TE Connectivity Ltd. (旧 Tyco Electronics Ltd.) 2014年9月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万ドル)
  2014年
9月期
2013年
9月期
増減率 (%) 要因
全体
売上高 13,912 13,280 4.8 1)
営業利益 2,045 1,556 31.4 -
輸送ソリューション部門
売上高 6,090 5,485 11.0 2)
営業利益 1,283 972 32.0 -

要因
1) 全社
-2014年9月期の売上高は、前年比4.8%増の13,912百万ドルとなった。輸送ソリューション部門が堅調に推移、次いで工業ソリューション部門がプラス成長し、ネットワークソリューション部門とコンシューマソリューション部門の減少を補った。増収は、為替のプラス効果によるもので、価格下落の影響により押し下げられている。

2) 輸送ソリューション部門
-2014年9月期の売上高は前年比11.0%増の6,090百万ドル。中国、日本、北米の自動車の旺盛な需要増、欧州・中東・アフリカ (EMEA) 地域への輸出需要の増加が売上高の増加に寄与。これらの地域の増収がその他の地域の減少を補った。製品別では、北米トラック市場が堅調なことにより商用車市場向けの売上が増加。さらに中国およびEMEA地域における新しい排ガス規制の適用も影響した。

買収

-圧力・ポジションセンサーを製造するAmerican Sensor Technologies (AST) を買収したと発表。ASTの2013年の売上高は約20百万ドル。海洋、海底油田・ガス田、エネルギー・発電、工業用制御機器、航空宇宙、防衛、工業用・商用輸送などさまざまな産業向けに製品を供給している。(2014年9月2日付プレスリリースより)

-米国を本拠とするMeasurement Specialtiesを買収することで合意したと発表した。買収金額は約17億ドル。Measurement Specialtiesは、センサーおよびセンサーベースシステムの設計・製造を行っており、2014年度の売上高は540百万ドルを見込んでいる。圧力センサー、振動センサー、力センサー、温度・湿度センサー、超音波センサー、ポジションセンサー、フルイドセンサーなどさまざまなセンサー技術を幅広い製品・産業向けに提供している。(2014年6月18日付プレスリリースより)

2015年9月期の見通し

-同社は2015年9月期の売上高が、147億ドルから153億ドルのレンジになると予測。輸送ソリューション部門、ネットワークソリューション部門で売上が大幅に増加、工業ソリューション部門は小幅な伸びとなる見通し。輸送ソリューション部門は、世界の自動車生産台数の増加率 (前年比2.5-3%増) を上回る成長と予測。

開発動向

研究開発費

(単位:百万ドル)
  2014年9月期 2013年9月期 2012年9月期
全体 572 576 595
-輸送ソリューション部門 193 193 181

研究開発体制

-7,500名が開発研究、エンジニアリングに従事。

 
-過去3年間に開発された製品改良を含む新製品が、2014年9月期の売上高に占める割合は約25%。

設備投資

設備投資額

(単位:百万米ドル)
  2014年9月期 2013年9月期 2012年9月期
全社 673 615 533
-輸送ソリューション部門 378 325 285

海外投資

<韓国>
-韓国子会社Tyco Electronics AMP Korea Ltd.は、慶尚北道の慶山 (Gyeongsan) 工場を増設すると発表した。設備投資額は約1,600億ウォン (160億円)。同子会社はコネクター、センサー等の電子部品を生産し、韓国国内外の自動車メーカーに納入している。(2014年7月16日付プレスリリースより)

<タイ>
-日系自動車メーカーを主な納入先とする新工場をタイに建設すると発表。2015年春に稼働し、自動車用コネクターなどの製品を生産する。メーカー各社の現地調達化のニーズに対応して東南アジアに本格的な生産拠点を設け、現地での需要の増加に対応する。新工場は日系自動車メーカー向けを主に生産するが、その他の自動車メーカーにも納入先を広げる。日系メーカー向けは日本から金型を持ち込み、日本法人のタイコエレクトロニクスジャパンが生産面で支援する。(2014年2月13日付日刊自動車新聞より)