完了させる予定。(2009年5月13日付プレスリリースより)

事業提携

-中国の大手バスメーカー宇通集団(Yutong Group Co., Ltd.)と戦略的提携を締結。両社は中国において、バスやコーチ(長距離バス)向けドライブトレイン部品を生産する計画。同社はドライブアクスルとデッ ドアクスルを宇通に供給する。また、宇通のアクスル向けとして、同社の江蘇省無錫(Wuxi)工場でディファレンシャルキャリアとブレーキキャリパーを製 造。最終組立は宇通の河南省鄭州(Zhengzhou)工場で行う。生産開始は2009年末の予定。(2009年7月20日付プレスリリースより)

海外事業

<ブラジル>
-ブラジルでの商用車部品事業に最大10百万米ドルを投資する計画を発表。南米市場向けの新製品開発などに資金を振り向ける意向。(2009年8月10日プレスリリースより)

<インド>
-インドのBangaloreに技術センターを開設。
>>>詳細は、開発動向へ

開発動向

研究開発費

(単位:百万米ドル)
  2009年9月期 2008年9月期 2007年9月期
全社 103 122 116

研究開発拠点

名称 所在地
テクニカルセンター 米国ミシガン州デトロイト
インドBangalore
エンジニアリングセンター 米国、ブラジル、中国、フランス、ドイツ、インド、英国

 

-インドのBangaloreに技術センターを開設したと発表。アジア太平洋地域向けに自動車用アクスル、ブレーキの開発を行う。(2009年9月24日プレスリリースより)

研究開発活動

ハイブリッドクラス8ラインホールパワートレイン
-2009年1月、Walmart Transportationにハイブリッドドライブトレインシステムを納入。ほとんどのハイブリッドシステムはスタート・ストップアプリケーションに適 合するが、このハイブリッドドライブトレインは長距離輸送トラック、大型商用車、ディーゼル燃料車用に開発。このMeritor Multi-Mode Hybrid Powertrainは機械と電気のドライブシステムを統合したもの。1時間あたり48マイル以下ならリチウムイオンバッテリーから電気モーターへ送られ るエネルギーで走行。これらのバッテリーは、回生ブレーキやエンジンドライブジェネレーターで再充電される。自動車が高速走行に近づくと、ドライブトレイ ンはディーゼルエンジンに切り替わり、モーターは必要な場合のみ作動、全体としてシステムの最適化が図られる。このハイブリッドドライブトレインは同社が プロジェクトリーダーとなりNavistarやCumminsと共同開発したもの。

Meritor Lubrication Management System (MLMS)
-MLMSは自動車の走行状態によりアクスル潤滑レベルを調整する。長距離用車は走行の90%を高速で走ると想定。このような状況においてオイル攪拌ロス が極めて大きくなると潤滑油レベルをビスカスドラッグが自動的に減少させる。高速走行中のオイル攪拌抵抗の減少によりアクスル効率は、燃費改善とともに 1%まで向上。

次世代技術

MT-14Xタンデムアクスル(2010年3月より生産開始)
-燃費効率の向上
-ドライブラインの形状の最適化
-トルク/出力能力の向上
-アクスル回転率の向上

デュアルモードハイブリッド
-回生ブレーキ、エネルギー回収
-排気フリーアイドリング
-電化エンジンアクセサリー
-ナローモードエンジン運行
-燃料効率の改善(15%+)

高効率SMARTタンデム
-高効率荷台
-軽量化
-寄生損失の減少
-自動牽引コントロール

設備投資

設備投資額

(単位:百万米ドル)
  2009年9月期 2008年9月期 2007年9月期
全社 111 138 86
商用トラック部門 68 80 31
小型車システム部門 29 40 32

2007- 2009年生産設備投資

(単位:百万米ドル)
地域  
米国
-専門設備 29
-フットプリント最適化 24
-その他 14
メキシコ 52
ブラジル 9
欧州 72
アジア・太平洋 18