TRW Automotive 2006年度の動向
ハイライト
業績
(単位: 百万ドル |
2006年度 | 2005年度 | 増減率 (%) |
要因、背景 |
総売上高 |
13,144 | 12,643 | 3.9 |
・3.9%の売上増は、主に新製品及び、一部プラットフォームの販売の好調、2005年10月に買収したDalphi Metal Espana, S.A.,との年間を通した連結売上の寄与、及び為替差益等の増加が、一部顧客に対する値下げ並びに生産性低下による売り上げ減の影響をカバーした。 |
総純利益 |
176 | 204 | (13.8) | ・Lucas bond取引に起因する57百万ドルの費用負担を含めた特別損失による。 |
セグメント別売上高 | ||||
シャシー |
7,096 | 7,197 | (1.5) | ・106百万ドルの為替差益はあったものの、売上は、北米市場の低調な車両生産の影響、及び216百万ドルに及ぶ値下げに起因し減少した。 |
乗員安全 |
4,326 | 3,755 | 15.5 | ・売上増は、主に2005年10月に買収したDalphi Metalの連結売上にる効果336百万ドル、値下げによる販売増が216百万、及び29百万ドルの為替差益の要因による。 |
自動車部品 |
1,722 | 1,691 | 1.8 | ・売上増は、主に為替差益による増加が36百万ドルあったものの、販売不振による影響がー6百万ドルあった。 |
受注
2006年度の主な新規受注
2006年3月:中国の2つの工場で長安Fordの新型Ford Focus向け乗員安全システムおよびステアリングシステム部品の生産を開始した。上海汽車股份有限公司(Shanghai Automotive Co., Ltd.)との合弁会社「上海天合汽車安全系統有限公司(Shanghai TRW Automotive Safety Systems Co., Ltd.)(STASS)」がエアバッグ及びシートベルトを納入し、同社の完全子会社「天合汽車零部件(上海)有限公司(TACS)」が電動油圧ステアリングシステム(EPHS)技術を採用したステアリングシステム部品を納入する。
2006年3月:同社のアジア・太平洋地区およびいくつかの北米子会社が共同で、奇瑞汽車の新型A520向けにABSを開発したと発表した。3大陸のエンジニアが協力して中国国内用プラットフォームであるA520用に精巧な開発作業プロセスを完成した。
2006年4月:中国長春の第一汽車(FAW)工場で生産される新型Audi A4向けに各種能動・受動安全システムを同社の中国工場(TRW FAWER Automobile Satety SystemsCo.,Ltd社及びTRW Lucas Varity Langzhong Brake Co., Ltd社)から供給すると発表。
2006年11月:同社子会社のKelsey-Hayes Co.,を通じChrysler Group の2007年型車にステアリングアングルセ
ンサーを供給すると発表。
企業買収
2006年8月:TRW Automotive Holding Corp. の子会社は、スロバキアのモーター生産事業、Dana Emerson Actuator System をDana Corp.から買収すると発表。
売却等
業界の厳しい状況に対応すべく、大規模なリストラクチュアリングを実施。(2005年より16の工場閉鎖を発表した
閉鎖工場は以下の通り。Aylesbury, Brighton, Burgos, Ceernay, Cookeville, Frankley, Holford, Itzehoe, Jackson, Kani, Kingsway, Malaysia, Rushford, Sterling Heights, Tarbes, Wednesbury)
2006年3月、子会社Kelsey-Hayes Co.,はRushford, Minn. 工場を閉鎖すると発表。 この決定はマーケティングコストの持続的上昇と事業の成長性確保が目的である。Rushfor工場は従業員が175名おりHeating Ventilation Air Conditioning ControlsとSwitchのアッセンブリングをおこなってきた。閉鎖は2007年の第3四半期末の予定。
開発動向
開発研究費及びエンジニアリング費
-技術センターを世界中で展開。約5,000名のエンジニア、研究者、設計者、技術者、それらのサポートスタッフを保有。同社は研究開発費及びエンジニアリング費用として2004年714百万ドル、2005年780百万ドル、2,006年825百万ドルを支出している。この金額は各年度の対売上比5.9%(2004年)、6.2%(2005年)、6.3%(2,006年)を占める。
製品開発
2006年1月:同社はハイブリッド車用に開発した一連の技術を公表した。 これら製品やシステムには、単純な軽量
部品からSlip Control Boostのような先進のブレーキ技術、電動油圧セテアリングシステムまでが含まれる。
2006年6月:最新のアダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)とアクティブ・コントロール・リトラクター(ACR)・ジートベ
ルト技術を組み合わせた、車の衝突に関し、乗員の事前の行動を助ける先進のシステムを発表した。
2006年12月:TRW Automotive Safety Systems Gmbhは、非対称エアバッグ技術に基づく、車の個別の内装に
適合するように設計されたエアバッグクション付の非回転性運転席エアバッグモジュールを発表した。
設備投資
百万ドル | 2006年12月期 | 2005年12月期 | 2004年12月期 |
シャシーシステム (Chassis Systems) |
273 | 275 | 286 |
乗員安全システム (Occupant Safety Systems) |
167 | 146 | 132 |
自動車部品 (Automotive Components) |
76 | 79 | 73 |
Corporate | 13 | 3 | 2 |
合計 | 529 | 503 | 493 |
海外投資
中国
2006年3月:同社の商用車ステアリング事業部門の新工場を中国長春に新設すると発表した。新工場は
TRW Automotive J.V. LLCと富奥汽車零部件有限公司 (Shanghai Automotive Co., Ltd.)の合弁会社である「天合富奥商用車転向器(長春)有限公司(TRW FAWER Commercial Vehicle Steering Systems (Changchun) Co., Ltd.) の新拠点となる。工場では、20種類以上のステアリング製品を供給していく。また、同工場から機械加工部品を米国とメキシコに輸出する。新工場の生産ラインは14本で、年間生産能力は25万ユニット。
2006年4月:中国での合弁会社 Lucas Varity Langzhong Braking _Company Ltd.の工場を拡張すると発表した。これは、中国での同社の電子式駐車ブレーキ(EPB)の生産を立ち上げることを目的としたもので、生産は2007年に開始する計画。
2006年11月:TRW Automotive のEngineered Fasteners & Components事業は、中国の廊坊(Langfang,山東省)に新工場を開設した。同社はエアレジスター、センターベーゼルなどの内装部品を生産する。
2006年12月:TRW FAWER Automobile Safety Systems (Changchun) Co., Ltd は中国の北京にBeijing Benz-Daimler Chrysler Automotive Co., Ltd 向けシャシーモジュール生産の工場を設立した。 4,500平方メートルの工場に、モジュール年間生産能力のフル稼働のため、今後5年間で最大100人の 現地従業員の雇用を計画。同工場は当初中国で新たに国産化されるフラッグシップの豪華車Chrysler 300C及び他の新型セダンプラットフォーム車向けに、リアアクスル、ブレーキアッシー、フロントストラット、及びナックルアッシーを供給することになっている。
マレーシア
2006年11月:TRW Automotive Services MalaysiaはTRWのグローバルな情報システム(IS)サービスセン
ターとしてマレーシアのCyberjayaに公式オープンした。投資額は2.4百万米ドルを超える。新会社はTRW Automotive Holding Corpの子会社となり、TRWのオペレーションに対しグローバルなレベルで、ISサポートを供給する。本年末までに、TRWは27,000平方フィートの施設に100人の1S専門家を雇用する計画であり、2007年末までには更に100人雇用を予定している。