Donaldson Company, Inc. 2014年7月期までの動向

ハイライト

近年の動向

業績

(単位:百万ドル)
2014年
7月期
2013年
7月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 2,473.5 2,436.9 1.5 -
税引前利益 360.7 348.2 3.6 -
エンジン製品部門
売上高 1,584.0 1,504.2 5.3 1)
税引前利益 233.9 220.9 5.9 -

要因

1) エンジン製品部門
-2014年7月期のエンジン製品部門の売上高は、前年比5.3%増。オンロード車向け製品の売上高は、前年比1.2%増の130.0百万ドル。米州およびアジアで売上高が減少したものの、欧州では37.5%増と大きく伸長。欧州におけるEuro6の施行開始 (2014年1月) が売上増に寄与。

業績見通し (2015年7月期)

-同社は、2015年7月期の売り上げが前年比4-8%増の2,570百万ドルから2,670百万ドル、同営業利益率は14.1-14.9%の間で推移すると予測。

受賞

-2013年、米国インディアナ州にあるFrankfort拠点が、Daimler Trucks North America (DTNA) より2012年「Master of Quality Award」を受賞したと発表。同工場がこの賞を受賞するのは、今回で3度目となる。同工場は、さまざまな種類のエアインテークシステムおよび関連部品をDTNAに納入しており、エアエレメントは「Freightliner Cascadia」などに搭載されている。(2013年9月18日付プレスリリースより)

-2010年、スウェーデンVolvo Groupより、2009年のクラス別でトップのプレミアムサプライヤーとして表彰されたと発表。(2010年8月19日付プレスリリースより)

-2010年、同社Baldwin工場 (ウィスコンシン州) がDaimler Trucksの北米法人 (DTNA) から、高品質と評価を受け、2009年「Masters of Quality Award」を受賞したと発表した。同工場の受賞は2回目、全社では5回目の受賞。(2010年8月2日付プレスリリースより)

受注

-2011年、同社のエアフィルター「PowerCore G2」を、オンロードトラック・大型輸送トラック・クローラー車などに幅広く供給していると発表。欧州市場における採用増加に伴い、同社は英国のHull工場における「PowerCore G2」の生産能力を2011年4月より拡大する計画。(2011年3月21日付プレスリリースより)

開発動向

研究開発費

(単位:百万ドル)
  2014年7月期 2013年7月期 2012年7月期
全社 61.8 62.6 59.6

研究開発体制

-米国ミネソタ州Bloomingtonにグローバル研究開発センターを、ベルギー Leuvenにエンジニアリングセンターを保有。

-2014年7月末現在、10百万ドルを投じて、米国ミネソタ州Bloomingtonの研究開発センターの能力増強を実施している。主に、エア・リキッドフィルター分野の能力が増強される見通し。

-2011年、中国・インド・米国に3つの試験研究所を開設したと発表。中国の江蘇省無錫 (Wuxi) 市にある地域本社では、Greater China R&D Center内に試験研究所を開設。同社のエンジン部品事業の拡大に貢献する。また、インドGurgaonの地域本社および工場には、エアインテークシステムの試験研究所を設置。さらに、産業用フィルターシステム部門のDonaldson Toritは、米国のミネソタ州Bloomingtonにフィルター製品の試験研究所を開設した。(2011年8月17日付プレスリリースより)

製品開発

エアクリーナー
-2013年、オンロード車およびオフロード車用の「PowerCore」シリーズに、「PCD」および「PSD14」を追加し、ラインナップを拡大した。エアクリーナー「PowerCore PCD」は、塵の少ない環境で使用するオンハイウェイトラックなどに最適な、単段フィルターの小型ユニット。「PCD」製品群には「PCD09」および「PCD10」が含まれ、エンジン空気流量が最大974立方フィートとなる。また、大型タイプのエアクリーナー「PSD14」は、流量が最大1,450平方フィート。「PowerCore PSD」には、「PSD08」、「PSD09」、「PSD10」、「PSD12」が含まれており、1つのユニットにプレクリーナー内蔵の2段式フィルターがコンパクトに納められているのが特徴。(2013年8月28日付プレスリリースより)

耐熱濾材「Synteq XP」

-2011年3月、クランクケース換気システム「Spiracle」に用いられる耐熱濾材「Synteq XP」を開発した。これは、大型商用車の排ガス規制に対応するもの。「Synteq XP」を用いたクランクケースは、最大95%の濾過効率・140℃の高温での濾材機能の持続・最大2,000時間のフィルター寿命などを実現する。 (2011年3月17日付プレスリリースより)

設備投資

設備投資額

(単位:百万ドル)
  2014年7月期 2013年7月期 2012年7月期
全社 96.8 94.3 77.2

-2015年7月期の設備投資額は、90-100百万ドルを計画。配分は以下の通り:
  • 新製品向けの金型・生産設備:30%
  • 自動化等のコスト低減施策:30%
  • 研究開発等:25%
  • 生産能力増強:15%

海外投資

<ポーランド>
-2013年、ポーランドのSkarbimierzに新たにフィルター工場を建設すると発表。欧州やロシアの顧客からの需要に対応する。新工場の面積は1万平方メートルで、今後さらに拡張が可能となる。オンロード車、オフロード車向けの大型エアフィルターの生産を行う予定。2015年に開設予定の同工場は、Donaldsonにとって中東欧で3番目の生産拠点となる。(2013年7月8日付プレスリリースより)

<メキシコ>
-2011年、メキシコのAguascalientesで新工場建設を開始すると発表。この拠点の面積は140,000平方メートルで、米州市場向けにエアーフィルターの生産を行う。Aguascalientesの既存工場では現在、エアーフィルターとリキッドフィルターを生産中。新工場の完成を待って、既存工場はリキッドフィルターの製造に特化する計画。(2011年3月4日付プレスリリースより)

<ベルギー>
-2010年9月にベルギーのLeuven拠点を拡張した。ベルギーのエンジニアリングセンターは、1976年に同社の欧州、中東、北アフリカ市場に向けたセールスサポート、運営拠点として開設された。さらに、同拠点にはエンジニアリングおよびテスティング設備が設置されている。今回3,700平方メートルの追加により、既存拠点の2倍の能力を有することになる。これにより、液体、クランクケース、エアフィルター、ノイズ振動、排ガス後処理などのエンジンフィルター技術の製品テストが可能となる。(2010年9月27日付プレスリリースより)