TE Connectivity Ltd. (旧 Tyco Electronics Ltd.) 2015年9月期の動向
業績 |
(単位:百万ドル) |
2015年 9月期 |
2014年 9月期 |
増減率 (%) | 要因 | |
全体 | ||||
売上高 | 12,233 | 11,973 | 2.2 | 1) |
営業利益 | 1,749 | 1,805 | (3.1) | - |
輸送ソリューション部門 | ||||
売上高 | 6,351 | 6,090 | 4.3 | 2) |
営業利益 | 1,193 | 1,245 | (4.2) | - |
要因
1) 全社
-2015年9月期の売上高は、前年比2.2%増の12,233百万ドル。増収要因は、買収効果で5.9%増、本業の売上増加で3.8%増となり、為替による悪影響の7.5%減を相殺。本業の3.8%増は、主に輸送ソリューション部門と通信ソリューション部門の増収が貢献。一方で、価格下落による本業へのマイナス影響分は208百万ドル。
2) 輸送ソリューション部門
-輸送ソリューション部門の2015年9月期売上高は前年比4.3%増の6,351百万ドル。買収効果で9.3%増、本業の売上増加で4.1%増となり、為替による悪影響の9.1%減を相殺。買収したMeasurement Specialtiesによる2015年9月期の売上貢献分は548百万ドル。
—本業の売上高のうち、自動車市場向けは5.1%増で、アジア太平洋地域が8.2%増、欧州・中東・アフリカ (EMEA) 地域が4.4%増、米州地域が0.8%増となった。アジア太平洋、EMEA、北米地域で車両1台あたりの納入量が増加したことが増収要因となり、ブラジルでの生産台数減少による南米地域の減収分をカバーした。
買収
-2014年10月、Measurement Specialtiesの買収を完了したと発表した。この買収に関しては2014年6月に発表済み。Measurement Specialtiesは、圧力センサー、振動センサー、フォースセンサー、温度・湿度センサー、超音波センサー、ポジションセンサー、フルイドセンサーなどさまざまなセンサー技術を幅広い製品・産業向けに提供している。Measurement Specialtiesは、TE Connectivityの輸送ソリューション部門に統合される予定。(2014年10月9日付プレスリリースより)
売却
-2015年11月、同社はLittelfuseに回路保護事業を売却することで正式合意したと発表した。取引金額は350百万ドル。同事業は、自動車、バッテリー、産業、通信、モバイルコンピューティングなどの市場において、ポリマーベースの回路保護機器で主要な地位を占めている。米国カリフォルニア州のMenlo Parkを本拠とし、中国では上海と江蘇省昆山 (Kunshan) に生産拠点があり、日本では筑波事業所を保有している。この取引は2016年上半期に完了する見込み。今回の売却により、同社は厳しい環境下で使用するコネクティビティおよびセンサーソリューションに注力するとしている。(2015年11月9日付プレスリリースより)
2016年9月期の見通し
-2016年9月期の売上高は120億~128億ドルと予測。輸送ソリューション部門の売上高が増加し、通信ソリューション部門が2015年9月期水準より減収するのを相殺する見通し。
-2016年9月期は自動車のグローバル生産台数が前年度と比べて同水準にとどまる見通しだが、同社は自動車市場向けの販売増加に伴う輸送ソリューション部門の増収を見込んでいる。また、センサー市場向けも増収と予測、商用輸送機器市場向けの減収分をカバーする見通し。
研究開発費 |
(単位:百万ドル) |
2015年9月期 | 2014年9月期 | 2013年9月期 | |
全体 | 540 | 484 | 494 |
-輸送ソリューション部門 | 262 | 196 | 199 |
研究開発体制
-約7,000名のエンジニアが研究開発、エンジニアリングに従事。
-過去3年間に開発された製品改良を含む新製品の売上高は、全社売上高の約20%を占める。
設備投資額 |
(単位:百万米ドル) |
2015年9月期 | 2014年9月期 | 2013年9月期 | |
全社 | 600 | 635 | 581 |
-輸送ソリューション部門 | 400 | 379 | 325 |
海外投資
<米国>
-2014年12月、米国ミネソタ州のAndoverに温度センサーの設計・製造センターを開設したと発表した。面積は51,350平方フィートで、産業製品、HVAC、医療機器、調理用機器、航空宇宙、防衛などさまざまな産業・分野の顧客向けに供給する。また今後、同州のHam Lake拠点の従業員が5マイル南西に位置する新センターに異動する予定。同センターでは、80,000平方フィート超の拡張が可能になるという。(2014年12月11日付プレスリリースより)